タイガース・バージョン
本書によると、統合失調症になる人は、常に周囲に合わせて自ら行動するので、
自らの主体がはっきりしないため、それをなんとかしようと一念発起して
熱心に読書を始めたり、勉強に打ち込んだりして、調子を崩して発病に至ることが
多いとのことである。
しかしながら親に虐待されていて、無理に勉強させられている人も、次第に消耗して
調子を崩したり、学校に行かなくなることは多そうである。
そのような場合でも、医師が表面のみをみて統合失調症と診断することが多いのではないだろうか。
そのような見立て違いにより、合わない投薬をされている患者さんは多いのかもしれない。
そのため診断する医師などは、患者さん本人の状態を診るのみではなく、家族関係の有り様を
しっかり診て、診断する必要がありそうである。
哲学に詳しく32歳で京大の准教授に抜擢された精神科医の松本卓也さんが書いたものだけあり、
平易な文章で主だった心の病について解説してあります。
様々な心の病について、どのような人がなりやすく、その本人がどのような体験をしていて、
それに対してどう対処すればいいのかまで解りやすく書かれています。
何かと解りにくく書かれていることの多い一般的な精神医学の本とは違い、
普通の人にも読みやすく理解しやすい内容でした。
最近は心理士やPSWなどのコメディカルのスタッフも増えてきたので、
そちらの方にも解るように書いたのでしょう。
投薬には詳しくても、様々な心の病の方がどのような体験をしているかを
知らない精神科医も多いようなので、そちらにも役に立つ一冊だと思いました。
精神医学の教科書として、多くの人に役立つ一冊だと思います。
臨床心理の岩宮恵子さんが書いていることですが、発達に遅れや偏りがある高校生が、
主体を形成してゆく過程と並行して、筋トレやボディビルを始めて、
自己身体を意識し、明確化して行くにつれ、身体もしっかりしてきて、
主体の生成が進むことは結構見られるとのことです。
しかしながら体幹が不明瞭で、筋トレしようにも上手くできなかったり、直ぐに疲れたりして
続かない方も多いようです。
Youtubeで紹介されている「秀徹」というのは、かんたんなエクササイズで体幹を少しづつ
意識して作って行けるメソッドで、柔軟性や体力も必要としない基本的なエクササイズがあるので、
筋トレや運動がうまくできない方にはオススメの方法と思います。