後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「戦後の米軍占領で日本は激変、アイヌの集落も消滅」

2024年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム
1945年の日本の敗戦は日本人の価値感を根底から変革しました。男女平等の民主主義が社会構造をすっかり変えてしまったのです。戦後の米軍占領で日本は激変したのです。
今日は激変の一つの例として北海道のアイヌ集落の消滅をご紹介したいと思います。アイヌ集落 への差別が無くなったのです。
戦後は自由と平等の思想の普及しました。その結果アイヌ民族は次第に和人と結婚してアイヌの集落 から出て行きました。アイヌ民族の東北地方への移住も進みました。
こうして北海道に数多くあったアイヌ部落は一つ一つと消えて行ったのす。
ですから私は戦後の米軍占領でアイヌの集落 は消滅したと考えています。それは一つの戦後の歴史なのです。
私はこの問題に強い関心を持ち続けています。理由は私には移住して来たアイヌ人の少年と親しい友人になったからです。少年の頃の楽しい思い出は生涯忘れられないのです。
北海道に旅をするとあちこちにアイヌ民族の博物館があります。日高の平取や白老、そして旭川の郊外などにも民族博物館があります。アイヌ村落を復元した展示もあります。北海道大学の付属植物園の中にある博物館にはアイヌ民族関連の数多くの展示物もあります。函館市にもアイヌ文化を展示した博物館もあります。
北海道には第二次大戦の終戦までアイヌ人達だけの村落があちこちにあったのです。戦後、アイヌ人だけの村落は次第に消えて行きます。
明治から昭和20年の終戦までの日本の政策によって、アイヌ人は土地を奪われ、狩猟を禁止され、川を遡るサケを捕ることさえも禁じられたのです。アイヌの集落 は困窮していました。
そして終戦後に、北海道のアイヌ人たちの一部は東北地方の開拓地に移住して来たのです。
私は仙台市に生まれ育ちました。そこへもアイヌ人一家が移住して来たのです。私はそのアイヌ人の一家の少年と仲良くなったのです。
仲良くなったのですが、ある時フッと消えてしまいました。二度と会えません。
1番目の写真は1904年に撮った北海道のアイヌの人々の写真です。
私の付き合っていたアイヌ一家の夫はこの写真の右から3人目のような風貌でした。

さてアイヌ民族は美しい文学作品も持っています。例えば「アイヌ神謡集」もその一つです。知里幸恵著、『梟の神の自ら歌った謡』をご覧ください。

詳しくは、http://www.aozora.gr.jp/cards/001529/files/44909_29558.html をご覧下さい。
「アイヌ神謡集」を読むと、彼等が豊かな自然とともに幸せに暮らしていたことに感動します。フクロウやいろいろな神々をうやまい、家族を大切にし、心豊かに生活していたのです。

北海道は本州以南とは違った独自の歴史を持っているです。
旧石器時代から縄文時代までは北海道の歴史は本州とほぼ同じでしたが、その後の本州の弥生時代や古墳時代は北海道には存在しません。
その代わり、続縄文時代が本州での古墳時代の頃まで続いたのです。
その後は北海道のオホーツク沿岸地方はオホーツク文化時代とそれ以外の中部と南部の北海道では擦文文化時代が鎌倉時代のはじめまで続いたのです。

擦文文化時代とは、その時代の土器に筆で擦ったような模様がついていたのでそのような名がついています。
そして鎌倉時代の始めからは独自のアイヌ文化が成立し、そのアイヌ文化時代が明治維新まで続いたのです。
狭い意味でアイヌ民族と呼ぶのは、この鎌倉時代から明治維新まで続いた独特な文化の担い手の人々の事です。
広い意味でのアイヌ人とは旧石器時代から縄文時代まで北海道や本州にいた先住民族を意味します。

そのような特異な北海道の歴史については北海道教育委員会のHPで明快に説明してあります。そのURLは、http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/bnh/maizou.htm です。

今日は戦後の米軍占領でアイヌの集落 は消滅したという戦後史をご紹介し、さらにアイヌ民族の文化と北海道の歴史を書きました。

挿絵代わりにもう2枚のアイヌ民族の写真を添付します。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)







1 コメント

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Unknown (mizumoe19)
2021-08-24 11:24:17
貴重なご体験をされましたね。小数民族が世界には沢山いますが、いつも多数優先の世の中で寂しそう想いがします。特にコロンブスか新大陸を発見したと、学校で学びましたが、よくよく考えてみれば、それは白人中心の考え方で、新大陸にはもともと、インデアンが住んでいたわけですから、もっと、白人は謙虚にならなくてはと思うんですです。
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