ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

今年の灯油ビジネスの明暗

2006年02月22日 14時01分08秒 | Weblog
系列仕入中心の業者と灯油を業転オンリーで仕入れていた業者とでは今年の灯油商売は明暗を分けたようです。

系列玉の比率が高い販売業者はかなりの収益を上げる事が出来たが、業転玉に偏重していた販売業者はこの相場ではとても利益は出せないし、出ても少なかったようです。

昨今では、灯油は「商標権外」だといって系列外で仕入れている業者も多いわけですから、商売に日陰と日向が出るのはやむを得まい。石油ビジネスは本当に難しい、とくに、仕入れソースが多様化している灯油はこの時とばかりに、いつも痛めつけられている中間流通業者がリテールを締めて値取りしてくる。

我々のユーザーでも系列仕入中心の業者はホクホクのようですが独立系業者は神経が疲れてクタクタのようです。今後灯油は元売主導になってしまうのかもしれませんそこが難しいポイントです。

しかし、これで独立系業者やホームセンターなどが灯油をあきらめる筈は無い。
商品としての灯油市況に目を向けたり、次に向けての仕入れ価格も含めた安定供給のための工夫がなされるはずです。

最近では業転価格が急激に下がってきたので、業転手当てでリバウンド利益が狙えそうですが、本当に相場商品となった灯油ビジネスは難しい。

しかし、元売から見たら灯油は系列を御しやすい商品となった事は確実です。
確かに今年の灯油相場は独立系業者などはかなり嫌気がさしてきました。
中途半端な販売量と場当たり的な配送体制では赤字が出てしまいます。

今後も一部店頭ヤケッパチ価格は出るかもしれませんが、
灯油の「店頭」と「配送」の区分は確実に明確化してきましたから、
逆に商売がやりやすいと喜ぶ業者もいるわけで、明暗を大きく分けたようです。

ホームセンターが開始した灯油配送

2006年02月22日 09時14分41秒 | Weblog
著名なホームセンター数社がすでに「雪ん子」のユーザーと提携して灯油の配達注文を開始しています。
ホームセンターの灯油配送は既存業者とのコラボレートが多いのが現状です。

受注データを配送提携業者に転送して、配送の結果を受信するという業務形態が多いので実際にはほとんど手数がかかりません。実際の業務コストについては手作業で行っている一般業者よりも低いITビジネスの様相を呈しています。

来シーズンからホームセンターの灯油配達はさらに増加する傾向です。
配送体制が整っている業者との業務提携が進むはずです。
現在では、関東甲信越が中心ですが今後は全国でホームセンターとSSのコラボレートが浸透していく事も予想されます。

ホームセンターの灯油購入契約書は既存のSS業者とは異なりかなり詳細な内容で契約しています。内容についてはご要望があれば契約事例なども紹介しましょう。

今年も、ホームセンター複数社が灯油配送の受注を開始する予定のようです。

石油業界のビジネススタンス格差

2006年02月22日 08時57分18秒 | Weblog
上流からリテールまで、石油業界の情報と課題は経営スタンスによってさまざまです。
それぞれが自分のスタンスで仕切価格が高いと不安な販売業者様は常に不満ですから他社の仕入価格動向にも敏感です。情報収集チャンネルもスタンスにより正確性やスピードが全く違います。

私も安くて、安定した仕入先を紹介するよう要請される事もあります。
しかし、業界紙やインターネットの情報さえタイムギャップがあるのです。もちろん中央と地方で生の情報チャンネルは全く違います。どんな立場でも経営者は他人よりも早くリアルタイムな業界ビジネス情報を知りたいのは当然のことです。

むずかしいのは有効な情報を得られる立場であってもそれを実務に生かしきれる経営者は意外と少ないことでしょう。問題はその場だけの目先の問題ではなく経営戦略的な課題です。昔は、石油業界村人は視野が狭いと言われて腹を立てたものですが最近では意味が良く判ります。

自分の現在のスタンスで本当に知りたい情報とは何なのかということも問題です。
戦略上一番安くしかも安定的に調達可能な価格帯を把握する事は永遠の課題でしょう。

業転玉が元売などからリテール業者に直接販売されることは少ないはずです。そこには、石油流通業界という大きな大河があります。たまには伏流となって地下を流れる事もあるでしょう。幾つもの支流が合わさって大河となります。支流からの手当てだけでは安定供給も望めません。

時代の流れもあるでしょう。しかし、必要となる情報は平等に与えられないようです。
これからしばらくは、石油業界も分岐点のようです。