今井町といえば、奈良橿原の環濠集落。
戦国の世に堀をめぐらし、武力を磨いた。
信長に一時抵抗したものの屈服し、町は残った。
その後商業都市として隆盛を極め、
「大和の金は今井に七分」と言われた。
東西600メートル、南北310メートル、
五百軒の邸が軒を連ね、江戸期を髣髴とさせる。
これだけの規模で邸が保存されているのは、
そこで人々が暮らしていることが、もっとも大きな要因だろう。
初めてこの町を訪ねたときは、かなり寂しげな感じだったが、
年を経るにつれて手が入っているようで前に来た時よりも、
明らかに勢いがある。生活感がひしひしと感じられる。