TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

野坂昭如の絶筆

2015-12-11 | ことば

神戸にゆかりの深い野坂昭如さんが亡くなった。

直木賞を受けた『火垂るの墓』はあまりにも知られている。

神戸空襲の実体験をベースにしているという。

私を映画の虜にしたのも彼が書いた今村正平監督の『エロ事師たち』、

『おもちゃのチャチャチャ』も彼の手によるもの。

活動は多彩だが、騒がしい事件も起こしている。

映画監督の大島渚をぶん殴った事件は、

私と同年代の人間なら誰もが記憶にあるだろう。

彼は15年前に脳梗塞で倒れたが、

今も続けているのが『新潮45』の連載「だまし庵日記」。

新潮社に絶筆といえる原稿が届いたことが、

きょうのスポニチに紹介されている。

末尾の一文、

「この国に戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう」

絶筆にふさわしい彼の悲痛な叫びだ。

ちなみに女優・吉永小百合に思いを寄せる“サユリスト”、

その吉永さんは「残念です。野坂さんの飛びぬけた行動力と

非戦への想いを、今しっかりと受けとめたい」と追悼の言葉を寄せている。

ほんとに突拍子のない人物だが、彼の憂いは大切にしたい。

 

 



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