今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ノアの洪水の日

2006-02-17 | 記念日
今日(2月17日)は、「ノアの洪水の日」
旧約聖書で「ノアの洪水」が起きたのがノアが600歳の時の第2の月の17日となっている。
旧約聖書は、ユダヤ教およびキリスト教の正典。旧約聖書は、一冊の本ではなく、39書の正典(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記など)と、外典(続編、カトリックのみ採用)からなっていて、「旧約全書」といったようなもの。その大部分は古代ヘブライ語(一部アラム語)で書かれている。古代のキリスト教会はユダヤ教の正典に、イエスの言行録である福音書や使徒の手紙等からなる文書群を新たに付加し、独自の正典である『聖書』を編集した。その際に、キリスト教会は、ユダヤ教の正典部分を、新たに付加した文書群から区別し、旧約聖書と呼んだ。しかし、近年ではユダヤ教に対する配慮から「旧約聖書」ではなく、「ヘブライ語聖書」という呼び名が使われることもある。
旧約聖書は、天地創造から始まり、古代イスラエル王国の建国と滅亡の歴史を物語る歴史書。しかし、旧約聖書は、必ずしも、歴史的順序で書かれていないという。
巻頭の創世記は、世界の創造から始まり、アダムとエバの誕生、ノアの洪水、族長物語、イスラエル人のエジプト到着までを描いてある。 この中でも「ノアのは方舟」は古代から語り継がれ数多くの画や物語として世界中で広く知られている。
ノアの方舟(はこぶね。箱舟、箱船とも記される)は、旧約聖書の創世記(6章-9章)にでてくる、大洪水にまつわる、ノアの方舟物語の事。
主なる神は地上に増え始めた人々が悪を行っているのを見て、人を創造したことを後悔し、これを滅ぼそうと考える。だが、「神に従う無垢な人」ノアとその家族のみは生き延びさせようと考え、ノアに箱舟の建設を命じた。箱舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。ノアは箱舟を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。7日後、洪水が起きたのがノアが600歳の時の第2の月の17日のことである。洪水は40日間続き、地上の生物は全滅。水は150日の間地上で勢いを失わず、150日目に水かさが減る。その後、箱舟は7月17日にアララテ山に漂着。山の頂上が見えた。 40の後、ノアは鳩を放したが戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、今度はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日後、もう1度鳩を放したが、鳩はもう戻ってこなかった。 ノア601歳の1月1日に水がかわきはじめ、 2月27日にすべての水がかわく。ノアは家族と動物たちと共に箱舟を出た。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす捧げ物として祭壇の上にささげた。神はこれに対して、二度と生物を滅ぼすことはないと誓い、ノアとその息子たちを祝福した。そのしるしとして空に虹をかけた。・・・これが、大まかなストーリーである。
ノアの方舟は、その大きさも詳しく書かれているが、その容積は、40,000立方メートル近くにも達し、そこから導き出される排水量は、ほぼタイタニック号にも匹敵するという。聖書のことであり、どこまでが本当かは知らないが、驚くね~。旧約聖書内の記述から、実際に多くの学者や冒険家たちによって、この方舟の捜索がなされてきたという。古代の大洪水にまつわる伝説や神話(大洪水神話)は、世界中に存在し、その発生を主張する学者や研究者も多い。但し、それが、創世記やメソポタミア神話(特にギルガメシュ叙事詩)にあるように、世界規模で起こったとする者は少なく、「メソポタミア近辺での、大規模な自然災害」、あるいは、「氷河が溶けた当初の記憶」などとの見解の方が多いというが当然だろうね~。
ノアの方舟が洪水のあと辿り着いたのがアララト山となっているが、この“アララト山”がどこにあるかは、いろいろな説があるようだが、最も有力な説とされているのが、トルコ共和国の東端、イラン、アルメニアとの国境近くにあるアララト山で標高5,165mの山(成層火山)だそうだ。頂上から古い時代の木の化石が見つかったり、航空写真から方形の船の跡らしいものが見出だせたりしたことから、それをノアの箱舟の痕跡だとし、それでノアの伝説が実証されたと主張する人もいるそうだ。
ノアがふたたび鳩を放つと、鳩は嘴にオリーブの小枝をくわて戻ってきた。 その小枝は、聖地オリーブ山からくわえてきたものであるらしい。このオリーブ山はキデロンの谷を隔ててエルサレムの東にあり、中央・南パレスチナを南北に走る山脈の一部で、昔はオリーブが豊かに茂っていたそうだ。新約聖書においてこの山はイエスの生涯の最後の1週間と深い関わりがあるところだとか。以下参考の「新約聖書の世界(オリーブ山・受難のみ跡と、イエスの教え)」を見てください。又、イタリア(ヴェネツィア・ローマ等)やスペインで活躍したマニエリスム最後にして最大の画家といわれる、エル・グレコ (El Greco)の絵「オリーブ山のキリスト」では、イエスに訪れるユダの裏切りと受難への苦悩を表現しているこれも一見の価値ありだよ・・・。
ところで、鳩は平和を象徴する鳥といわれるが、正確には、「オリーブの枝をくわえた鳩」が平和の象徴なのだ。それは、この旧訳聖書の「ノアの洪水」で、水かさガ減った時、陸地が再びあらわれたかどうかを調べるために箱舟から放れた鳩がオリーブの小枝を持ち帰ったところから来ている。「オリーブの枝をくわえた鳩」の図案は、日本たばこ産業(JT)のタバコ、「ピース」のデザインに使われた。この斬新なデザインは、アメリカの商業デザイナー、レイモンド・ローウィによるもので、このデザインの「ショートピース」1952(昭和27)年の4月に発売された。ピースのデザイン改装のために、ローウィに支払われた金額は150万円。当時、内閣総理大臣の月給が11万円だったというから凄いデザイン料を払っていたんだね~。
又元に戻るが、「ノアの方舟」では、ノアは扉を開き地上に降り立ち動物達を放した。 神の創造したアダムの子孫は、彼ら以外の全てがこの洪水で死んでしまったので、ノアたちが人間の新しい祖先となった。旧約聖書では、この洪水は神の裁きであり、生き残ったものは神から選ばれ祝福を受けたのだという、信仰の観点からノアの洪水は語られている。
ここで、全てを「良し」として、天地と人を創造された神は、人の悪に愛想をつかし、後悔して、ノア以外の全てを滅ぼした。つまり、人類の浄化粛正を行ったわけだ。そして、創世の原初の「良し」とする状態に戻り、新規巻き直しを計り、ノアたちを選んだ。しかし、神は祭壇の宥めの香りをかいで、人間のどうしょうもない、本質的なところでの悪については「人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。」と認め、受容せざるを得なかった。 そして、「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。」、今後、全人類の滅亡はありえないと、宣言する。
神にかたどり、神に似せて創造された(人間が、期待外れであったことを認め、その人の悪を前提とした上で、人を滅び尽くさないという「契約」を結ばれた。これが「ノアの契約」といわれる、人間と神との間の初めての契約だというのである。私には、信仰を通してと言うのではなく神から人に持ちかけられた契約である・・といったことが何か釈然としない感じはするが・・・。
ところで、少し話はそれるが、昨日は、NHKの衛星放送で、ハリウッドの超大作映画『十誡』が再放送されていたね。これも旧約聖書の話。チャールトン・へストン演じるモーゼが、エジプトで圧政に苦しめられていたヘブライ人を脱出させる映画。再放送のテレビも見たが、昔、実際に映画館でこの映画を見たときにはラストの海が割れるシーンには驚かされた。この映画では、最後に、つらい旅のために、ヘブライ人の心はモーセから離れていくが、シナイ山でモーセは神から十の戒めを授かり、ヘブライの民に示し、人々の心を再びつかむ。これが『十戒』で、のちのユダヤ教の戒律のもとになるものである。4つほどは、神との関わりについてのものだが、「あなたの父と母を敬え」 「あなたは殺してはならない」 「あなたは姦淫してはならない」「あなたは盗んではならない」 「あなたは隣人について、偽証してはならない」「あなたは隣人の家をむさぼってはならない」・・・などは、人間として犯してはならない極当たり前のことばかりである。
話は元に戻るが、「ノアの契約」では、人は神から、「人間のどうしょうもない、本質的なところでの悪」について認められたようなことになっているが、どこまでの悪を許すのだろう?・・・ここのところ、ニュースで伝えられる状況。人の安全を考えず耐震構造に問題のある建築物を販売したり、その他、詐欺の横行や、猟奇的な殺人など、とんでもない悪人がはびこっている状況を見れば、もう『十戒』の戒律を犯したどころではない。神は、もう一度、洪水などの転変地変を起こして、人を再生しなおそうと考えているかもしれないね~。
(画像はタバコ「ショートピース」)
参考:
聖書に親しむ
http://www.is.seisen-u.ac.jp/~zkohta/bible/index.html
旧約聖書 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E7%B4%84%E8%81%96%E6%9B%B8
ノアの箱船
http://www.geocities.co.jp/john_rabitan/hakobunem.html
旧約聖書・藪にらみ
http://www.asahi-net.or.jp/~zm4m-ootk/mokujikyu.html
新約聖書の世界(オリーブ山・受難のみ跡と、イエスの教え)
http://homepage3.nifty.com/chosei/seichi9.htm
エル・グレコ El Greco( オリーブ山のキリスト )
http://www.salvastyle.com/menu_mannierism/elgreco_huerto.html
十戒
http://www.actv.ne.jp/~yappi/eiga/EA-01jukkai.html


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