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◇ 小瀬日記管理人さんが、2011-12-12 隣組のピンチです と記事を書かれているのに気が付きました。記事を読み関連記事を探している時に、私が注目したのは静岡県から環境省に提出された要望書の全容です。
尚、小瀬日記管理人さん記事 放射能問題⑥山梨県瓦礫受け入れ問題その3 では環境省が公表した『平成23年8月24日までに、16都県より環境省に報告された一般廃棄物焼却施設における焼却灰の放射性セシウム濃度の測定結果』 についてそのデータを考察されています。もちろん山梨県の測定結果も含まれています。

以下、東日本大震災で生じた岩手県大槌、山田両町のがれき受け入れ問題ということで、対象となる瓦礫が既に決まっている事を念頭において記事を読みました。

◇ 静岡県庁サイトで記者提供資料 2011年11月21日 静岡県知事が環境大臣に「東日本大震災の災害廃棄物広域処理に関する要望書」を手交します(私は静岡県の「記者提供資料」というページに初めて気付いたのですが、中央官庁でもなかなか見られないスグレモノと思います)
◇ 静岡県知事記者会見では、2011年11月28日(月)に、【震災がれきの受け入れについて】記者質問に答えています。
◇ 産経新聞 2011.11.23、被災地がれき受け入れ 知事、環境相へ要望書
◇ 中日新聞 2011年11月23日、がれきや焼却灰の最終処分場確保を 川勝知事が細野大臣に要望
◇ 静岡新聞 2011.11.23、「がれき安全性、国が説明を」 知事、細野氏に要望

静岡県知事が、各自治体にきめ細かく配慮した上で国から直接説明するよう要請したことにより、12月10日にその説明があった・・・
◇ 2011年12月11日の毎日新聞、東日本大震災:がれき問題 初の環境省説明会 国主導の必要、知事強調
◇ 2011.12.11 静岡新聞、がれき処理「市町へ説明」 環境政務官、県内首長に明言

ここまで読んでも、要望書そのものが見つかりません。文部科学省の時と同様に記者には配付されたのでしょうが、静岡県庁がホームページで公開するのを待ちたいと思います。それは県民の、そして焼却灰を持ち込む予定の他県の処分場に関係する人々にも、事業の内容を理解をして貰うために最低条件の筈です。
新聞記事から拾えるのは以下の内容・・・
 ▽「放射性セシウムが1キロ当たり8千ベクレル以下」という焼却灰の安全基準について、明確な根拠を示す
 ▽がれきの放射線濃度を被災地からの搬出のたびに測定し、受け入れの際にも空間線量率を測定する
 ▽焼却灰の最終処分場を確保できるよう協力する 【以上、産経新聞から】
 ・がれきに含まれる放射性物質の安全基準などを示した根拠ある説明
 ・搬出・搬入時における安全性の確認体制の充実
 ・全国の最終処分場への焼却灰受け入れの働き掛けと最終処分先の確保 【以上、中日新聞から】
おそらくこの3つがポイントだったのでしょうが、ソースが確認できないと何とも言えません。
12月10日の説明会について報じた静岡新聞は、つぎのように書いています・・・

 さらに、6、7日に静岡県が被災地で行った柱材・角材の放射性セシウム検査で、山田町が1キログラム当たり13・2ベクレル以下、大槌町では検出限界未満で、空間線量も県内数値と同レベルだったと報告した。
 これらを県内で焼却処理したケースでの飛灰などへの影響について、県は「日常的に行う焼却と変わらない数値」と説明した。
 質疑応答では、首長から「県外の最終処分場との受け入れ交渉でリーダーシップ発揮を」「普段処理するごみと岩手県のごみは同じだと強調してほしい」などと、国の関与を求める声が相次いだ。県外の最終処分場との交渉については、川勝平太知事も「最終処分については国に汗をかいてもらう。説明ではなく説得を」と迫った。
 説明会には岩手県幹部も出席。同県内でのがれき処理が、発生量の約3%にとどまり、復旧復興の妨げになっている実情を伝え、本県での受け入れ実現に期待感を寄せた。

◇ 静岡県議会12月定例会 議事日程 をメモっておきます。--県議会の日程・質問議員
6日火 本会議(質疑及び一般質問)  質問者:落合愼悟(自民改革)、阿部卓也(民主)
7日水 本会議(質疑及び一般質問)  質問者:早川育子(公明)、中澤通訓(志士)、柏木健(みんな)【被災地の瓦れき受け入れについて】
8日木 本会議(質疑及び一般質問)  質問者:塚本大(自民改革)、橋本一実(民主)、田口章(民主)、吉川雄二(自民改革)
9日金 本会議(質疑及び一般質問)  質問者:東堂陽一(自民改革)【東日本大震災の瓦れき処理の受け入れについて】、和田篤夫(自民改革)、鈴木智(民主)、竹内良訓(自民改革)
12日月 本会議 1 質疑及び一般質問  質問者:伊藤育子(自民改革)、安間英雄(自民改革)【災害廃棄物処理】、林芳久仁(民主)、天野一(自民改革)
質問された方がおられるかどうか不明ですが、後日この方々のホームページを確認してみます。

この件に関する環境省の記事をメモしておきます・・・・
一般廃棄物焼却施設における焼却灰の測定及び当面の取扱いについて(PDFファイル) 2011年6月28日に出たもので、私が最初に確認したPDFファイルです。この中には、平成23年6月23日 「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」が含まれています。
実は私はこのPDFファイルを読んだだけで、その後はフォローしていません。「ごみ処理・環境問題」は苦手です
「災害廃棄物の広域処理について」 このページにリストされている記事が基本資料だと思います。 そのなかで、
災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインに関するQ&A [PDF:226KB] の項目を拾っておきます。

Q1:広域処理が可能な災害廃棄物(可燃物)の放射性セシウム濃度を具体的な数字でもって示してほしい。
Q2:焼却しない不燃物の場合についても、広域処理が可能な放射性セシウム濃度を具体的に示してほしい。
Q3:ガイドラインには「バックグラウンドの空間線量率より有意に高くなることがないことを確認」と書かれているが、有意に高くなることがないとは、どのような状態か。
Q4:8,000Bq/kg以下の焼却灰を安全に処分できるということについて、根拠を示してほしい。
このQ4は静岡県知事も言及していましたので、アンサーを引用しておきます。

A:1.環境省では、放射性物質により汚染されたおそれのある廃棄物を安全に処分するため、「災害廃棄物安全評価検討会」を開催し、適切な処分方法の検討を進めてきています。
 2.また、検討に当たっては、原子力安全委員会が6月3日に定めた「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方」に示された次の目安を満足するよう適切な処理方法を検討しました。
  ① 処理に伴って周辺住民の受ける線量が1mSv/年(公衆被ばくの線量限度)を超えないようにする。
  ② 処理を行う作業者が受ける線量についても可能な限り1mSv/年(公衆被ばくの線量限度)を超えないことが望ましい。比較的高い放射能濃度の物を取り扱う工程では、「電離放射線障害防止規則」(昭和47年労働省令第41号)を遵守する等により、適切に作業者の受ける放射線の量の管理を行う。
  ③ 処分施設の管理期間終了以後、周辺住民の受ける線量が10μSv/年以下(クリアランスレベルの設定に用いた基準)とする。
 3.8,000 Bq/kgの焼却灰を埋立処分する場合、周辺住民よりも被ばくしやすい作業者であっても、その被ばく線量は原子力安全委員会の目安である1mSv/年を下回ることが計算により確認されました(0.78mSv/年)。なお、作業者は、1日8時間、年間250日の労働時間のうち半分の時間を焼却灰のそばで作業すること(合計1,000時間/年)、1日の作業の終了時の覆土である即日覆土を行わず、中間覆土のみ行うことを仮定して計算されています。
 4.また、埋立終了後は、最終処分場の跡地で居住しないなどの利用制限を設ければ、原子力安全委員会による処分施設の管理期間終了以後の被ばくの目安である10μSv/年以下とすることができます。
 5.このように8,000 Bq/kg以下の焼却灰については、周辺住民、作業者のいずれにとっても安全に埋立処分することができます。

ここでも部分最適化の論理が働いているような気がします。震災廃棄物(放射能汚染があるとして)を扱う方々は、その作業に従事する以外の日常生活は原発震災が無かった時と同じ、衣食住の全てを含めて天然放射線だけがある環境の中におられるという前提でしょうか。
現在検討されているようですが、暫定規制値の見直し、それを含めてのトータルな世界の中で全ての問題を考えねばなりません。部分の最適化を集めても全体の最適化にはならない。政治家には、行政にも、常に大局的な思考を求めたいと私はいつも思います。
震災瓦礫の処分については被災地の復興のために急がねばならないのですから、国民から見て公正な第三者機関による判定により引き受け、処理し、排出(埋め立て)するというシステムを実施すれば良いと思っています。
ソースである要望書が公開されない場合は、その組織が行なう「判定」にも疑惑が生ずるレベルだと私は判断する、それは文部科学省通知の公開と同じです。航空機モニタリングから東日本平均値を明示せずに差し引いた仕業と同じです。
「ふじのくに」の仲間として静岡県には過ちを繰り返して欲しくないので、こんな記事を書きました。

被災地のがれきの受入れの問題について、知事としてどのようなお考えかお聞かせ願いたい。 『いずれにしても県レベルで何かできることはないわけでありまして、・・・』



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