ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

「灯油配送ビジネス」の重要性

2012年02月17日 04時43分56秒 | Weblog

我々のような少数精鋭企業では、営業活動と業務スケジュールのバランスやタイミングが一番問題です。
このバランスが崩れると、極端に忙しくなって仕事が雑になりやすい。
逆に、暇ができると仕事に隙間ができて採算性を維持できなくなる。
クライアントに対する価格設定を安くするためには、どうしてもこの辺がポイントとなるわけです。

我々の仕事で最近一番感じていること。
「灯油」というホームエネルギーを消費者ニーズに応じて安定的に供給するためのシステム。「雪ん子」
そして、「軽油税納税」という石油ビジネスにとって避けられない、煩雑な業務を簡略化しフォームするための「D-TAX」
さらに、石油流通ビジネスの上流で基幹となる流通管理システム「ペトロマスター」
いずれも、石油流通ビジネスにとって流行りすたりのないコアな部分を担うビジネスソリューションであるということ。
これらのシステムは仮に石油業界が時代とともに変化しても、必ず必要なものだと感じています。

全ての石油関連企業にとって必要なわけではないとは思いますが、
今後もこれらのソリューション開発を維持しクライアント企業様に安定してご活用いただける環境を自ら創り出すための努力が必要であるとも感じています。
これは今後の我々のビジネスにとって最も大切な課題ともなりそうです。

どんなビジネスも似たような傾向があるはずです。
たとえば、今年の灯油ビジネスです。

今まで、「オール電化」などで消費減退が懸念されてきたわけですが、
今シーズンは突発的に発生した電力不安や厳しい寒気によりまさに「灯油復権」ともいえる様相を呈しています。
流通在庫もタイトとなり、これからも続きそうな寒気とあいまって、一部では安定供給に対する不安も出ています。
原発の停止で、ここ当分はホームエネルギーとしての「灯油需要」が見込まれています。

今シーズンは、灯油ストーブが爆発的に売れました。
しかし、SSで販売された機器類のシェアは非常に少ないといわれます。
昔は、石油ストーブの販売は冬場のSSビジネスでは収益の基幹となっていた時期もあったのです。

灯油ビジネスの難しさについて、
需給が天候などの各種条件により変化するため、販売業者にとって市況対応が難しい「相場商品」であること。
そして今年のようにSS企業にとっては仕入に関して「玉がタイト」という課題もあります。、
現実に消費者が必要とする時に必要な場所に安定的に配達供給することができて初めて『安定供給』なのだということです。
豪雪や高齢化が進む中、配送スタッフの苦労は大変です。
しかし、「持ちに来れば、売ってやる。」というような店頭での販売姿勢だけでは消費者ニーズは満たせませんね、
今後、消費者に支持される本格的な「灯油復権」を目指すなら、
灯油の利便性を考慮した販売手法をさらに工夫する必要があります。

消費者に適正な配送コストを認識していただけるだけの配送サービス体制の構築が絶対に必要です。
このことは、灯油販売業者にとっての収益性確保の面からも一番重要なポイントとなるはずです。

すでに、エコカー普及による「ガソリン減販傾向」が顕著ですし、今後この傾向は急速に進むはずです。
必然的にSS業界は、「変化と試練」にさらされることになります。
外販の灯油ビジネスは本当に貴重な収益となっています。

現在の状況を冷静に分析しながら、
石油業界にとって最もコアな商品である「灯油」を見直す時期に入っていると思います。
すでに全国各地でスタートしている、灯油配送を起点とする「宅配ビジネスモデル」の模索が
地域性や企業特性などを織り込んだ独自性のあるビジネスとしてそれぞれ確立されねことで
従来の「ガソリンスタンド」という業態を大きく変化させることになるはずです。