<遊去の話>

「遊去の部屋」「遊来遊去の雑記帳」に掲載した記事と過去の出来事についての話です。「遊去のブログ」は現在進行形で記します。

シマヘビ

2020-09-30 09:34:20 | 「遊来遊去の雑記帳」
シマヘビ      <2003.3.16>
 今朝、いつもの川の土手を散歩しているときシマヘビを見つけました。草むらの中で身をくねらせたままじっとしていました。この気温ではまだ十分に動くことが出来ないのでしょう。三月にヘビを見たのは初めてです。しかもまだ彼岸前です。実は12月にもシマヘビを見ています。そのときにもおかしいと思いましたが、二月に蚊が部屋の中を飛んでいるのを見たときには気候が狂い始めたことを確信しました。
 山を歩くとき、これまでは四月半ばまではマムシのことを気にせずにいられたので気楽な季節だったのですが、これからはそうは行かないかも知れません。何にしたところで注意しているに越したことはないということでしょう。
 ところで今朝のシマヘビは1mくらいのものでした。とは言うものの、ヘビはくねくねしていますから真っ直ぐに伸ばしたらということです。と簡単に言いますが、これ、そう簡単ではないような気がします。つまり想像でやっているわけですが、日常生活にこういうことはないからあまり当てにならないような気がします。いつもくねくねしているものの大きさを表すのに真っ直ぐにしたときの長さで表現するというのは実に学問的だなぁと思います。
 今朝も私はシマヘビを見ながら頭の中でその体を真っ直ぐに引き伸ばし、長さを測っていたのです。ヘビとは目が合いましたから向こうも自分が見つかっていることはわかっているはずです。それでもじっと動かず身を硬くして、何かあればさっと逃げ出せるように備えています。その相手が、まさか自分の体のくねくねを伸ばして長さを測っているとは及びもつかないことでしょう。人間というのは実に奇妙な生き物だと思いました。

シマヘビ、再び     <2003.3.17>
 今日もシマヘビは昨日と同じところにいました。いないだろうと思いながら覗き込んだので見つけたときにはちょっと驚きました。今日はとぐろを巻いていました。と言っても盛り上がっているのではなく、バウムクーヘンの切り口のように平べったく広がってぐるぐる巻いていました。この方が太陽の光をたくさん受けられるからなのでしょうが、これでは長さの見当をつけるのは大変です。それで考えてみたのですが、直径がどのくらいあるか分かればそれで円の面積が出せますから、それをヘビの平均の太さで割れば長さが出るはずです。今日は一段とガクモン的になりました。
 さて、直径は何cmくらいかと一歩近づいて覗いたらヘビはするすると逃げ出してしまいました。せっかく日向ぼっこをしていたのに、悪いことをしました。

いよいよ出番、生きものの季節     <2003.5.2>
 今日は、いきなり大物に出会いました。長さ1m50cmくらいのシマヘビです。川べりの農道を横切ろうとしたところでした。私が、はっとして立ち止まると向こうもはっとしたようで一瞬動きが止まりかけました。あと1mくらいで横切れるところまで来ていたのですが、無理をしてはいけないと思ったらしく、引き返そうとして振り返ったところ、戻る方が遠かったのでした。そこでどうもバツが悪くなったのか、ちょっともじもじしましたが、すぐに妥協線を見つけ、斜め前に進んで草むらの中に姿を消しました。
 この頃、あまり大きなヘビは見かけなくなりました。それほど大きくなるまで生き延びられないのかも知れません。確かに身を潜められる場所も少なくなったし、車に轢かれることも多いのでしょう。ヘビは好きではありませんが、大きなヘビがいなくなるということは人が畏れを感じる陰の部分がなくなってしまうようで、世の中に深みがなくなるような気がします。
 今年は、4月3日に小さな石亀が川の中の石の上に上がっているのを見ましたし、2日にはイタチが向こう岸の草むらから水の中に飛び込むのも見ました。しかしイタチはすぐに円を描いて元の岸へ戻っていったので、いったい何をしていたのか不思議に思っていたのです。水泳をするには水が冷たすぎるだろうし、魚でも取ろうとしたのだろうかと考えてみましたが、おそらくこちらの岸に渡ろうとして飛び込んだところ土手の上に私がいるのを感じてあわてて戻ったのではないかという結論に達しました。私は草の陰に隠れて見ていたのですが、それにしても川を渡りたかったらどんなに寒くても泳ぐしかないというのは厳しいことだと思いました。

★コメント
 今の家の庭にもシマヘビがいます。滅多に見ることはありませんが、今年も一度見ました。1mくらいあります。ヘビは苦手ですが仕方がありません。庭や横の畑では生態ピラミッドの頂点に位置するわけで、それで全体のバランスが取れているのでしょう。イタチもいます。もしかするとイタチの方がシマヘビより強いかもしれません。どちらもネズミなどを食べますが、両者が敢えて戦うほどの必要性はないような気がします。戦ったらどちらが勝つだろうかというのは、発達した知能による人間的な興味の持ち方でしょう。
 知能の発達した人間の生み出した文明は、このPCですら私の想像を超えています。「鉄腕アトム」の発表された時代、21世紀はまさに未来社会でした。子供の私も21世紀を見てみたいと、その日が来るのを楽しみにしていました。それが、21世紀になって既に20年が過ぎ、今や機器の発達についていけません。心が向かうのは山や川ばかり。その自然が周りにたくさんあることに感謝しています。
2020年9月30日
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