今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

10円カレーの日

2006-09-25 | 記念日
今日(9月25日)は、「10円カレーの日」
1983(昭和58)年から、日比谷公園の中にあるレストラン「松本楼」では、この日に、普段は700円のカレーを10円以上募金した人に提供しているという。
日比谷松本楼HPを見ると、10円カレーチャリティーセールのはじまりは、1971(昭和48)年の秋、沖縄返還協定反対の過激派学生グループにより、火炎瓶を投げられ松本楼は炎上、全焼した。これは、関東大震災以来、2度目の悲しい炎上事件であった。この炎上から2年後の1973(昭和48)年9月25日に再オープンすることが出来た。そのときの感謝の心をこめた記念行事として始まったのがこの「10円カレーチャリティーセール」だそうである。毎年、9月25日に先着1500名にサービスし、売り上げは震災の義援金や交通遺児育英会、ユニセフなどに松本楼からの寄付金も加えて全額寄付しているのだという。 
昨・2005年で、33回目になるが、2004(平成16)年までの32年間の総入場者数は、76,398名、寄付金総額は、15,470,815円に上るという。何でも、30名のスタッフが1年に1度のこの日のために最高のカレーを賞味して頂こうと、下準備に2日、煮込みに4日、そして最後の1日はじっくり寝かせて味をなじませるなど、1週間がかりで入念な支度をしてのものだとか。
日比谷の秋の風物詩→http://www.matsumotoro.co.jp/10yencurry1.htm
10円カレーは現代俳句の秋の季語となっているほどだという。それは、評判を呼ぶだろうね。一流のレストランがこんな値段で、奉仕するのだから、恐らく、ものすごい列が出来ているのだろう。しかし、ここにも書いてあるように、普段は700円のカレーを「10円以上募金した人」に提供しているのだが、皆さん、どのくらい募金しているのだろうね。私など、営業をしていたものは、すぐに計算したくなるが、もし、総入場者数が76,398人と言うから、1人平均100円寄付したとすると、これで、7、639、800円だから、これに松本楼も寄付金を加えるというのだから、そうすると、やはり1人当り、100円少々と言う事になるのだろうね~。上記、「日比谷の秋の風物詩」を見ると、”お土産に勝沼ぶどう、カルピス製品、UCC製品のプレゼントがつく”と言うのだから、凄い。プレゼントに貰うものだけでも100円ではすまないよね・・・。一応、店側は、商売抜きで、チャリティーとしてやっているのだから、お客として、サービスを受ける側も、もう少し、寄付額を増やしてもいいのではないだろうかね~。安ければよい、10円で良いと言うのだから、10円しか払わない人も大勢いるから、このような額になるのだろうけれどもね・・。私は、その目的が何であれ、「松本楼」のように、商業をしているものが、年に1度でも、本当に感謝の気持ちを込めて奉仕するという気持ちが嬉しいし、是非、どこのサービス業もやってもらえたらいいな~と思っている。
商業の世界では、「お客様(消費者)は神様」だと口先では皆言っている。又、昔から、商売の世界では、「損をして得をとれ」とも言われている。先ず、お金を儲ける事を考えるよりも、神様であるい客様(消費者)に、喜んで貰える事をして、そのお客様のご贔屓を戴いて、儲けさせて貰うのが、商売の常道である。
私は、もう現役を退いたが、現役時代は、色んな会社と関係をし、営業・管理畑ともに歩んできたが、商社やメーカー、問屋業だけでなく、小売店、専門店、百貨店からスーパーまで、いろいろな職業を確り見てきた。特に、小売業など、その店を覗いただけで、よい店か悪い店か、売れる店か売れない店かなどすぐ分かる。先ず、売れる店、よい店といわれるところは、非常に店の雰囲気が明るいし、従業員も教育がよくされいて、素直で、明るい子が多い。これは、そこの事業主の性格や信条がそのまま店作りや従業員の態度などにも出ているのだろう。そして、ガツガツしたところがなく、共通して、何よりも、先ず、お客様へのサービスを考えている。そして、お客様のお蔭で自分達が儲けさせてもらっているとの自覚を持っている。逆に、流行らない店は、もう、飢えているというか、売ること、儲けることばかりを考えている。売れない・儲からない原因は、消費者が欲していない店だからである。どこにでもある何の変哲もないものを、安くもなく、消費者へのサービスもせず売れたり・儲かったりするはずがない。どうして売れないのだろう・儲からないのだろうなどと考える前に自分の店に魅力がないのは何故かを考えるべきだろう。
私は、東京に5年間ほど住んでいたが、松本楼へ行ったことがない。ただ、松本楼は、1903(明治36)に、日比谷公園の開園とともに園内に開店。静かな佇(たたず)まいの中、しゃれた洋館づくりのお店は当時からたいへんな評判になっていたようであり、当時のモダンボーイやモダンガールの間では松本楼でカレーをたべてコーヒーを飲むのがハイカラな習慣となっていたようだ。大正元年の高村光太郎の詩『涙』には、”松本楼の庭前に氷菓を味へば 人はみな、いみじき事の噂に眉をひそめ かすかに耳なれたる鈴の音す”。と智恵子と一緒にアイスクリーム(氷菓)を食べたことが描かれている。また、夏目漱石の小説『野分』にも松本楼は「公園の真ん中の西洋料理屋」として登場している。今でも、1階のグリルルームでは昔ながらのオリジナルな味のビーフカレーやオムライスをはじめ、懐かしい味わいのハイカラ料理がたっぷりと楽しめるそうだが、東京にいた5年間、飲んだくれの私は、夜の街ばかりさまよい歩き、このような洒落た店などには関心を持っていなかった。今、思えば残念である。最も、私が東京にいたのは、1962(昭和37)年~1967(昭和42)年頃であるから、「10円カレー」の恩恵は受けられなかったが・・・。
(画像は日比谷・松本楼。下記参考の日比谷 松本楼/観光-じゃらんnetより)
参考:
日比谷松本楼
http://www.matsumotoro.co.jp/
<松本楼>で漱石のステーキ、智恵子のアイスクリーム 都会の森でクラシックメニューを
http://allabout.co.jp/travel/traveltokyo/closeup/CU20031029/index.htm?FM=cukj&GS=frenchcuisine
カレー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC
智恵子抄 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%BA%E6%81%B5%E5%AD%90%E6%8A%84
智恵子の空
http://www.minyu.co.jp/chieko/chieko6.html
夏目 漱石「野分 (のわき)」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/card791.html
日比谷 松本楼/観光-じゃらんnet
http://www.jalan.net/kanko/SPT_151736.html