畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

雪の夜話(2)

2012-12-24 06:25:30 | 暮らし

 これは昭和30年代後半頃の雪景色です。
除雪用機械などの出現はこの後もうしばらくしてからの事。

 冬と言えば国道さえ深い雪に閉ざされ、春までは自動車の音さえ聞こえなかった。
ご覧の通り、駅前道路も雪の下。
右手に見える我が家の前で蛇行しているのは、屋根から下ろした雪を避けたため。

 でも、この頃は我が家を含めて駅前通りには三軒の家が出来ていたから、
雪を踏み固めて道を作る仕事も楽になっていました。

 昭和30年頃、私が小学校3年生の時に、村の中央、鎮守様の裏から新築移転した際は、
駅前通りには我が家が初めての家として、一軒出来たのみでした。

 それまでどうしていたのかは分からないけれど、その冬から苦労が始まりました。
我が家から村の入り口までと、我が家から駅までの二方向、そう200メートルも雪を踏んで道を作らなければならなかった。

 一番列車に乗る乗客を通すためには、一晩に三尺90センチ以上も積る雪を踏み固めないと、
誰も歩いては駅にたどり着けなかったのです。

 いくら早く起きたとて、父一人では一番列車までには無理な朝も多く、
そんな、大雪の朝は小学生だった私も大声で起こされ、まだ薄暗い表に出て道を踏んだのです。 

 それは眠くて大変だったけれども、それも仕方ない事と諦めて幼かった私も汗ばむほど懸命でした。
村の中の家が立ち並んだ所の家の子供たちは、きっとそんな苦労も無かったと思いますが。

 駅前通りの道を挟んだ家屋の反対側には稲を掛けるための「ハザ木」のための「ハンの木」が見えて懐かしい。
秋になると、どこも道路脇は「ハザ木」に掛けた稲で半面覆われていたものです。


 ほら、一番列車だか、二番列車の下りが発車しましたよ。
この頃の唯一の交通手段が国鉄の旅客列車だったから雪で列車が止まったら大変でしたね。

 後に私が18歳で就職することになる、国鉄の保線、「線路班」の建物が二棟見えます。
線路の除雪も人力が主要な時代で、線路そのものはラッセル除雪車が有ったけれども、
駅構内のポイント回り、プラットホーム、トンネルの出入り口などは全て人力除雪でした。

 もっとも、冬になると現金収入の道が途絶える農村の人々には、この除雪仕事は有難いものだった。
その他には、出稼ぎで関東方面に一冬行くしか無かったような時代でしたから。   


 先日、「冬至」の風景として紹介した一枚ですが、集団で登校はしたけれど細い雪道でした。
登校は集団でも、下校はバラバラ。
一人で村はずれの我が家に向かう際は、吹雪かれて所在が分からなくなった道を、
さまようように、転んだりしつつ、全身雪まみれで家に転がり込んだものです。

 今回週刊誌の連載エッセイ「昼寝するお化け」を読み、昔と今を比べて大きく頷きました。
題は『国家に頼るな』と言う少々過激なものですが、内容は至極まっとう、納得できるものです。

 曰く、貧しさを知らずに育った者が多い時代になり、そのために不自由を感じるとすぐ他者に頼る。
こんな現代の風潮を鋭く突く『曽野綾子』さんの意見、考え方に大いに賛意を覚えた。

 駅から1キロも離れていない同じ村の親が自動車で子供を駅に送って来る。
どうして、高校生にもなった子供をあんな風に甘やかすのだろうと、何時も腹立たしく見ていたけれど、
いやー、無理も無いのですねー、親そのものが、貧しさや、苦労なんて知らないのですからね。

 かくして、人に頼り、国家に頼り、都合の悪いことは他人に責任を求める甘い国民が出来ました。
今の政治家だって同じ事ですね、空中分解状態の前政権党も責任を他人になすりつけるだけ。

 「私が悪かった」と言う落選者はまたましな方。
我が新潟5区の、角さんの娘なんて、未だに他人に対する恨み事だけ。
ありゃ、むもうおしまいですね。ってまたまた話が脱線気味です。
どりゃ、マックスが呼ぶから朝の散歩に出かけて来ましょうか。
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マックスの「三年寝太郎」

2012-12-23 12:12:30 | マックス

 比較的穏やかな気候だった冬至の日のマックスです。
鼻と口の間、そして下唇の下などがずいぶん白くなっちゃいました。
って言うと「トーちゃんにゃ、言われたくないね」なんて言われそうですが。


 初冬と言うとんでもない寒い時期に恋の病に陥った老マックスも病癒え食欲モリモリ。
そして、食事と散歩の時間以外はひたすら眠っています。

 軽トラの座席に古毛布を敷き詰め、冬の居所にしているけれど事の他にお気に入り。
散歩、そして食事と必要なことだけ済ませると、さっさと運転席に上がり込みます。

 夏場と言うか、雪の無かった時期は畑仕事にお供することが多く、休む間もなかったですね。
それが今は主人も在宅で、時折りの買い物への付き合い以外はマックスも暇ですからね。

 雪が消え、草木が芽吹く春まではこんなペースが続くのでしょう。(2月23日には14歳になりますが)
いや、時々トレーニングに連れ出そうかな。


 天候が良くなって落ち着いたら、一緒に山の畑に行ってみようかな。


 でも、年老いたから以前のように、こんな風にしてウサギを追いかけることも出来ないかもしれない。
ま、マックスの様子を見ながら無理をさせないようにしよう。って自分自身も含めてだけれど(笑)。
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冬至は雪の中

2012-12-22 04:48:58 | 暮らし

 昨日は穏やかな冬至の日となった。
パートも休みの日であり、神社の参道の除雪を一人でした。


 小学生の登校時間「おはよう、行ってらっしゃい」と声をかけつつ作業開始。


 神社管理の責任者として、前方に見える参道の雪覆いは設置したけれど、
その後の除雪などの管理はスベルべが一人でする事となる。


 先回のドカ雪の際にはスベルべママが行っていて私としては初仕事。
スノーダンプで蟻が砂粒を運び出すように、少しずつ雪を運び出す。


 これで、神社まで無事にたどり着けます。
この雪の中でもお参りをする、善男善女がいるらしく、足跡が残っているのです。 


 帰宅して、ついでとばかりに家の裏の雪片づけ。
雪の山を崩して、次の降雪に備えるのです。散水消雪も順調です。

 その後家の中の片づけをし、片づけながらつい、雑誌に目をやったりして過ごします。
夕方は二人で買い物に出かけ、帰ってマックスにご飯を上げたりしている間にスベルべママは夕食支度。

 「冬至南瓜」の言葉通り「南瓜の煮もの」がテーブルに並びました。
そして、仕上げは「柚子湯」。もったいないと言いつつも二つの柚子を風呂に浮かべます。
先ずは穏やかな冬至の日の終りを迎えられた一日でした。
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雪の夜話

2012-12-21 04:58:32 | 暮らし

 一昨日の夕食時に十二月にしては多い雪に、思わず昔の思い出話。
これは豪雪の年として記録に残る昭和56年の風景。『56豪雪』として記録に残る年。

 今から30年ほど前の冬の風景です。
手前に幼い下の娘が居て、その向こうには妻と上の娘。


 その頃、屋根から落とした雪をスノーダンプで片づける若き日のスベルべの姿。
二階の窓から妻が写した一枚で、私が妻を写した一枚も有るけれどこちらは省略(笑)。

 屋根から下ろした雪で、二階の窓ガラスを割ってしまったのもこの年。
降り続く雪に雪を運び出す場所も無くなって来て父に「重機を頼まない?」なんて進言した。

 でも、父は「いくらなんでもこれ以上降り続くことは無いと思う」と、否定。結果は父の言葉通りに。
しかし、これに懲りて夏には自家用の消雪用井戸を新設することとなった。


この年の駅前の風景。4メートルは超える雪の壁。


 我が家の隣の家です。平屋では無くて二階屋ですよ。
こんな風に、一階部分はすっぽりと雪に埋まってしまうのが冬の光景。
こうなってしまうと一階部分に有る居間なんて、昼でも薄暗く電灯が必要でしたね。


 向こうに見えるブロック造の二階屋は屋根から下ろした雪で屋根近くまで埋まってしまった。
こうなると、冷蔵庫の中で暮らしているようなものでしょう。


 夜の駅前の風景です。
雪明かりで幻想的な感じじゃないですか。

 でも、こうして一応機械除雪が始まり無雪道路になっているから、有難いものでした。
今のように除雪体制も整わず、一台のロータリー除雪車のみでしたけれどもね。

 古い我が家は屋根の道路側の雪を下ろす時は大変でした。
ロータリー除雪車の除雪車後に道路に落とすと自動車は通行不可能になってしまうから。

 そのために、若きスベルべ夫婦は屋根雪下ろしの身支度をしてニ階から遠くを見渡す。
ロータリー除雪車の黄色の回転灯を見つけると、大急ぎで屋根に上がり道路に雪を投げおろした。
幼い娘達が目覚めて、両親の不在に気付き泣き出さないかなどと心配しつつでした。

 こうして、早朝、四時五時から屋根の雪を下ろして出勤したものです。
二人とも若かったから出来た荒仕事でしたね。

 でも、こうして無雪道路になる前はもっともっと辛い冬でした。
この時期から遡ること十五年ほど前のことですが、そのお話は又の事にしましょう。
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白!白!白!真っ白ー!!

2012-12-20 12:17:23 | 自然

 今日から来年の三月二十日までの契約だけれども駅のホーム除雪が始まりました。
もっとも、例年よりも早い降雪で、昨日を含めてすでに五日間出勤しています。

 初出勤で緊張し、朝の三時に目覚めたけれども時刻を確認して一眠り。
再び目覚めた五時に表に出ると、真っ白白の世界。


 歩道除雪車は来たけれど、まだ車道の除雪畑手付かず。
30センチを超える新雪を踏んで出勤です。


 お、ようやく除雪車の灯りが見えました。 


 さて、家の後ろはと言うと、7こんな具合。
これも白一色の世界です。


 農天市場が見えます。
乗用車は半分ほどしか見えません。


 家の裏の散水消雪は順調。
うん、これならば心配ありませんね。 


 家の表です。ここも自家用散水消雪で舗装が出ています。
左側は歩道だけれども、朝の除雪からすでに20センチほど積もっています。

 ま、取りたてて驚くような雪でも無いけれど、やはり今年は早いなー。
年内に一、二回屋根雪除雪をすると大雪だと思ったものだったけれど、今年は既に一回上がっています。
こんな調子だと、もう一回、いや二回は屋根に上がらなくてはならないかもしれないなー。
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