本書の第三部の実践編で出てくる自己モニタリング能力や他者へのメンタライゼイションに
ついてですが、他者が生成することと同時に自己が生成するというあたりは、
ラカンなどの言う鏡像段階の辺りをしっかり経ていない人が、それをやり直す、
または初めてやることで、自己と他者が生成して、そこから自他境界や
様々な境界が成立していく基盤になるからでしょう。
最近はフランスに留学してラカン辺りを学んだ人も増えているようなので、
学んだ事が臨床へ活かされることが期待されます。
本書では胡散臭いものも少し取り上げられていたので、そこは星がマイナス1個。
そういうものについては東畑開人「野の医者は笑う―心の治療とは何か?―」
が参考になります。