ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

旅先のスケッチのおすすめ。 歩く、描く、読む、温泉・・・ 奥日光の生活

2013-08-23 | 
奥日光でよく行くのは戦場ヶ原の辺です。

赤沼に車を止めて、せせらぎ沿いを入っていきます。



このせせらぎが大好きです。
静かで穏やかな流れ。
せせらぎ沿いを一人でゆっくり歩きます。

あまり人がいないのもいいです。

(あまりいなさすぎるのも怖いですが・・・・今年もクマが目撃されてるようですし・・・)



時折、気に入った場所でスケッチブックを広げて、スケッチ。

別にうまくかけなくてもいいのです。

ただひたすら描いているときは、五感が研ぎ澄まされて、さらさらと流れるせせらぎの音、森を渡る風が揺らす梢の葉の音、鳥の鳴き声、フィトンチッドいっぱいの森の大気などが記憶に刻み込まれます。

旅先で描いたスケッチブックを広げれば、写真よりビデオより、その場所のざわめきや大気の匂いなど雰囲気が戻ってきます。
ニューヨーク、パリ、フィレンツエ、ポンペイの遺跡、ロンドン、モルディブの砂浜、タイのお寺、バリの海辺、ニュージーランドの牧場、ハワイ、国内では京都やいろんな場所の海辺や山や・・・

気に入った場所で、座り込んで好きなだけスケッチ。

自由な旅ならではのお気楽さ。

その場所にいる何時間か、その場所の一部になってすべてをゆっくり味わえる感じです。
観光もお買い物もグルメも飽きるけど、スケッチだけは飽きません。


どのスケッチブックも、どのページも、旅先の空気とそこに存在した『私』を詰め込んだ、私だけの宝物です。




いつものスケッチ道具。

油絵の具は画材が持ち運びが重いので、最近はもっぱら固形の透明水彩をつかっております。

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吹割の滝 &ペルセウス座流星群

2013-08-14 | 

滞在中の奥日光から、ちょっとドライブして群馬県の吹割の滝へ。

暗い林の中を坂道を下っていくと目の前がパッと開けて、奇妙な形の岩と、広い川、白糸のような滝が見え始めます。
滝というイメージは周りが閉じた感じがありますが、ここは風が吹き抜ける気持ちの良い場所。

30mの幅で壮大に広がる滝から立ち上るマイナスイオンですっきり。
訪ねてみる価値のある景観地です。

しかし滝の入り口付近で3分おきぐらいに拡声器で流される「白い線から中へ入るな」といううるさい(そしてお帰りには○○温泉へどうぞとCMも入る)アナウンスと、岩に直接書かれた馬鹿でかいバッテン印には興ざめ。

素晴らしい景観なのに、センスがないなあ・・・

面白い岩場と広く浅い川と段々の滝が続くので、特に夏には水遊びしたくなる場所です。
すごく気持ちよさそう。

でもたくさんの子供が遊べば中にはサンダルを流され、それを追った子供が滝に落ちる、とかありそうです。

なので事故が多いのだろうというのはわかるけど、もうちょっとやりようがあるでしょう・・・

例えば入山料をとってもライフガードを付けて見張るようにするとか・・・?

上手く開発すれば本当に「東洋のナイアガラ」になるような場所だけに残念です。




ところで、ペルセウス座流星群を見ようとおとといの夜中(13日の早朝)午前三時にトライ。

22時ごろにホテル前で空を確認したところ、天の川もくっきり見える満天の星で、すごい期待しておりました。
夜中の3時頃起きだして、明かりのない、上が開けてる場所を探して、湯の湖まで車で行きました。

でも悲しいことに、一面のうす雲・・・・

雲が晴れるまで頑張ろうと思いましたが、寒くてあえなく撤退。
(Tシャツ+長袖シャツ+ヨットパーカー+ウィンドブレイカー でも寒すぎでした。17度ぐらいだと思います)

今朝、もう一度トライしようと思ってましたが、目が覚めたら夜明けでした・・・

見られた方、いらっしゃいますか?
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奥日光に来ております。

2013-08-12 | 
先日より奥日光に来ております。
気温は24度くらいかな?

ホテルのテラスで読書。

読んでるのは、ポール・リンゼイの、「覇者」。

沢のせせらぎが聞こえて、涼しいです。
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犯罪と知っていても惹かれてしまう・・・ 解錠師 byスティーブ・ハミルトン

2013-08-11 | 読書
「風たちぬ」をみて、この「人を殺す武器となるとしっていても、どうしても憧れて作らずにはいられないジレンマ」の感じ、どこかでもっとうまく表現されているのを読んだことがあるな~と思って思い出したのが、

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーブ・ハミルトンの「解錠師」でした。

いろいろなミステリーベストテンでもトップに輝いたことがある名作なので、読んだことがある方も多いかもしれません。

小さいころに恐ろしい事件から生き残り、言葉を失ってしまった少年マイクが、錠を開けることの面白さにひかれ、ただただ面白くて古い鍵を分解しては開け方の研究をする。

それを高校で初めてできた親友に見せるが、そこから悲劇が始まる・・・・

錠を開けるということだけ、ただそれだけが面白くてマイクは熱中するのですが、大人の社会では錠を開けるということが意味するのは犯罪。

法を犯す意図をもった悪人の犯罪に巻き込まれていくマイク・・・

また、マイクは「絵を描く」という才能も持っていて、それを通じて知り合った少女と心を通わせています。

そんなマイクが、小さいころのトラウマを克服し、現状で巻き込まれてしまった犯罪からどう立ち直っていくのか・・・

少年の成長の様子が、時を飛んで入れ子細工のように組み立てられて、最後まで飽きさせずに読者を引っ張る作品です。

1999年の、マイクが犯罪に陥っていく辺と、2000年にぬきさしならない立場になってしまう辺が交錯して書かれ、それが一本の線にまとまっていくところが読んでいて小気味よいのですが、今回は1999年の辺をまずざっと読み、また最初に戻って2000年につなげて読む、という変則読みをしてみました。

もちろんそうすると味わい的には平面的になってしまうので、決しておすすめはしませんが、そうやってよんでみると、まだ幼いマイクが言葉を失い、聞こえないような音を手掛かりに錠を開けるのに惹かれていく姿や、芸術的に錠を開けられるということで、今まで孤立していたのに、急に人からつながりを求められるのが嬉しくて、最終的に犯罪だとしても手を貸してしまう心情が切ないほどに伝わってきて、

「そこで立ち去るんだ、マイク!」
「そこでやめれってば!」

と思わず大声で(もちろん心の中ですが)叫んでしまったのでした。

細やかな人物描写は、主人公の人間性をくっきりと描き出していて、共感してしまいます。


かの映画でもこのように主人公の心理を描いてくれていたら、きっともっと共感できたのに、とおもいまする。

                


さて、暑い盛りの東京を抜け出して、またしばらく山奥でしばをかってきます。

少し涼しくなったらもどります。

できるだけあちらから更新しようかな?  ?  と思っていますが・・・

コメントのお返しは遅れるかもしれませんのであしからず。


では行ってきます♪



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夏バテに効く! 冷し甘酒の作り方 & 甘酒・オ・レ

2013-08-08 | グルメ
先日、夏バテに効くオレンジヨーグルトドリンクの記事を書いたときに、iguさんより「冷たい甘酒飲んでます」というコメントをいただきました♪

冷し甘酒!!!

jesterの目がきらりと光る。

なんせ、冷蔵庫には酒粕の在庫がぎっしり。

酒粕が体にいいと聞いて、スーパーで安くなっていたので大人買い(爆)したけど、甘酒に飽きてしまい、そろそろ賞味期限を迎えていたので、「もう捨てちゃおっかな」と思っていたところでした。

とりあえず冷やしてみようじゃないの。

冷し甘酒レシピ

酒粕 100gぐらい
水 500㏄ぐらい
ショウガ 一かけ 私はみじん切りにしますが、歯ごたえが気になる方はすりおろして汁だけ。
蜂蜜、砂糖、甘味料など それぞれのお好きなぐらい

水に酒粕をほぐして入れ、温めながら煮溶かして、溶けたらショウガと甘みを加える。私は蜂蜜と甘味料を適当に入れてます。


今まではこのまま飲んでいましたが、これを粗熱をとってから冷蔵庫で冷やします。



爽やか~~~!
冷たくしただけで別物のようにさわやかです。
jesterのレシピはショウガをみじん切りにしているので、時々こりこりとショウガを食べながら飲みます。

なぜみじん切りにしたのか。すりおろすのが面倒くさいからです(汗
面倒くさくない方は、すりおろしてもいいかも。

でもみじん切りで時々ショウガを食べながら飲むのもいいもんですよ

甘みは蜂蜜とローカロリー甘味料でつけてますが、オーソドックスにお砂糖でも黒砂糖でコクを出してもいいと思います。

  
  

何回か飲んで飽きたら少しミルクを足して、甘酒オ・レにしてみました。



こちらはミルク入りですが、画像的には「間違いを探せ」ぐらい違いの分からないものになりました。
ダンボー君が紹介してます。

味は、酒臭い感じの後味が消えてミルクっぽい優しい飲み心地。

甘酒は
『麹菌が繁殖するときに、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、イノシトール、ビチオンなど、すべての天然型吸収ビタミン群を作って米麹に蓄積させ、それが甘酒に溶出されてきます。ですから甘酒は、まさに総合ビタミンドリンクなのです。
また甘酒は天然の必須アミノ酸を最も多く含む飲物です。米の表面はタンパク質が多く、そこに麹菌が増殖すると、タンパク質分解酵素を出して分解し、アミノ酸に変えてしまいます。病院でよく行われる点滴は、ブドウ糖溶液とビタミン溶液とアミノ酸溶液を血管から補給するものですから、これと同様の効果が得られるということです。』 (こちらより

ということで、オレンジヨーグルトに勝るとも劣らない栄養があるのです♪

しかもコレステロールを減らしたり、体にいいことたくさん♪

オレンジヨーグルトに飽きたら、冷し甘酒もぜひぜひお試しくださいませ♪

iguさん、いつもいいこと教えていただいて、ありがとうございます!!!

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ミシンをかける猫(間違い) ミシンをかけるのを邪魔する猫

2013-08-06 | にゃんこ

なんやねん、このかたかたいって動いて、ひもが出たり入ったり

なんかおもしろそう


どかされても、どかされても、

またテーブルに乗ってきてトライ。


お願いだす、やめてけろ~~~~~





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「風立ちぬ原画展」の感動と 「風立ちぬ」の失望

2013-08-02 | 映画 DVD TV
事の発端は、友達と待ち合わせの時間までにまだ一時間あったこと。

どうやって時間をつぶそうかと思ったら、ふと目に入ったポスター。



映画「風立ちぬ」の原画展でした。

あ、ちょうどいいや、映画も見ようと思ってたし、と気軽に入りました。

平日の夕方だったのに、すごい混雑。

そして、とても見ごたえがあったのです。

宮崎駿監督の絵コンテとかキャラクターデザインもよかったけど、なんといっても背景にうっとり。

思ったより小さいサイズで、細かく書き込まれた昭和の風景は、まるで箱庭かミニチュアみたいで、職人芸でした。

軽井沢のホテル、療養所、どこかの離れ、主人公の生まれた家、下宿、学校、などなど、どれもどれも素晴らしく美しい「背景」でした


それで・・・期待しすぎました・・・・

その後、しばらくして映画を見たのですが・・・・だめでした・・・・

レビューを書こうにも書けないぐらい、だめでした・・・・

バッタリ倒れて、しばらくもがいて、やっと起き上がって、ぽつぽつ書いてみます・・・




(以下、映画の内容に触れています。未見の方、ご注意ください。

内容を、酷評しています。

この映画のファンの方は、気分を害されるかもしれません。

これはjesterの個人的意見ですので、どうぞスルーなさってくださいませ



               






宮崎駿監督の作品には2種類あると思う。

観客が楽しめるように見せ場をいっぱい盛り込みつつ、観客のために作った作品の中に、少しずつ自分の好きなことをこっそりと盛り込んでいく作品。(例、となりのトトロ、ラピュタ、ナウシカ、もののけ、etc.)

多分宮崎氏的には不本意な、子供の客に媚びなくてはいけない、食べるためにこなす、もしかしたらある部分「やりたくない仕事」。


そして、今回のように、観客のことなど考えず、自分の好きな世界を思う存分描いちゃう「本当にやりたかった仕事」

だから見る人を選ぶんでしょうね~
飛行機大好き、女は男の足手まといにならないよう美しくなくなったらそっと消えるようであれと願う宮崎氏の『ロマン』に共感する人を。


私は選ばれませんでしたわ。ははははは。



飛行機の設計に没頭してる男、堀越二郎。

幼少期、空を飛びたいと憧れていた彼は、視力が悪く、操縦士にはなれないかもしれないと思っていた。

そして雑誌で読んだイタリア人飛行機製作者カプローニと夢の中で出会い、自分の将来の夢は飛行機を設計することだと確信する。

この辺はよかったのです。
飛びたいという気持ちが伝わってきました。

緻密に描きこまれた背景も画面も期待していた通りだし、音楽もよし。



でも大きくなって出てきた堀越君登場の、列車の中のシーンでまず声でのけぞる

学生なのに、おっさんの声だよ? すごい違和感!!!

・・・・         

しかもメリハリもなく、通る声でもなく、美しくもない、若さが感じられない、男性にしては高いぼそぼそ声。

庵野秀明監督を主人公の声に選んだのは、「宮崎氏が思うに庵野秀明氏がエヴァンゲリオンなど自分の好きなことだけをして『正直に生きた』人だから」、とどこかで読んだけど・・・

あの声があの棒読みの感情のこもらない素人の演技が、商品としてお金が取れるものだとは思えなかった。

プロのアニメ声優の喋り方は私も嫌いだけど、せめて俳優を使って欲しかったな。


しかし・・・・・・・・・・
ここは100歩譲って・・・
・・・10000歩譲って我慢するとしよう。



理解ある恵まれた家庭に育ち、才能もあり、鳴り物入りで就職し、職場でも大切にされ、外国に留学し、
「この飛行機の一つの部品で何百人もの餓えた子供が救われるね」といいながら、餓えた子供たちは横目で見て、ひたすら軍で使われる戦闘機を作る。

自分は人殺しの飛行機なんか作りたくない、ただ空を飛ぶことにあこがれるんだ!!
と言われても、作っているのはあくまで戦闘機ですよ。

時代がそうだったとはいえ、結果的にはたくさんの人を殺す戦闘機を設計しているわけです。

理由は「美しい」から。
空を飛ぶものの美しい姿に、ただただ憧れる。

そこに自分の作り出したものが奪う命の尊さを思う気持ちはない。

自分が暮らしている現実社会が病んでいることを知っていて、見て見ぬふりで自分の夢だけを追い、自分の美しいと思うものが人を殺す武器になると知りつつ、それをのほほんと追究し続ける青年に、どうしても共感できない。

その苦悩や葛藤が、伝わってきません。

「機関銃を積んでいなければ」なんていうなら、最初から作らなければいい。

一瞬で何人も殺せる機関銃を作る人、高性能の戦車を作る人、巧妙な地雷を作る人、子供が引っかかるようにぬいぐるみやお菓子のパッケージの中に入った地雷を作る人、たくさんの人間を殺し建物などは残るように広い範囲に放射能が散らばる兵器を作る人、そして原爆を作る人。

そしてそれらの武器を使って人を脅し、自分の思うようにしたいと思う人。

みんな同罪です。

「そんなものを作るのは嫌だ、人間を殺したくない」と思わないから作っているのでしょう。
いろいろ言い訳をしても、そんなものを作る人たちは使う人と同じにやはり罪深いのです。

私たちが「原爆を作ってしまった科学者」に望むように、二郎は「戦闘機を作らない勇気」を持って、違う道を歩くことはできなかったのだろうか。
(実際、第二次世界大戦中のアメリカの対ナチス原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」にかかわっていた科学者の中で、ナチス降伏のあと抜けた科学者が一人いたと聞きます)

今は「時間がない」婚約者に連れ添って、そのうち平和になってから自分の好きな「飛行機」を作ればいい。
少しでも餓えた子供を救ってから、平和利用できる飛行機の部品を作ればいい。

jesterだって、ブルーインパルスをみたら思わず「かっこい~~!!」と叫んでしまいます。
男の子が飛行機や電車や大きな動くものに理屈なしに惹かれるというのも知っています。

知っていてもなお、「違う選択があったのでは」と思ってしまうのです。

「違う選択」ができなかったことへの「後悔の想い」をテーマにすえているとしたら美化しすぎでしょう。

そんなこんなで、画面は美しく古い時代を髣髴とさせる小道具にも凝っているけれど、それに酔いしれられなかった。



そしてもう一つのストーリーラインとして描かれるのが菜穂子とのラブ・ストーリー。

電車の中で出会った二人が関東大震災に会い、菜穂子は二郎に助けられる。
その二人が避暑地で再開し・・・・という話なんだけど・・・、なんか入り込めない

まず、危ないところを助けてもらったから惚れた、というには二郎に魅力が乏しい。
いい人に思えるけど、それだけ。
誰に対しても穏やかでいい人だけど、一枚ベールの向こうにいるようで、どこまで行ってもまじりあえないもどかしさが付きまといます。

その上、次郎の声が・・・・(そこか)

男性の魅力のうち、高いパーセントを占めるものに声があると思うjesterとしては、あんなぼそぼそと抑揚のない喋り方をする声の男には惚れません・・・・

(堀越二郎の声を、今回脇役の本庄季郎の声をやっている西島秀俊がやったら、少しは良かっただろうに)


二郎は菜穂子のどこに惚れたのだろう。
それもあまり伝わってこない。

「美しい」から? 
それとも「絵を描いているから」? 
「なんとなく手を差し伸べたくなるから」?
「テラスで紙飛行機をみてぶりっ子っぽく肩をすくめるのがかわゆいから」?

いやいや、男性にとって「美しい」女性とはそれだけで惚れる価値があるものだ。
それ以外に女性に何がある?という男性もいるだろう。
まあそれはそれでいい。

けれど二郎ときたら、菜穂子が結核で死にそうなのに同じ部屋にいて「タバコ吸いたい」。

菜穂子が一緒にいたいがために、手をつないでいたいために、「ここで吸っていいわ」というと、なんと
「じゃ」といって同じ部屋でたばこを吸い始めるのです!!!!

ありえない!

jesterはタバコは吸いません。チョイスがあるなら禁煙席のあるレストランを選びます。

ほかの人が自分で健康リスクなどを知って吸うのならご自由に、と思っております。
(しかし自分の吐いた煙がぶわ~~っと他人のほうに流れようと全く気にしていない喫煙家には
「吸ってもいい。吐くな」と言いたいといつも思っておりますが・・・)

しかしさすがに肺病を患っている重篤な病人のいる部屋では、どんなに吸いたくても、吸ってもいいといわれても、そこはぐっとこらえるのが愛のある行為なのでは?

いや、愛がなくても、常識的に肺を患う病人のいる部屋でタバコプカリはないでしょう。
せめて彼女が寝付くまで吸うのを我慢できないのですか?
(いや、愛煙家とはそれができないものなのか、わかりませんが)

それまでも、映画のいたるところで、時代錯誤のタバコ吸いまくりが気になるこの映画ですが、ほんとにこのシーンでしらけました。

あ~~、二郎は菜穂子のことを愛してなどいない
こいつ、いいやつに見えるけど、実は心の底では他人には無関心な奴なんだ。

何度も繰り返して彼が彼女に言うように「美しい」からそばに置いて愛でたいだけ。
お互いをいつくしみ合って末永く一緒に暮らしていこうとは思っていない。
ただ今一緒にいられればいいと思っている。

美しい花を手折って花瓶に入れるのと同じ。
手折って花瓶に入れれば、しばらくは眺めて香って楽しめるが、いつかは枯れるものを。

だから病気で療養所を抜け出してきても、療養所に返しもせず、付き添って看病もせず、朝「言ってらっしゃい」と言われて好きな仕事に行き、夜遅く帰ってきて「お帰りなさい」と迎えられて、一緒に夜を過ごすためだけに、そばに置いている。

当然相手がどういう状況でも、いいといわれたらタバコは素直に吸うわけだ。
そのことに疑問など感じない。罪悪感もない。

その間女は治療も受けず、顔色が悪いのを化粧をして美しく見せ、どんどん苦しくなる胸を押さえ、だるくなる体を床に横たえてじっと待ってるだけ。
「あなたの~~せめておそばにいたいから~~」というなよやかで守りたくなるんだろう女性像。
それに甘えきっている男。

そして、その女は、病気が本当に重くなって自分の枯れ時を悟ったら、一人で療養所に帰っていく。

美しいところだけ見せて、去っていく女。

それを追うこともなく、看病もせず、看取りもせず、一人で死なせて、自分の好きなことに没頭している男。

「すまぬ、おれにはやることがあるんだ」・・・


これって・・・・男のロマンじゃなくて・・・男の妄想だよなあ・・・・


なんか全編に、あたりかまわずタバコを吸い、家庭を顧みず自分の好きなことをやり続けた年取ったメガネ男の独りよがりの妄想が満ち溢れているような気がして、しらけてしまいました。

二郎と宮崎氏の姿が完全に重なり、度の厚いメガネをかけ、タバコのヤニ臭い息を吐きながら自信満々に話す『男のロマン』をとうとうと2時間6分も聞かされた感じ。

お尻が痛いし、眠たかったし、トイレも我慢したし・・・・
しかも時々は自分の話に、感涙にむせびながら話されちゃいました・・・
(見てる時号泣したって記者会見でいってましたもんね、宮崎氏。)

違和感ある主人公の声もそうだし、この妄想ストーリー展開も、タバコ賛美も、心ある人なら気が付くはずなのに、今や宮崎監督に面と向かって意見がいえる人は、ジブリにはいないのだろうなあ・・・
(どこぞの球団のワンマン会長をおもいだしました・・・・)


それもこれも、宮崎氏がこれまで築いてきたものが大きいからこそ、こんな妄想も映画にして公開できる力を持っているわけで。

耐えがたきを耐え、忍びがたきをしのび、今「俺が嫌なら見に来るな」と言える権力を持ったからこそ、こういう映画をそれも子供がジブリ映画を楽しみにしている夏休みに公開したりするんでしょうね。

キスシーンや初夜シーンまであるアニメを、子供が来るとわかっていて、確信犯的に集客力が見込める夏休みに公開する。
(早くも収益「100億円越え」の声もあるとか。成功しましたよね、この点で)

トトロやポニョが大好きで、また楽しい映画を見られるかと映画館に行った子供はどんなにつまらなかっただろう・・・



しかも、この震災のあとの傷の癒えぬ時期に関東大震災を題材にし、取り立てて描写する冷淡さが嫌です。

ポニョの時の嵐の海も、今見ると東日本大震災の津波を思い起こさせてぞっとするけれど、あれは大震災が起こる前に作られていたものだから仕方ないと思います。

けれど、恐ろしい地震で家族や大事な人を亡くし、心に大きな傷を負い、早く忘れてその傷をいやし、前に向いて歩きだそうと日本国民全員が思っている今というときに、なぜまたこれ見よがしに地面を轟かせ、建物を壊し、人の生活を嘗め尽くす炎を描いて、恐怖の地震の風景を見せつけるのだろう。
そんな必要があったのか?

これを見た被災者はどう感じるのだろう。

それを宮崎氏はどう思っているのだろう。
(きっと二郎のように、思いつきで自分が買った菓子パンを差し出したりするものの、拒否されたら横目でみているだけなんだろうな)

地震を体験してない人は「地面が跳ねるような表現がすごい。人間のうめき声のような地鳴りがすごい。火が飛んでくる様がすごい。」と評価するかもしれない。
(どうだ、すごいだろうという宮崎氏の心の声が聞こえる)

でも私たちには、まだ痛すぎる
少なくとも私には時期尚早と感じられました。


もしかして、大震災の悲惨さと大震災後の復興の様子を見せて、それを希望の光にしようとしたのかという人もいるかとも思うが、それが零戦の墓場、第2次世界大戦の悲劇につながっていくのでは、その意図を遂げていると思えません。

それどころか零戦の墓場を踏みしめつつ、人類に「希望はない」、といっている気がする。
「それでも、『生きねば』」と。
なんと冷酷な言葉だろう。

ナウシカの原作を最後まで読んだ時も感じた、宮崎氏の暗い諦観を感じる。

というわけで、見終わった時、「これが宮崎氏のほんとに描きたいテーマだったのね~」と、ぼお~~っとなってしまいました。

トトロやポニョで優しそうにおどけてたけど、これもこの人の本質の一部だったのだな、と。
女子供が喜ぶような、がんばる女の子の話も描いてきたけど、こんなことも考えているのだな、と。

私は決してアンチ宮崎監督ではなかったのです。
というか、映画が公開されれば必ず見ていたのですから、ファンとまでは言えなくても、気にしている監督の一人でした。
考えればDVDもほとんど全部持っていて、セリフも覚えていて良くものまねするし・・・
(やっぱりファンだったのだろうか。)

考えてみると、原画展で感動したとか、予告編につられたということもあったけど、それ以前に、この映画も宮崎監督の作品だから、と思って期待して見に行きました。

しかし今後はそういう判断基準はもう使わないと思います。
限りあるわたくしの時間とお金を無駄に使わないように気をつけなくては。


長々と書いてしまいましたが、これは私が感じたことで、彼の『ロマン』に共感できる人はいると思う。
理屈抜きで飛行機にあこがれてしまう人、無私で自分に尽くしてくれて足手まといにならない美しく嫋やかな女性との恋愛を夢見る人・・・etc.

そういう人にはこの作品は「宮崎氏の最高傑作」なのかもしれません。


私はどうしても共感できなかった、という話でございました。      



こんな私の『妄想』を、最後までお読みいただいて、ありがとうございます





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