ミステリーでも謎解きが中心な物は、読んでいる時は面白いけれど、読み終わった後なんとなくむなしい気がします。
貧乏性なので「ああ・・・ 無駄に時間つぶししたな~」なんて思っちゃうのです。
だもんで、英語で書かれているものはなるべく英語で読んだりします。
それだと読み終わった後にあまりにおそまつな内容だったなと思っても、「ま、英語の勉強にはなったからいいか」と自分を納得させられるし。
でも、ミステリーでも人間心理が細かく追求されていると、う~~んとうならせられ、深く感動することも。
恥辱 (小学館文庫 ア 4-4)
スウェーデンの作家、カーリン・アルヴテーデンの「恥辱」はそんな一冊でした。
サイコパスの残虐な連続殺人も、派手なレイプシーンも全くなし。
心に傷を負った二人の女性を中心に話が進みます。
38歳の女性医師、モニカ。
優秀な医者であり、責任ある地位にもついている彼女は、心から許しあえる男性トーマスとであったが、どうしても自分が幸せになれる自信がない。
50代の超肥満女性マイブリッド。
あまりに太りすぎて自分で体を起こすことが出来ず、ヘルパーなしには暮らせない障害者になっている。
しかし辛らつな皮肉でヘルパーを攻撃し、ヘルパーがどんどんやめてしまう。
モニカはトーマスと離れてある泊りがけのセミナーに出席することになる。
一方マイブリッドの元には、覚えのない女性から親密そうな手紙が届く。
しかもその住所は重罪な犯罪人が入る刑務所だった・・・・。
こんな出だしで、交互に話が展開するうちに、二人の子ども時代の事件が次第に浮かび上がり、そして思いもかけないところで二人の人生が交錯する。
非常に厳格な宗教者の家庭に育ったものの苦しさ、「性とは汚いもの」と思い込まされて育ったものの罪悪感、過失から愛するものを死に至らしめた心の傷。
どのキャラクターも深く描かれていて、自然に物語りに引き込まれ、主人公たちを見守るようになります。
そして、物語が終わった後、また初めのページに戻って読み返してみると、それぞれのシーンが切なくて、大きな苦しみを背負いながら、必死で生きようとする主人公たちに思わず涙・・・・。
彼女の作品はどれも人間が良く描けていて傑作ですが、これはその中でも1番好きな作品です。
貧乏性なので「ああ・・・ 無駄に時間つぶししたな~」なんて思っちゃうのです。
だもんで、英語で書かれているものはなるべく英語で読んだりします。
それだと読み終わった後にあまりにおそまつな内容だったなと思っても、「ま、英語の勉強にはなったからいいか」と自分を納得させられるし。
でも、ミステリーでも人間心理が細かく追求されていると、う~~んとうならせられ、深く感動することも。
恥辱 (小学館文庫 ア 4-4)
スウェーデンの作家、カーリン・アルヴテーデンの「恥辱」はそんな一冊でした。
サイコパスの残虐な連続殺人も、派手なレイプシーンも全くなし。
心に傷を負った二人の女性を中心に話が進みます。
38歳の女性医師、モニカ。
優秀な医者であり、責任ある地位にもついている彼女は、心から許しあえる男性トーマスとであったが、どうしても自分が幸せになれる自信がない。
50代の超肥満女性マイブリッド。
あまりに太りすぎて自分で体を起こすことが出来ず、ヘルパーなしには暮らせない障害者になっている。
しかし辛らつな皮肉でヘルパーを攻撃し、ヘルパーがどんどんやめてしまう。
モニカはトーマスと離れてある泊りがけのセミナーに出席することになる。
一方マイブリッドの元には、覚えのない女性から親密そうな手紙が届く。
しかもその住所は重罪な犯罪人が入る刑務所だった・・・・。
こんな出だしで、交互に話が展開するうちに、二人の子ども時代の事件が次第に浮かび上がり、そして思いもかけないところで二人の人生が交錯する。
非常に厳格な宗教者の家庭に育ったものの苦しさ、「性とは汚いもの」と思い込まされて育ったものの罪悪感、過失から愛するものを死に至らしめた心の傷。
どのキャラクターも深く描かれていて、自然に物語りに引き込まれ、主人公たちを見守るようになります。
そして、物語が終わった後、また初めのページに戻って読み返してみると、それぞれのシーンが切なくて、大きな苦しみを背負いながら、必死で生きようとする主人公たちに思わず涙・・・・。
彼女の作品はどれも人間が良く描けていて傑作ですが、これはその中でも1番好きな作品です。