大阪市の橋下市長が率いる「大阪維新の会」、
23日、政治塾の2学期の入塾式があった。
朝日新聞は「狙う国政 維新漸進」と大きな横見出しをつけて報じている。
この“維新漸進”は“以心伝心”をもじったつもりだろう。
どういう意図で使ったのかは分からないが、
その意味合いはあまりにも不鮮明で違和感がある。
この言葉は独特の韻を含んでおり、もっと大切にしてほしい。
広辞苑によると、「言語では表されない真理を師から弟子の心に伝えること」とある。
佐藤真由美の『恋する四字熟語』では
「言葉にしなきゃ伝わらない、でも言葉にならない。そんな場面でも、
彼には私の言いたいことがわかったはずだし、
彼が分かったということがわたしにもわかった」と説明している。
“目は口ほどにものを言う”ということだろう。
ところが「狙う国政 維新漸進」、ドロドロとしたものしか伝わってこない。
記事で紹介された橋下氏の挨拶、
「国の形を変える本当の戦士になってもらう。
統治機構を変える。勝たないと意味がない。
いつあるか分からないが、準備してください」。
分裂しかねない状況の政権政党、脆弱な野党、
「大阪維新の会」は、この機に乗じて、
過剰に選挙を意識した政策をうちたて、戦を仕掛けようとしている。
“前進”というにはやや抵抗があったのか,
朝日らしいというか、“漸進”としたのは笑ってしまった。
「大阪維新の会」は息切れするまで??フルスロットルで疾走している。
四字熟語ももじるなら、生保会社が募集した作品のように
「汚職や官官接待への怒りを込めた“高官無恥(厚顔無恥)”や
暴飲忘職(暴飲暴食)のように・・鋭い皮肉を込めた
活き活きとした言葉にさらに力を持たせた表現」を
〔川崎洋著・輝く日本語の悪態より〕考えてほしかった。