TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

ファミリア坂野惇子の生涯

2016-10-04 | メディア

朝ドラ「べっぴんさん」のモデル坂野惇子さんの

生涯を追った中野明氏の著作

「ファミリア創業者坂野惇子」(中央公論社・1300円)が、

放送直前の先月25日に発売された。

「深窓の令嬢」「4人の主婦」「ソーレツな女」など6章構成で、

ファミリアの来し方が手に取るようにわかる。

惇子には爺やがつきっきりで学校の送り迎えや

遠足のお供までしていたといった話や、

創業者の一人ミヨちゃんは大画家小磯良平に絵を習っていた話など

興味深いエピソードがふんだんに盛り込まれている。

よく整理されていて、坂野さんの生涯がスーッと頭の中に入ってくるので、

一度目を通しておけば朝ドラらの楽しみが倍加することは間違いなし。

是非一読を。

 


べっぴんさん

2016-10-03 | メディア

きょうからNHK朝ドラ「べっぴんさん」が始まった。

神戸の子供服メーカー「ファミリア」の

創業者・坂野惇子さんをモデルにしており、

その活躍を描きあげてゆく。

タイトルがなんとも良い。

メルヘンチックで、動きも優しい。

菅野美穂の語りもぬくもりがある。

一つ驚いたのはテレビに映し出されたこのシーン、

ヒロイン・すみれの横に立つこの女性は

往年の坂野惇子さんと生き写し、

私が神戸センター街のお店の前で坂野さんと

挨拶を交わしたのは昭和41年ころだった。

私は当時近所のお店に泊まり込みでアルバイトしていた。

たまたまだが何度かお目にかかり

にこやかな笑顔で会釈をしてもらった。

このワンシーンでその時の面影が鮮明に浮き上がってきた。

たまたま似たということはないでしょう。

メイクさんはかなり入れ込んだことと思います。

これは隠し味といえるのかもしれませんが、

朝ドラならではのこだわりといえるかもしれません。

[文庫本宣伝から][朝ドラの1シーン・TVから]

 

「べっぴんさん」というタイトルは、“さん”付けで

坂野さんら創業者4人を指すかと思いますが、

特別な品を指して「べっぴん」というのは、

すでに死語で、今の神戸ではだれも使っていない。

「べっぴん」はあくまでも別嬪を指すのであって、

地元の人間にとってはかなり違和感がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


三宮の顔

2016-04-26 | メディア

神戸の中心三宮、21年前の阪神大震災で壊れ

中途半端な改修がなされた神戸阪急のビル、

ようやく都心の顔にふさわしい高層ビルに

建てかえられることになった。

神戸新聞によると、地上29階で

今夏着工し、5年後の完成を目指す。

このビルには昔しょっちゅう映画を見に行っていたので、

非常に親しみ深い。

外観が残されるというのは嬉しい。

神戸新開地の地下街で昔の光景を描いた絵が

飾られ手いたので紹介しよう。

昭和43年に開通した祝神戸高速鉄道の看板が見えるが、

ここにダイハツのミゼットが描かれている。それに市電も走っている。

時代考証、これでいいのだろうか・・

 

 

 


東京五輪エンブレム

2016-04-26 | メディア

東京五輪の公式エンブレムに

日本の伝統的な文様の「市松模様」が選ばれた。

市松は歌舞伎役者の佐野川市松が

この模様の袴を着けて舞台に立ったことから

その名がついたそうだが、

私にとって印象深く残っているのは

東福寺のお庭と桂離宮の襖。

碁盤目の単純な模様だが強く訴えかけてくる。

外国人にも感想を聞きたいが

直感的に「ニッポン」を意識してくれるのではないだろうか。


“鳥肌”山田の連続3本塁打

2015-10-27 | メディア

プロ野球日本シリーズ、ソフトバンクの隙のない野球に

セの覇者ヤクルトは沈黙していたが、本拠の神宮に戻り水を得た。

3割・30本塁打・30盗塁の山田が長嶋以来という

日本シリーズでの3連続ホームランの偉業をやってのけた。

真中監督、解説の山本昌氏らが揃って“鳥肌が立った”と言っていた。

中継を見ていた私もつい「やった」と声をあげてしまった。

4打席目は明らかに狙っていたようだ。

結果は三振だったが、素晴らしい見せ場をつくってくれた。

4番畠山のホームランを誘ったようにも思う。

結果は8対4、この1勝は大きい。

あしたがたのしみ、がんばれヤクルト。

 

 

 

 


取り沙汰されるトランス脂肪酸

2013-11-11 | メディア

マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」、

アメリカの食品医薬品局・FDAが、「安全とはみなされない」との判断を示した。

アメリカでは規制の方向に動いており、世界保健機構WHOも、

トランス脂肪酸をなくすよう呼びかけている。

ここに目をつけたのが、武庫川女子大付属高校のの食育研究グループ。

WHO後援の世界健康フォーラムで研究成果を発表した。

中高生の弁当の中身などを紹介しながら、警鐘を鳴らす内容だった。

トランス脂肪酸については、いろんな形で紹介されているのでここではふれないが、

フォーラム参加者の関心を集めたようで、どよめきに似た反応があった。

時宜にかなった報告であり、今後日本でも

このトランス脂肪酸が取り沙汰されることは間違いなく、

メディアもこうした地道な高校生の研究に目を向けるだろう。

 

 


映画は興行?

2013-10-12 | メディア

比嘉愛未主演の映画『飛べ!ダコタ』、

上映中の塚口サンサン劇場に足を運んだ。

観客はわずか5人、劇場内は寒々としていた。

佐渡島で実際にあった話を題材にしたもので、

不時着したイギリス軍用機と地域の人たちの

複雑なからみを描いていた。

涙を誘う感場面もあったが、

導入部の不時着シーンは動きがまったくなく、

場面はいきなり砂浜に置かれた機体を映し出した。

まるで舞台を見ているようで唐突な感じだった。

イギリス人と村の人たちとの距離は次第に縮まっていくのだが、

その描写は踏み込みがやや浅く、私は感情移入が出来なかった。

この映画を見て分かるように、地元の協力が得られ

多くの支援者によってようやく上映にこぎつけたのだろうが、

上映館は兵庫県内でただ一つ、これでは全く採算が合わない。

映画はあくまでも興行、観客に見てもらえる環境をつくることが肝心。

きちんとした配給ができなければ多くの協力者に恩返しができない。

きのう10日付の朝日新聞が主演の比嘉愛未を取り上げていた。

これで少し観客が増えればいいのだが・・。 


あまちゃん 朝日の一面

2013-09-29 | メディア

大人気の朝ドラ『あまちゃん』、残念ながら終わってしまった。

朝日新聞は、夕刊一面トップでこれを報じた。

極めて異例の扱いだと思う。

「ブームの熱気は冷めそうにない」とはいうものの、

記事そのものは朝ドラの本質からはずれてしまっている。

関連商品の人気に触れているだけで、なかみがない。

評論家のコメントもパッとしない。

「80年代アイドルに夢中になった40、50代が狂喜乱舞」、

これも印象論でしかない。

書いた記者もこの派手派手しい扱いには、

きっと苦笑いをしているだろう。

 

 


宮崎駿は″町工場のおやじ″

2013-09-09 | メディア

「自分は町工場のおやじ」、これは引退を表明した宮崎駿監督のことば、

テレビで見るとこの前に「文化人にはなりたくない」と喋っている。

ワンシーンに自身の思いをこめてコツコツと作り上げたのが、

子どもたちを夢の世界に引き込んできた宮崎ワールド。

私はもう66歳だが結構この世界に引き込まれた。

手放せない帽子にこんなピンバッジをつけている。

ある民放でコメンテーターが、

「こんな約束はいつでも反故にすればいい」と言っていたが、私も同感。

宮崎氏は引退会見の中で“自由”を強調しつつ、

「あと10年は仕事をしたい」と考えているようだ。

その内容は明かしていないが、

“町工場の親父”なら気楽に自由に仕事をしてほしい。

それは短編でもいいだろうし、結果的に長編になってしまっても

何ら問題はないはずだ。

ただ彼は、取り巻くファンの気持ちを汲み取れる人物のはず、

またきっと夢を見させてくれるだろう。

ジブリワールドの画面を微動だにせずくいいる子どもたち、

この目、この表情、彼の脳裏にしっかり焼き付いているはずだ。

 

 

 


寂しい 海文堂の閉店

2013-09-02 | メディア

閉店の報に何かやるせないものを感じる。

以前はよく足を運んでいた元町の海文堂さん。

待ち合わせの機会があるとこの店を指定し、立ち読みをさせてもらった。

新書・文庫の書架が非常に見やすく、神戸の郷土本もよく揃っている。

思わぬ本が平積みになっているのもうれしい。

閉店を報じた神戸新聞によると、創業は大正3年、

港神戸を象徴するかのように

海事関連書籍の専門店として産声をあげたと言う。

最近は本革のカバーを使うことが多いが、

以前は、“帆船”の模様を刷り込んだ

ブックカバーと栞を自慢げに持ち歩いていた。

海文堂の閉店は神戸の活字文化が消えるようでさびしい。

まだ何度か行くこともあるだろうから、

ブックカバーと栞は多めに確保しようと思う。