【技術力だけじゃなくてね】
これは、戦後10年ほどたった時のお話。
とある夫婦は、自分の娘にピアノの才能があるという夢想にかられていた。
その年、ナ○○と親交があったと言われヨーロッパで憂き目に会っていた天才ピアニストが来日コンサートをすることになっていて、ピアノの先生は
「学校を休ませてでも彼の演奏は聴かせる価値があります!」
と熱心にすすめた。
それならばとチケットを入手し、母親と娘は彼のコンサートに来た。
「あなたは彼のような素晴らしいピアニストになるのよ」
と鼻息荒い母に、娘はうんざり。
しかし、老ピアニストの演奏は素晴らしく、娘はすぐに夢中になった。
幕間になると、母が静かに泣いていて娘は驚いた。
「お母さん、どうしたの?」
「このおじいさんに、生きてまた会えることは、ぜったいにないんだって思ったら、悲しくて仕方ないのよ」
~~~
この天才ピアニストの演奏に彼女が泣いたのは、技術だけじゃないと私は思う。
国は違っても同じ時代に、戦争というあまりに辛い現実に耐えたものの心がこもっていて共鳴したんじゃないでしょうか。
ご存命の
「天才!
超絶技巧!」
とはいえないけれどとても人気のある某ピアニストさんも
「傷だらけで壊れた鐘があったって、いいんじゃない」
と自身の演奏について語っておられました。
この人の演奏もまた、苦労してきた歴史が感じ取れるもの。
ファンは無意識かもしれないけどそれに共鳴することで癒されてるんだと思います。
というか、私はそうでした。
超絶技巧ではない。
でも音のひとつぶひとつぶに悲しみや苦しみや、あきらめや優しさが溢れているのです。
誰かが
「癒しは共感ですよ。
共感がなくては何も始まらないのです」
って話してたけど、共感…共鳴…うん、なんかわかるなぁ。
それが全てじゃないとは思うけど、それもある。
逆に技術は高くてもそういうこもったものがないと、なかなか人は
「大好き!!」
にはならないものです。
私の知ってる某歌手さんはとても技術は高くて、絶対音感もちの人たちが聞いても
「音は正確。
楽譜をちゃんと守ってる」
そうです。
でもいまいち人気が出ないんでないんだよね。
それがなんでかと考えると、今は亡き老ピアニストや自称「壊れかけた鐘」ピアニストが自然とこめられる苦難の歴史と豊かな心がこの人にはまだないからじゃないかと。
実際この人は恵まれた環境に生まれ、苦労はあまりなかったようです。
(音楽家は大金持ちの家に生まれた人も多いけど、そんな生まれとつりあわないほどの苦労・苦労・努力・努力でやっと音楽家になる人が多い)
豊かな境遇に生まれたからこそ、才能があるからこそ苦労する人も多いけどたまに苦労せずぽんぽん出世できちゃう人がいるけど、この人はそっち。
とある宝塚の伝説のトップスターさんがかつて
「苦労なく出世してしまった者が受ける苦労は全部経験しました」
と語っていたけど、それもなさそう。
さて、この人の演奏を失礼にも
「香りのしない綺麗な造花」
「味のしないごちそう」
って言ってる人たちがいて、ひどいなぁと思ったけど…言いたいことはわかる。
ごめんね。
鐘でいえば
「傷ひとつない出来たばかりの鐘」
かな。
心も…大きいのよね。
こもってる人は強いんですよ。
CDもテレビもいいけど、生で聞いたらどんなに素晴らしいだろうって人をホールに連れ出す力がある。
人生は長いですから、これからこもっていくかもしれないけど。
私などは凡人なので
「失敗なく、とんとん拍子になんでも上手くいって、労せずして成功して幸せになれたらどんなにいいだろう」
「辛い経験なんてぜっったい嫌!」
と幼い頃は思っていました。
(今でもすすんで苦労はしたくないけど…)
でも、苦労してない人の演奏は香りも味もしないと評されてしまうように、乗り越えたものの良さが一般人にもきっとあると思う。
話するだけでも、深みのある人は癒してくれたり考えさせてくれたりするものね。
苦労もいつか、役に立つ。
生きてれば。
そんな風に考えてみたいものです。
あ、ちなみに。
最初のお話の
「素晴らしいピアニストになるという夢想」
は叶ったかというと、娘さんはピアニストになりませんでした(笑)。
それをずっと娘さんは申し訳なく思っていたそうですが、最近やっと
「父と母は自分が天才ピアニストになりたかったのね。
二人はピアノが好きだったから」
と気づいて心が軽くなったそうだよ。
自分の夢は自分の人生で、ね。
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とある夫婦は、自分の娘にピアノの才能があるという夢想にかられていた。
その年、ナ○○と親交があったと言われヨーロッパで憂き目に会っていた天才ピアニストが来日コンサートをすることになっていて、ピアノの先生は
「学校を休ませてでも彼の演奏は聴かせる価値があります!」
と熱心にすすめた。
それならばとチケットを入手し、母親と娘は彼のコンサートに来た。
「あなたは彼のような素晴らしいピアニストになるのよ」
と鼻息荒い母に、娘はうんざり。
しかし、老ピアニストの演奏は素晴らしく、娘はすぐに夢中になった。
幕間になると、母が静かに泣いていて娘は驚いた。
「お母さん、どうしたの?」
「このおじいさんに、生きてまた会えることは、ぜったいにないんだって思ったら、悲しくて仕方ないのよ」
~~~
この天才ピアニストの演奏に彼女が泣いたのは、技術だけじゃないと私は思う。
国は違っても同じ時代に、戦争というあまりに辛い現実に耐えたものの心がこもっていて共鳴したんじゃないでしょうか。
ご存命の
「天才!
超絶技巧!」
とはいえないけれどとても人気のある某ピアニストさんも
「傷だらけで壊れた鐘があったって、いいんじゃない」
と自身の演奏について語っておられました。
この人の演奏もまた、苦労してきた歴史が感じ取れるもの。
ファンは無意識かもしれないけどそれに共鳴することで癒されてるんだと思います。
というか、私はそうでした。
超絶技巧ではない。
でも音のひとつぶひとつぶに悲しみや苦しみや、あきらめや優しさが溢れているのです。
誰かが
「癒しは共感ですよ。
共感がなくては何も始まらないのです」
って話してたけど、共感…共鳴…うん、なんかわかるなぁ。
それが全てじゃないとは思うけど、それもある。
逆に技術は高くてもそういうこもったものがないと、なかなか人は
「大好き!!」
にはならないものです。
私の知ってる某歌手さんはとても技術は高くて、絶対音感もちの人たちが聞いても
「音は正確。
楽譜をちゃんと守ってる」
そうです。
でもいまいち人気が出ないんでないんだよね。
それがなんでかと考えると、今は亡き老ピアニストや自称「壊れかけた鐘」ピアニストが自然とこめられる苦難の歴史と豊かな心がこの人にはまだないからじゃないかと。
実際この人は恵まれた環境に生まれ、苦労はあまりなかったようです。
(音楽家は大金持ちの家に生まれた人も多いけど、そんな生まれとつりあわないほどの苦労・苦労・努力・努力でやっと音楽家になる人が多い)
豊かな境遇に生まれたからこそ、才能があるからこそ苦労する人も多いけどたまに苦労せずぽんぽん出世できちゃう人がいるけど、この人はそっち。
とある宝塚の伝説のトップスターさんがかつて
「苦労なく出世してしまった者が受ける苦労は全部経験しました」
と語っていたけど、それもなさそう。
さて、この人の演奏を失礼にも
「香りのしない綺麗な造花」
「味のしないごちそう」
って言ってる人たちがいて、ひどいなぁと思ったけど…言いたいことはわかる。
ごめんね。
鐘でいえば
「傷ひとつない出来たばかりの鐘」
かな。
心も…大きいのよね。
こもってる人は強いんですよ。
CDもテレビもいいけど、生で聞いたらどんなに素晴らしいだろうって人をホールに連れ出す力がある。
人生は長いですから、これからこもっていくかもしれないけど。
私などは凡人なので
「失敗なく、とんとん拍子になんでも上手くいって、労せずして成功して幸せになれたらどんなにいいだろう」
「辛い経験なんてぜっったい嫌!」
と幼い頃は思っていました。
(今でもすすんで苦労はしたくないけど…)
でも、苦労してない人の演奏は香りも味もしないと評されてしまうように、乗り越えたものの良さが一般人にもきっとあると思う。
話するだけでも、深みのある人は癒してくれたり考えさせてくれたりするものね。
苦労もいつか、役に立つ。
生きてれば。
そんな風に考えてみたいものです。
あ、ちなみに。
最初のお話の
「素晴らしいピアニストになるという夢想」
は叶ったかというと、娘さんはピアニストになりませんでした(笑)。
それをずっと娘さんは申し訳なく思っていたそうですが、最近やっと
「父と母は自分が天才ピアニストになりたかったのね。
二人はピアノが好きだったから」
と気づいて心が軽くなったそうだよ。
自分の夢は自分の人生で、ね。
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