カフェの掲示板でも何度か話題になったドラマ「電車男」。
ちょっと古くなるが、電車男の最終回について伝えた韓国の記事の
一部を紹介してみる。
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■ 인터넷소설드라마‘전차남’ 시청률 25%로 종영 화제
ネット小説をドラマ化した「チョンチャナム」視聴率25%で終了、
話題に
‘오타쿠’ 청년의 순수한 첫사랑을 그린 것으로 실화를
바탕으로 한 인터넷 소설을 드라마로 만든 ‘전차남’이 자체
최고 시청률을 기록하며 끝났다. ・・・・
「オタク」青年の純粋な初恋物語で、実話をもとに書かれた
ネット小説をドラマ化した「チョンチャナム」が、シリーズ最高の
視聴率を記録し、終了した。・・・・
-以下省略-
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1週間の時差はあるものの、まるで日本の新聞記事そのままの
ような、9月29日付けヘラルド経済新聞(電子版)の記事の
見出しと書き出し部分だ。
--- ところで、この「チョンチャナム」。
日本語の「電車男」を韓国語読みしたものだが、言葉としては
なかなかのくせものなのだ。
昨日も掲示板上で、「電車男」を知っている日本在住の韓国人
会員が、「チョンチャナム」と聞いて、それが「電車男」と頭の
中で結びつかなかったことをカキコしていた。
実際、前後の脈絡なしにこの「チョンチャナム」という音だけで
ドラマ「電車男」を連想するのは、日本在住の韓国人にとっても
韓国語を学ぶ日本人にとっても至難のわざなのだ。
実は、僕にはこの話で思い出すことが一つある。
ずいぶん昔の話になるが、韓国の本を読んでいて
「チョルナム(철남)」という単語に出くわしたことがある。
日本映画関連の文脈の中で使われていたとは思うが、辞典を
見てもさっぱりわからなかった。他ならぬ日本関連の話題が
理解できないなんて、何とももどかしく悔しかったのだが、結局
ほっておくしかなかった。
(ただ、わからなかったことが相当、癪にさわったのか、その単語を
未解読の単語として単語帳にメモし、脳裏に刻みつけた(?)ことが、
後の「執念のなぞとき劇」につながって行くことになった・・・。)
わからなければインターネットで検索を、などという時代の到来など
予想だにできなかった頃の話だ。
しかし、それから数年後、「チョルナム」にまつわる記憶が
僕の中からほとんど消えかけた頃、インターネット上で偶然、
日本映画の「鉄男/TETSUO THE IRON MAN 」(1989)のことを
知った。
そこで、実に数年越しの時を経て初めて、うっすらとよみがえった
未解読の「チョルナム」の記憶と、この「鉄男」が僕の頭の中で
明確に重なったのだ。
何のことはない。「チョルナム(철남)」とは「鉄男」の韓国語
読みだったのである。
日本の映画やドラマ、漫画の韓国語タイトルには、つくづく注意が
必要だ。
--- 「オタク」とは、折に触れて過去の小さなことをほじくり
返しては、一人で納得できてしまう、実に「偏執的な人種」なので
ある。
(終わり)