ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

さよなら柚香光

2024-05-23 07:00:00 | 宝塚コラム

私はそもそも花組には縁がないので・・・といいつつ、明日海りお時代は結構本公演見てたんだなと思う今日この頃。

柚香光は95期。礼真琴や月城かなと、朝美絢などと同期です。

新人公演を見ていないので、本公演で見たものの感想しか書けないのですが。

柚香光は非常に特徴的な顔をした人ですよね。

面長で目が大きくて鼻が高くて、新人の時はちょっとアンバランスな感じがしたものです。

ミーマイ」(2016)のジャッキーはいかにも男役が演じている感じだったけど、この作品で「非常に美人」という事がわかりました。

この人、帝劇とかでブロードウェイミュージカルが似合うんじゃないかなと思った記憶があります。

我が家の姫は「新源氏物語」での六条御息所がとってもお気に召して「柚香光最高」と言ってたような気がしますが。

要するに、新人の頃の柚香光は非常に中性的なので、女役をやっても違和感なく、むしろそっちの方がいいんじゃない?と思わせるくらいのものを持っていたという事です。

その後、本格的に柚香光のかっこよさを知った作品としては「金色の砂漠」(2016)ですね。

 本格的なコスチューム芝居で、悪役。演技や滑舌は全然いいと思わなかったけど、やっぱり見た目のかっこよさとか、コスチュームが似合うって事はよくわかりました。

柚香光の出世作としては「はいからさんが通る」(2017)ですよね。

チケットは即完売。そりゃこのビジュアル見たらもう。

こんなに伊集院少尉が似合う人っているんだなあと思いました。

のちにスカステで見て、ストーリーはともかく曲がよかった事。柚香光らしさが非常によく現れていて、これでファンが倍増。

「柚香光」と少女漫画の相性はよく、後に「花より男子」(2019)でさらにパワーアップします。

 

その後はとんとん拍子に出世して「ポーの一族」(2018)ではアラン・トワイライトを演じました。

へえ、こういういい所のおぼっちゃまも似合うのねと。彼女の育ちを見れば当たり前なんですよね。本当にブルジョア家庭で育った子だったんだなと。

年齢的にどうなの?と思ったけど、明日海りおのエドガーとの相性はよく、違和感がなかったなと。少女漫画が似合う男役がここでも証明されました。

個人的に印象にのこっているのが「CAKANOVA」(2019)です。

学年が上の鳳月杏の夫というだけでなく、非常に面白い悪役を演じてくれて、ここで演技力とか見せ方が開花したような気がします。

 

順風満帆のトップ就任だったけど、2020年のコロナ禍でお披露目の「はいからさんが通る」が休演の事態に。さらに緊急事態宣言が出て、ジェンヌさん達はみな活動休止を余儀なくされ、ファンも非常に悲しみました。

本来なら華やかにトップ生活が広がる筈だったのに、何の因果なんだろうと私自身も考えてしまいました。出版社が公演チケットを抽選で売ってくれる企画もあったけど、そもおじゃんになったし、あの頃は演劇界全ての火が消えたようでした。

スカイステージによる無観客の配信も悲しかったなあ。

でも、実際にこの目で見た時は、正直、涙が止まりませんでした。

待ちに待った宝塚が、華やかな宝塚が戻って来たのだ。

そして柚香光の少尉の姿を見た時は感動しました。

舞台の幕が上がる事が当たり前でないと痛感」したという。そうだよね。本当に。

オケなし、銀橋なし、メンバーも減らされて・・さらに何度かの休演を経て上演を続けるストレス、毎日PCR検査をするストレスが、観客の立場でもそのつらさがわかりました。

そういう意味で「はいからさんが通る」は非常に印象的でした。

 

柚香光と華優希の相性も素晴らしくよかったけど、「元禄バロックロック」(2021)から組み始めた星風まどかとの相性は抜群で、ここらへんから非常に「自由な」柚香光を見るようになったと思います。

 二人のラブラブぶりに何度にやついたかわかりませんが。

ただラブラブというのではなく、柚香の娘役に対するからかいの仕草や、いきなり驚かせたり・・という観客もびっくりのアドリブが非常に素晴らしいのです。

舞台を「庭」のように歩く人・・・それが柚香光です。

一切、段取りをみせず、本当に自然にやってくれるので「自在に空間を操っている」ように見えたのですね。

「巡礼の年」(2022)ではピアノも披露してくれて、本当に芸術家の中で育ったんだなとつくづく感じました。

傲慢さも、傷ついた顔も、自然で生まれながらの才能があるからこそと思わせるところが柚香光の柚香光たるゆえんですね。

また「うたかたの恋」では、今までこんなに泣いたルドルフはいたろうか?という程泣いてて。ちょっとこちらももらい泣きしてしまいました。

鴛鴦歌合戦」では、七五三のような衣装、あまり相手役とラブラブってわけではなかったけど、コメディセンスも発揮。

コメディと言えばブロードウエイミュージカル

Nice work if you can get it」(2021)と「TOP HUT」(2022)の好演も見逃せません。

軽薄な男も柚香光にかかるととっても魅力的になるという所が・・・本当に素晴らしいです。

千秋楽の挨拶なども、非常に個性的で客の心を掴むのが上手だなと本当に思います。

出来ればこのまま男役として外でもブロードウェイミュージカルをやって欲しいくらいですが、やっぱり女性になっちゃうかな。

でもコロナで世界中が最悪の日々を乗り越えて、華やかな宝塚を一番最初に見せてくれた柚香光には本当に感謝しています。

今後、どのような道を行くのかわかりませんが、器用な人だし様々な才能も持っているので何も心配してはおりません。頑張って欲しいと思います。

 

そして星風まどかも。

宙組にいた時は常に「妹」的な役ばかりで、実力の半分も生かされていなかったと思ったものですが、花組に来て生き生きと花が咲いてよかったねと。

演じる力がある人なので、今後も大きな舞台で活躍してくれるといいなと思います。

二人とも、ご卒業おめでとうございます。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする