TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

“代”という漢字

2013-09-27 | ことば

台風18号の襲来からまもなく2週間。

京都、大津方面は豪雨禍で、今なお京阪電車は停まったままで、

この区間は代替(だいたい)輸送が行われている。

京阪の周知文書を見ると、一部はJRで振替輸送、

山科・浜大津間は代行バス運行となっている。

確かに関西では「代替」という言葉は定着していないようだ。

お馴染みなのは「代替え(だいがえ)」。

阪神・淡路大震災の折には、この代替えを使っていた。

「神戸では“代替え”が一般的」とことわりもしていた。

現地主義を重視した的確な判断と言っていいだろう。

 

“代”という字は面白い字だと思う。「よ」「しろ」とも読む。

国歌「君が代」の“代”が最も象徴的な使い方だろう。

「君が代は、千代に八千代にさざれ石の・・」

「千代に八千代に」、結婚式の挨拶で使われる常套句で

いついつまでも・・という寿ぎを強調している。

ところが「身代(しんだい)」はどうか。

明鏡国語辞典は用例として「身代を築く」をあげているが、

どちらかと言えば「身代を食いつぶす」という言い回しを

耳にすることのほうが多いように思う。

事件を追っかけていた私などは

つい「身代金」という言葉が浮かび、

無理強いの営利誘拐を想起する。

劇場犯罪のはしりとなった「グリコ森永事件」の

“現金10億金塊100キロ”の要求には驚かされた。

 

『飲み代』という言葉。

NHK/毎日などマスコミの用語辞典を見ると

いずれも読みは「のみしろ」で「のみだい」ではない。

日本新聞協会から出ている『放送で気になる言葉』に興味深い指摘がある。

 「のみしろ」「のみだい」いずれも認めるべきと主張しており、

「のみしろ」は時代劇などせりふで出てくる古い表現で、

現代では「のみだい」のほうが一般的に使われていると指摘、

さらに辞書にないからと言って誤りとは言い切れないと主張している。

 

私は一時大阪の都島区に住んでいた。

いつも地下鉄で通っていた。

ちょっとアルコールが入って乗り越すとそこは『野江内代』、

「のえ・うちしろ」と読むのかなと思っていたが、

これは「のえ・うちんだい」が正解。

 

 

 



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