はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

女性を守る法律

2020年10月12日 | 政治

2020/10/12

 

日本のジェンダーギャップ指数は今年、153ヵ国中 121位(前回は149ヵ国中 110位)です。特に政治や法曹界では、女性の数が少ないのです。そのせいか、未だに女性を守る法律が旧態依然という気がしてなりません。

今年の7月に、こんなニュースがありました。

「最高裁判所は7月、GPS機器を相手の車に無断で取り付けて離れた場所で位置情報を把握したことについて、ストーカー規制法で禁止されている「見張り」にはあたらないという判断を示しました。」

相手の車にGPS機器を取り付けても「見張り」にあたらないのです。

驚きました!最高裁のこの判断は、ちょっと普通の感覚ではありませんね。

居場所を知ること以外、どんな目的で相手の車にGPSを取り付けるのでしょう。

「見張り」という言葉の定義を法律的に解釈しているだけかもしれませんが、それが相手から逃げている被害者、暴力を受けるかもしれない、殺されるかもしれないという気持ちを持っている被害者には、自分の居場所が知れることは、ほんとうに恐ろしいことなのです。

ストーカー被害者はほとんど女性です。

最高裁の判断を下した人たちは、自分の車に、わからないように車体の下などにこっそりGPS取り付けてあって、ずっと自分の居場所を調べられているとしたら、どんな気持ちがするでしょうか?  

「GPS機器を悪用して相手につきまとうなどの行為が相次ぐ一方、現在のストーカー規制法ではGPSについての規定がないことから、警察庁は法改正を含めて検討を行うことになりました。」(NHKニューㇲ)

 

専門家からも法改正の必要性を指摘する声が出ており、検討会で議論されるそうです。1999年に埼玉県桶川市で起きた女子大生ストーカー殺人事件の被害者の父猪野憲一さんと母京子さんや、NPO法人「ヒューマニティ」の小早川明子理事長、刑法や行政法の学者らが参加します。

法改正になると思いますが、当事者の方たちは、やっと・・という思いでいることでしょう。

 

また、もうひとつ、女性のための法律が改正されるようです。

「政府は7日、性交直後の服用で妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、医師の処方箋がなくても薬局で購入できるようにする方針を固めた。性暴力を含め、望まない妊娠を防ぐ狙い。性犯罪の被害者や、若者を支援する団体などから処方箋を不要とし、緊急時に簡単に入手できるよう求める要望が出ていた。2021年にも導入する。」(東京新聞)

 

緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用することで妊娠を高確率で避けられる。現在は原則、医師の診察を受けて処方箋をもらわなければ入手できない。欧州やアジアなど世界86カ国では医師の診察なしで購入することができ、日本は国際的な遅れが指摘されていた。

医師の診察を受けるとなると、未成年の少女や貧困の女性にはハードルが高く、時間も診察代もかかります。それが薬局で買えると、だいぶ手に入れやすくなると思います。望まない妊娠や堕胎も避けられます。

これも、以前は簡単に手に入ると性が乱れるとの意見があって、手に入りにくかったのだそうです。

朝日新聞によると、

「2017年に薬局での販売について議論した際には「時期尚早」などとし見送られた。2019年のオンライン診療での処方についての議論でも、医師らから「若い女性は知識がない」「若い女性が悪用するかもしれない」などの理由で慎重に行うべきだという声が出るなど、女性だけの問題であるかのように矮小化され、病院へ行くというハードルの高さが理解されないまま、議論が展開されてきた面がある。」

世界86ヵ国では薬局で買えるのに、日本は遅れていましたね。これもやっと世界に追いついてきたという感じですが、女性を守る法律ができていくのは、喜ばしいことです。

 

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