校庭を歩いてみますと桜のつぼみも少しずつ大きくなり、菜の花やオオイヌノフグリなどの花も咲き始め、春が近いのを感じさせます。
中学校時代というのは、体が大きくなり、体つきも男らしく、女らしく変化してきます。それにともない心も大きく変化していきます。学年末を迎え、特に、3 年生は、受験・卒業と・・・心理面において不安定になりがちです。こういう時期だからこそ、一人一人の生徒が心を引き締めてほしいと思っています。
さて、子どもの頃、自分自身が悪さをしなかったか・・・ルールを破ったことがなかったか・・・というと、たとえば、仏壇の前に置いてあったチーンとする道具、おもしろがって叩いていますと棒がポキッと折れてしまい、誰がしたか分からないように仏壇に供えてあったご飯粒でくっつけて・・・。
西有田の親戚の家で、高校生の従兄が大事にしていたモデルガンを黙って持ち出して遊んでいると突然バチッと壊れてしまい、部屋にそ~っと返して・・・。
塾の先生からギターを教えてもらい始めたある日、留守中に先生の家に忍び込んでギターを弾いていると弦がブチッと切れてしまい、そのままギターをケースになおして・・・等々、いろいろあったように憶えています。
しかし、なぜか分からないのですが、そのようないたずらや悪さは、ことごとく見つかり、両親や学校の先生、地域の人・・・など、思い起こせば、いろいろな大人から、ゲンコツをもらい、きつく叱られました。そのことで、やって良いことと、やって悪いこと・・・善悪の区別ができるようになり、物事の対処法も身に付いたように思います。
見つからなかったら、悪さをしても良い、ルールを破っても良い・・・と思っている人はいませんか?ある死刑囚の話を思い出します。
「死刑当日の朝、死刑囚が独房から出て死刑場に向かう前に、神父さんのはからいで母親が面会に来ます。周囲の人が見守る中、死刑囚が母親に近づいていきます。母親にお別れの言葉でも言うのだろうと見ていますと・・・、死刑囚は、突然、母親の耳にガブッと噛みつき、『なぜあの時、必死になって俺を叱ってくれなかったんだッ。』と、涙ながらに叫びます。悪さをしても見つからず、叱ってもらえなかったから・・・、とうとう・・・。」
失敗したり、間違ったり、その都度、叱られ、注意されたりしながら大人になっていきます。中学生の皆さんは、もう一歩も二歩も大人に近づいています。その行為が大切な人に迷惑をかけることになったり、ひいては大切な自分自信の「誇り」を傷つけてしまわないか、気づかなくてはいけません。
学年末、次へのステップのために、この1 年間の生活をしっかり振り返ってほしいと思います。
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