本日(11/26)、子どもたちに配布した学校便りで紹介したことです。
私の机の上に2枚のコピーがあります。11月24日と25日付の佐賀新聞のコラム「有明抄」のコピーで,どちらも富吉賢太郎氏(佐賀新聞 論説委員長)が書かれたものです。その富吉賢太郎氏には,次の日曜日(11月29日)の山代中日曜参観の日に開催される「山代町青少年健全育成大会」において講演が予定されています。絶妙な「有明抄」の随筆文が好きで,その日にお話を聴けるのを大変楽しみにしています。
さて,24日(火)の「有明抄」の内容は,東井義雄氏のことが書いてあり,私も学校便り30号で紹介したばかりでしたので興味を持ちました。東井義雄氏の言葉が紹介してあります。「仲間をばかにし,さげすみ,いじめている子のほうが,仲間からばかにされ,さげすまれ,いじめられている子よりも病気が重いのだということを,私たち大人が自覚し,子どもたちにも知らせてあげたい。」(『人生の詩』)そして,次のような言葉も,「怠けるということの痛さを知るのは,今のおまえではなく,未来のお前だぞ。」(大阪府 T・H氏)も紹介してあります。なるほど,良い言葉に出会って,ありがたいと感じました。
また,25日(水)の「有明抄」の内容は,先日,亡くなられた日高敏隆氏(京都大名誉教授)のことが取り上げられていました。日高氏は,先週配布した「図書便り」に紹介した「ソロモンの指輪~動物行動学入門」の翻訳者で,動物行動学の第1人者です。その有明抄の一部を紹介します。
『日高さんはある日、ウグイスはなぜ「ホー、ホケキョ」と鳴くのかと思った。そこでウグイスのひなを音のしない飼育箱で育てた。しかし、どんなに成長しても「ジッ、ジッ」としか鳴かない。そのウグイスに「ホー、ホケキョ」と親鳥の鳴き声を吹き込んだテープを聴かせると「ホー、ホケキョ」と鳴くようになった。日高さんは「ウグイスは鳴き声を学習するんだ」。それではウグイスに「カー、カー」とカラスの鳴き声を教えたらどうなるか。別のウグイスにカラスの鳴き声のテープを聴かせてみた。ところが、まったく興味を示さず「ジッ、ジッ」と地鳴きしかしない。「こいつは学習意欲のないやつだ」と思いながらウグイスの鳴き声を聴かせた。すると「ホー、ホケキョ」と鳴けるではないか。「結局、ウグイスはウグイスになる」。これが日高さんの結論だ。「ウグイスはウグイスになる。カラスはカラスになる。ところが人間は違う。オオカミから育てられたら,けだものにもなるのが人間である」。自然の不思議な営みの中から人の育ちにとって環境がいかに大切か・・・。』
以下,変な結末になってしまいますが・・・最近,思っていることがあります。・・・触発される,感化される・・・上手く表現ができないのですが,この便りで紹介した言葉や話,寝る前に読む本・・・出会うたくさんの人達,インターネット上で見つけた一言・・・,そして,山代に来たこと・・・,が自分を変化させてくれているような・・・,進化(おこがましいですが・・・)させてくれているような気がします。昔から「大人になりきる。」のではなく,「大人になり続ける。大人ing。」ことが大切と思っていましたから,変われる自分がうれしく思えてきます。
<参考にした記事:佐賀新聞コラム「有明抄」(平成21年11月24日・11月25日)の一部を引用しています。>
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