TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

作家のオシャレ心

2013-08-29 | 散策

奈良の中でとりわけ私の気持ちを和ませてくれるのが高畑一帯。

亀井勝一郎は『大和古寺風物詩』の中で次のように書いている。

「はじめて通った日の印象は、いまなお私の心に一幅の絵のごとく止まっている。

そのゆるやかな登り道は、両側の民家もしずかに古さび、

崩れた築地に蔦葛のからみついている荒廃の様が一種の情趣を添えている。

古都の余香がほのかに漂っている感じだった」、

いまはスイーツの店などもできこれほどではないにしろ

亀井の想いを十分嗅ぎ取れるところと思う。

作家の志賀直哉も同じような思いだったのだろう。

「とにかく奈良は美しい所だ。自然が美しく、残っている建築も美しい。

そして二つが互いに溶け合っている点は他に比類を見ないと言って

差し支えない。今の奈良は昔の都の一部分に過ぎないが、

名画の残欠が美しいように美しい」(随筆「奈良」より)。

志賀直哉は、この地に自らが設計した遊び心満載の邸を建て、

名作『暗夜行路』などを書き上げた。

彼を慕ってやってくる人たちとも交流を深めた。

武者小路実篤、小林秀雄、尾崎一雄、小林多喜二、梅原龍三郎など

そうそうたる顔ぶれだ。

天日を取り入れた日当たりのよいサンルーム、きっと話は弾んだこととももう。

司馬遼太郎は「当時大阪でさえ、知識人には寂しい土地だった。

こういう面では、志賀直哉の奈良移住は大きかった」その功績を讃えている。

 

435坪の敷地に、134坪の広大な邸、かなり荒れていたようだが、

縁者の証言などで4年前にかなり忠実に修復・復元され、いまは全面公開されている。

足を運ぶ価値はある。

きょうはグループで行ったが、この次は独りで訪ねようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


宝塚のオアシス

2013-08-16 | 散策

“ようこそ、くつろぎの庭へ”をキャッチフレーズとする

英国風ナチュラルガーデン・シーズンズ。

宝塚駅に近く、高層のマンションに包まれた一角にある。

四季の花が咲く文字通り都会のオアシス。

せせらぎや池もあり、暑さしのぎで訪れる家族連れの姿があった。

かき氷で涼をとる人たちもいた。

町の真ん中にあるだけに貴重なスペースだが、

年内の閉園がきまっている。あまりにももったいない。

この種の施設が単独で採算をとるのは難しいだろう。

良い知恵を出してほしい。


映画『少年H』やや期待はずれ

2013-08-15 | メディア

妹尾さんの自伝的小説『少年H』が映画化された。

10日封切りになったので早速映画館に走っていった。

セットは当時の神戸が忠実に再現されていたように思う。

ただ少年Hに関しては、映画では突っ張っているだけのようで、

小説のような実直さや正義感、少年としても澄み切った心情が、

十分に描きこまれていなかったように思う。

WEBで見られるこの映画の評価があまりにも高いので驚いている。

水谷さんが気にされていた神戸言葉については、とくに違和感はなかった。


親子共作のファニードール

2013-08-14 | ブログ

“ファニードール2013 箱庭の妖精たち”

明日15日から9月1日まで宝塚ガーデンフィールズの「シーズンズ」で始まります。

出展の作品は、実は私の姉の山本加代子とその息子の賢吾の合作です。

姉の受け持ちは粘土の人形、甥が舞台装置ともいえる背景を製作しました。

賢吾君いわく「光、影、風、水などの自然の効果を取り入れ、

優しさとリアル感を融合させた」。

こうした取り組みはかなり以前から手がけており、

ご覧のように完成度もかなり高いように思います。

 


影の薄い京都

2013-08-13 | 散策

京都の気候というのはどうも体に合わない。

夏は汗が張り付くようで気分が悪い。冬の底冷えもたまらない。

ここ4日連日最高気温が38度を超えているが、

高知の四万十では40度超えで

京都ならではのうだるような夏の暑さが伝わってこない。

一昨日の日曜日、気が進まなかったが、

河原町から祗園界隈を回った。

特別公開の甲部歌舞練場で涼をとったが、

一歩外にでると気分が悪くなるようなたまらない暑さ。

帰宅後ニュースを見るとなんと39度、

私の体温をはるかに上回っている。

ベトナムで最高気温40度を経験しているが、

これをしのぐように感じた。

年寄りにはこの暑さは体にこたえる。