今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

電気自動車の日 (Ⅱ)

2010-05-20 | 記念日
1955年から高度経済成長と共にガソリン車が順調に成長をしていくが、1965(昭和40)年頃には、急激なモータリーゼーション(自動車の大衆化)の進展による排出ガスや騒音などの自動車公害(大気汚染)が大きな社会問題となり、電気自動車への関心が再び高まり、電気自動車の開発が再スタートした。1970 (昭和45)年日本で初めて開催された大阪万国博覧会では、電気自動車は、展示物と言うよりも会場内の交通機関の一つとして活躍し、来場者用のタクシーのほか、放送用機材を運搬するプレスカーや施設管理用のパトロールカーなどに使われた(ダイハツが開発したEV Taxi。以下参考の※10参照)。
1971(昭和46)年には、米国で「マスキー法」が制定された。これは自動車の排気ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物を現在の10分の1に削減することを義務付けた大気汚染防止法で、この基準をクリアできない自動車は販売が認められないことから、1971年~1976年に、当時の通産省(現:経済産業省)による電気自動車の研究開発の大型プロジェクト(自動車・電機・電池メーカーが参加)が設立された。
1976(昭和51)年には、(財)日本電動車両協会が設立(設立目的等以下参考の※9参照)され、産・官・学一体となって普及への取り組みが推進され電気自動車に大きな期待が寄せられた。又、こうした国の動きとは別に、自動車メーカー各社も新たな触媒の開発やクルマの電子制御化に力を注いだ(>ホンダは低公害エンジン「CVCC」の開発に着手)。しかし、このときはガソリン車の排出ガス浄化技術の性能が飛躍的に向上したが、電気自動車の性能や価格などは、まだ、商品としての評価を得られず世の中から姿を消していったが、このころが、第二次電気自動車ブーム時代といえるだろう。
1990年代になると、都市郊外や地球温暖化がより社会問題化し、さらに、石油枯などのエネルギー問題などへの対応、また、米国カリフォルニア州でZEV(ゼロミッションビークル)規制(以下参考の※11参照)が制定されたことにより電気自動車の開発が再開された。
政府は電気自動車実用化の鍵を握る「EV用電池開発プロジェクト」を1992(平成4)年から発足し、実用化の鍵を握るリチウムイオン電池の技術開発をスタートさせた。そして、1995(平成7)年 には、政府公用車の10%を低公害車とする閣議決定模された。
1996(平成8)年には、EV車の総合的な評価試験が行われ、今までの電気自動車とは性能が格段に向上した第2世代と言われる新しい電気自動車が登場し脚光を浴びるようになった。今までの電気自動車(第1次世代。1973年実験)が指摘されていた多くの課題を解決したしたものであるが価格が依然高いことから大量販売には至らなかった。この時代(1990年~2000年)に開発された電気自動車には、トヨタの『RAV4L V EV』やホンダの『EV PLUS』があり、ハイブリッド車『プリウス』もこの頃に誕生した。価格もそれまでの電気自動車に比べると大幅に安価で売れることから販売目標台数を上回り、生産台数も半年後には倍に達する売れ行きとなった。
2005(平成17)年愛知万博略称:「愛・地球博」では、「自然の叡智 Nature's Wisdom」 “人と自然がいかに共存していくか”、というテーマを掲げた上で、環境万博を目指して開催された。同万博では、会場内交通手段(長久手会場内の駅とモリコロメッセの前にあるメッセ前バス停の4か所を結ぶ)の一つとして、トヨタグループが開発した、IMTS(電波磁気誘導式のバス)が登場。長久手会場と瀬戸会場間は燃料電池ニッケル水素電池を動力源としトヨタ・FCHV-BUS(ハイブリッドカー)で結ばれた。
又、会場を一周するように設置されたグローバル・ループ(水平回廊)には、電気自動車グローバル・トラムを日本通運が運営し、同ループ上を、ブリジストンサイクル・ナショナル自転車工業・ヤマハ発動機などの電動アシスト自転車タクシーが走った。
そして、2009年からいよいよEVの量産・市販化がスタートした。ついに電気自動車“元年”到来か?・・・といった記事が日経新聞を賑わしたが・・・(以下参考の※12参照)。
これが、第三次自動車ブームの到来と言うことなのだろうが・・・さて、これから先どうなることだろうか・・・?
(画像向かって、左:エジソンと1914年型 Detroit Electric モデル47、右:愛知万博で活躍したトヨタの「FCHV-BUS」、いずれもWikipediaより)

参考:
※1:GSYUASAホームページ
http://www.gs-yuasa.com/jp/
※2:環境ナノテクがエレクトリック・カーの未来を開く(環境省HP)
http://www.env.go.jp/policy/tech/nano_tech/review/theme/03/01.html
※3:自動車について
http://www.osaka-c.ed.jp/matsubara/KADAI/28KI/kadair23.htm
※4:ずんぐり車図鑑・自動車年表
http://www.pupukids.com/jp/hobby/zunguricar/htmls/car-chronology.html
※5:ニッ サンは日本の電気自動車の草分けか(PDF)
http://www.ne.jp/asahi/yada/tsuneji/history/EV-japan.pdf#search='日本電気自動車製造'
※6:機械技術研究所 写真で見る25年史
http://www.mel.go.jp/soshiki/tokatsu/25nensi/index.htm
※7:トヨタ博物館ブログ・目次
https://gazoo.com/G-Blog/tam/4121/Category.aspx
※8:トミカコレクション
http://homepage2.nifty.com/ozawa2001/catalog_frame.htm
※9:EICネット[環境機関情報 - 日本電動車両協会]
http://www.eic.or.jp/org/?act=view&serial=261
※10:ダイハツ用語集
http://homepage1.nifty.com/movinmove/daihatsu%20corner/yougosyu/yougosyu%20am/Yougosyu.htm
※11:ZEV規制 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20080123/146089/
※12:2008年12月14日付けの日本経済新聞朝刊は「2009年は量産化された電気自動車が町中を走る“元年”になる」と報じた。
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/torii/42/index.shtml
自動車の電池課について(PDF)
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g80425d04j.pdf#search='EV用電池開発プロジェクト'
ahead Vol.72 SPECIAL 特集 READY to EV
http://www.ahead-magazine.com/articles/72_special_2.html
EVヒストリー EV MUSEUM|一般社団法人 次世代自動車振興センター
http://www.cev-pc.or.jp/NGVPC/museum/history.html
電気事業―Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BA%8B%E6%A5%AD/
(社)自動車技術協会「日本の自動車技術240選」
http://www.jsae.or.jp/autotech/
石油減耗時代が到来? −石油枯渇に関する国際ワークショップの議論から−(PDF)
http://www.gsj.jp/Pub/News/pdf/2005/11/05_11_02.pdf#search='石油減耗時代が到来? −石油枯渇に関する国際ワークショップの議論から−(PDF)'
電気自動車の LCA 調査研究(PDF)
http://isw3.kankyo-u.ac.jp/project/2004/project/1013001.pdf#search='1965年 通産省 電気自動車 研究開発プロジェクト'
電気自動車 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html

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