しばしばブログで論じられているのを見るのですが、永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案、選択的夫婦別姓を可能にする民法改正案、人権侵害救済機関設置法案(旧人権擁護法案)の3法案について、これが自由党の「日本再興へのシナリオ」あるいは「日本一新十一基本法案」に既出であったのか、それとも民主党との合併後の INDEX2009 などから初出だったのか、私には未だ確認できていないのですが、今日の記事を書きます。
永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案については、小沢一郎さんのサイトに明確な主張が掲載されています。
「永住外国人の地方参政権について」、このページには「補足」があり、ネットで話題になっている問題についての答えだと思えます。私はEU、英連邦など海外を引き合いに出す以前に、現行の公職選挙法、地方自治体における選挙区割、選挙管理委員会や違反を取り締まる制度運用など選挙に関するシステム全体が、永住外国人の地方参政権付与に耐え得るかどうかを先ず考えるべきと思っています。「共生」ということはこれと別問題です。
上掲したその他の2件についての検討は後日にします。
自由党時代の 「日本再興へのシナリオ」 について関連記事は複数確認できましたが原本が見つかりませんので今回はパスします。小沢一郎さんのサイトに自由党日本一新 11法案(2003年4月17日~7月14日 国会提出)のページがあります。これは「政策とオピニオン」からアクセスできます。
小沢一郎自由党の「日本再興へのシナリオ」は関連記事から内容を推量するだけですが、菅直人政権の方向とは異なるように感じられます。今回の参院選の選択は、新政権を選択するつもりで一票を投じるべきものと考えています。以下はその理由の一つです。
「日本一新十一基本法案を国民に問う」には『最も重要な「人づくり基本法案」は、現行の教育基本法に替えて、国、地方自治体、学校、家庭、地域社会が互いに協力して、「自由で公正な開かれた社会」の構築を担い得る「よき日本人」を育成するための基本方針を定めています。』とあります。その内容は「1、人づくり基本法案」です。
(学校教育)第四条の条項については、公立学校についてのみ述べていると解釈しておきますが、『4 学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
5 学校は、公の性質を有するものであり、その教員は、全体の奉仕者であって、自己の崇高な使命を自覚し、その職責の十全な遂行に努めなければならない。』 などの内容です。
一方、この参院選で支援のために小沢一郎さんも来県されたのですが、山梨民主党の輿石東候補のスピーチとして流布されている 『日教組は政権交代にも手を貸す。教育の政治的中立などといわれても、そんなものはありえない。政治から教育を変えていく、逆説的に。そんな勇気と自信を持っていただきたい。私も日政連(日本民主教育政治連盟、日教組の政治団体)議員として、日教組とともに戦っていくことをお誓いし、永遠に日教組の組合員であるという自負を持っております』 (ソースは阿比留瑠比さんのブログ 2010/06/17) とはどのように結びつくか。
このスピーチについて質問に応じた菅直人総理の答弁は焦点がズレていて無意味だとのコメントもありました。しかし総理の答弁は一般論としては正しい。
『教育や教育現場は本来、政治的に中立でなければならないが、ときに政治の影響を受け、政治的中立が犯される危険性』を防げるシステムをどう構築するかは、太平洋戦争前と後を知っている方々には痛切に実感されている問題だと思えます。こういう場合の政治的中立とはどういう意味なのかを教え、それを考える方法を教え育てられる先生が必要だと私は考えています。自分で調べ考える方法を教えられずに教科書や副読本を覚えて百点取るだけの教育なら何年通っても意味が無い。
従って『政治から教育を変えていく、逆説的に』と輿石東さんが言われたことは教育の仕事を放棄した逃げです。一人一人が自分で調べ考えていける力を育てることにより、一人一人の集合としての政治が変っていくのです。それを目指すのが教育者の道です。ですから菅直人総理の答弁はさりげなく輿石東さん批判になっているのです。
選挙戦に教師が動かされる以前にこの人の意見に賛同する教師達は既に教育者として破綻しているのに、その自覚すらないのではないのかとすら感じてしまいます。そんな教師が山梨県に多数では無い事を祈りたいです。
候補の公式ホームページ、参議院議員 こしいし東を確認してみましたが、このサイトでは「プロフィール」に「政策骨子」は列挙されていても、その政策がいかなる理念によるものか、その基本が書かれているページを私には確認できませんでした。
これじゃ小沢一郎さんとも菅直人民主党の理念とも、比較のしようがないじゃありませんか。子供の紙芝居みたいなWebページは政治家のホームページとは思えない、それがWebページ制作を生業とする私の意見です。
ちなみに、参院選みんなの党比例候補の小野次郎さんのホームページでは理念を数行で述べられているだけですが、 公式ブログ『ジローのおしゃべりサロン』では色々なテーマについて明確な主張をされているので、私の巡回先のひとつになっています。
日本共産党の花田仁さんは「夢に向かって歩む」のシリーズかな、自民党の宮川典子さんのサイトでは日記のように綴られている記事から基本的な考え方を察することはできますが、いささか面倒ですから読み通してはいません。
歴史を洞察して理論を構築し政策を提示する、政治家のホームページでこれが欠けていたら、その政治家を選択する以前の問題でしょう。でもこれは支援する人々の問題でもあるのか、思想理念なんか関係ない、自分達の要求を政府・行政に伝えて実現してくれる使いパシリとして役に立つならそれで良い?--そうか、小沢一郎さんが構築した陳情窓口一本化はそういう政治屋を助けて当選させる意味があったのか?! 小沢一郎さんは旧自由党時代の理念を民主党で実現するために、まずは選挙第一の手法をとったのかも知れませんが、私の憶測です。
菅直人民主党は旧自由党時代の小沢理念が持ち込まれる事を避けたのでしょう。それ故に自民党と変わらなくなったという意見がネットでは見られるようになりました。そうなると山梨民主党から出た人の居場所はどこにあるのでしょうか。慣例により無所属になって座る参議院議長席は皇室会議議員の席でもあるのですから日教組に支持された議員としては困ることもありそうに思えます。
郷土愛を重んじる山梨県人の皆さんの余計な心労を避けるためにも山梨民主党は候補の選択段階で熟慮が必要だったと思います。
いや、何もかもご承知の上の選択でしたか。私のように山梨知らずの異邦人でもネットさえ使えればそれほど時間をかけずにこの程度は分かりましたが・・・
この方が再選され、民主党は分裂した時、教育者に教育を放棄せよと説くこの方を迎え入れた陣営の理念判定は容易になりますので、再選された方が面倒が無くていい・・・試薬を国政に送り込むのも山梨県として妙案です。