新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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シリケンイモリが病気で走り回る噺

2014-02-27 18:02:22 | 生き物たち
わたくしが「イモリ」を20年以上飼育していることは、以前報告しました。

昨日、時々入荷を確認しに行く熱帯魚屋に今年初めて顔を出したと思ってください。珍種の入荷はなかったのですが、遠目にも「シリケンイモリ」の水槽にたくさん入っているのが見えました。手前のガラス寄りにひときわ目立つイモリがいます。大きさが違うのです。長さでなく太さです。

卵がいるような感じではなく腹から肩や首にかけて異様に太いのです。例えて言いますと白アリの女王蟻の腹のようです。ぶくぶくとリングのような皺もあります。全体のイメージはオーストラリアの毒トカゲや日本のツチノコのようなボディーです。

女店員に声を掛けますと気が付かなかったと言います。水槽の蓋の小窓を開けて機械的に餌をやっていれば中は見ていないのかもしれません。
店員が手づかみで取り出そうとしたので、手で触らない方がいいのではと言い、網ですくわせました。

結局知人のマニアに聞いてみようかと言って、携帯で撮影してからその日は帰りました。

原産地の奄美大島の知人に聞いてみたのですが、「むしろ病気かもしれない」と言う返事です。

遅まきながらネットで「イモリの病気」を検索すると、出るは出るはでした。特に問題なのはいま世界的に話題になっている「カエルツボカビ症」です。両生類の危機だそうです。そうなると私は行政機関と業者の板挟みになってしまいます。
両生類の病気を研究してるのが麻布大学だと言う事が分りました。

今朝、担当の先生に電話してみました。曰く、「そのような例は昔1度だけあった」と言います。ぜひ研究資料に実物が欲しいと言われ、朝一で熱帯魚屋に行って買ってきました。そのご帰宅、今度は電車で大学の獣医学部の先生の研究室に届けました。

この様な外見の症状は珍しく病理解剖をしたいと言われました。あ、先生はまだ30代でしょうか、あの小保方さんのような素敵な女性研究者でした。
この後話が盛り上がり、本当にイモリが不味いのか口に入れてみたとか、腹の斑紋のデータを取って個体識別をやったとかいろいろ面白いお話が聞けました。

このままでは原因は分らないが、以前1度見たことがあり、まずはレントゲン撮影をしてこの膨らんだ体の中を見てみたいと言われました。
私がデジカメでの撮影のために浅い器に入れて頂いたのですが、結構元気に動いています。
「死んでしまうまで解剖は待っていただけますか」と言いますと、「自然界ではケロッと治ってしまうことがあります。そうすると原因が判明しないママになってしまう」そうです。研究者と素人マニアの違いでしょうか。名刺を頂いた先生は理学博士で獣医師でした。

尚ツボカビ症はこの様な外見にはならないそうで、ひとまず安心しました。

「シリケンイモリ」を預けて大学を後にしたのですが、この大学は以前鳥撮で目的の川に行く途中何度も門の前を通ったことがありました。


これが問題の「病気のシリケンイモリ」 とても野生のイモリには見えない、ぶくぶく感です。


こちらが飼育している「シリケンイモリ」です。尾の両側に婚姻色が出ています。私の餌の管理が良いのか、スタイルが良いです。
(撮影のため紙箱に出しました)

コメント (4)
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