私と悪魔の100の問答(上遠野浩平)



久々の上遠野浩平,これが出たのは2010年だが。

主人公は17歳の女子高校生。深陽学園在学ではない。唯一のブギーポップ関係者はFFだけ。
対する悪魔は,文中では明確に「悪魔」とは名乗っていない。

目次は,Q・・・とは,Q・・・か,Q・・・すべきか と言う感じになっているが,本文は普通の小説。
目次を見ながら会話を確認することになる。

問は細かいことから漠然としたものまで多岐にわたっている。
主人公が悪魔を唸らす答えはほぼない。そして悪魔の答えも簡単に納得できないものばかり。

それでも非常に楽しめた。
多分,年代でとらえ方がかなり違うのではないだろうか?

主人公世代では,納得できる答えはほとんどないだろうし,我々や更に上の方々では,まだまだ甘いと思うこともあるだろうし。
長女,次女の感想が聞きたい。

ところで作者の上遠野浩平,どの作品の後書きでも,必ず問答をやっている。
この小説は,言わば後書きの集大成かも。

ちなみに個人的に秀逸な問答は

Q50 ニワトリが先かタマゴが先か
A ニワトリが先に決まっている

理由が非常に理論的でスッキリ。これについては議論することが間違っている。感服
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