最近、ブログアクセス数が急激に増えていますが、石油業界以外の「灯油」の一般消費者の方なども多いようです。
そこで、消費者の皆様や灯油を販売している業者の方にも申し上げたいことがあります。
私は、石油関連のシステム開発と販売を生業(なりわい)としています。
最近、原発事故の影響でホームエネルギーとしての「灯油」が再び見直されているわけですが、
灯油というホームエネルギーは電気などと異なり、「配達」や「自分でポリ缶を持って買いに行く」という大変な配送作業を伴って初めて消費できるエネルギーです。
最近価格は上がっていますが、それでも一番便利でコストが安くて効率の良い家庭用暖房燃料だと思います。
私たちが制作して販売しているシステムは、灯油配送システム『雪ん子』です。
電気でいえば「電線」のように、お客様の必要な時に必要な量の灯油を供給することで、「灯油」を便利にご利用いただけるシステムなのです。
思い出してください。
昨年の大震災の際には、、三陸地方にはまだ積雪がありました。
私は、そのちょうど一週間前に、灯油配送システムの提案と構築作業で三陸方面を巡回しておりました。
岩手県の田老という町のグリーンピアという施設に泊まって何社もの灯油販売企業の皆さんと笑顔で話しあったり、業務の改善点や省力化について話していたものです。
三陸方面の山道には、昔の「津波到達地点」という看板が各地に立っていて、「こんなところまで、津波が来たのか・・・」と驚かされたものです。
あの時、面談した、何名かの方がお亡くなりになったと聞きました。
あらためてご冥福をお祈りいたします。
ちょうど一週間後に、あの大災害が発生しました。
あの時は、急いで伺った企業に電話をしたのですが通じなくて苦労しました。
やがて、関東地方でも、石油製品の供給がままならなくなり、ほとんどのSSが閉鎖して我々の灯油受注用サーバーを維持するための発電機の燃料調達まで苦労しました。
そして、我々は携帯電話のWEB受注サーバーを死守すべく徹夜で頑張りました。事実、電話が通じなくても、灯油の受注メールは機能していたわけです。
その後、「雪ん子」ユーザーの販売業者の方から、「携帯WEB受注を一時止めてほしい。」という悲鳴のような電話がありました。
注文が殺到しても、配送する商品や車両が動けなければ対応できないのは当たり前です。
その後、関東地方では計画停電もありましたが、
外で廃材を燃やして暖をとる被災地の方がテレビに映し出されるたびに、無念の思いで胸が痛みました。
夜の寒さの中、被災者の方は本当に大変な思いをしたと思います。
全国各地から、燃料を積んだ大型ローリーが殺到したわけですが、問題は必要な場所に届けるためのミニローリーなどが不足していたわけです。
ですから、燃料を積んだまま荷卸しできずに引き返したローリーもあったようです。
消費者に近い末端における配送体制の整備とシステムの必要性を感じました。
あの時、、被災現地の販売業者の皆さんはフル回転で頑張りました。
宮古市の角登商店さんなどは、電話が一週間もつながらずどうなってしまったのか心配でしたが、幸い海岸から離れたところでオペレートしていたので「雪ん子」システムは生きていました。
その後、市街地の上にあるSSに「雪ん子」と配送拠点を移して頑張っています。
ゆきんこサポートセンターのスタッフは、被災地に駆けつけましたが、その惨状に驚かされました。
その後、我々は「八戸灯油センター」における販売業者による協業化システムをクラウドとして立ち上げ、今シーズンから順調に稼働を開始しています。
岩手県石油組合の理事長である、宮田燃料様でも復興に向けて「雪ん子」が活用されています。
さらに、シェル石油の100%の子会社である中川石油様では、すでに岩手、秋田、山形、宮城の広域ネットワークによる本格稼働もスタートしています。
そのほかにも、多くの企業様で被災地の皆様の生活を死守するため、豪雪と寒さに耐えながら頑張る灯油配送スタッフの皆さんがいらっしゃいます。
関西の灯油巡回配送の「シューワ」様なども、被災地の岩手県に一千万円の寄付をして配送で頑張っているようです。
まさに、石油業界挙げての「頑張ろう!、ニッポン」です。
被災地の灯油消費者の皆様、私たちも、温かさと真心を配達できるように頑張ります。
全国各地に広がる「灯油配送過疎地帯」、
そして、今夜も遅くまで灯油配送に頑張る配送スタッフの皆さんがいることを忘れないでください。
最近、出光興産のテレビコマーシャルで、可愛い女性が灯油配達で頑張っている映像があります。
温かい、お茶一杯で、心も体も温まりそうな素晴らしいコマーシャルだと思います。