上の写真のように快調にセイリングを楽しんでいました。しかしその直後凄く怖い経験をしたのです。
下の写真にある太陽の下にある黒雲がいけません。こういう雲が急に発生するときは上空に寒気があり、空気が激しく上下し凄い突風が吹くのです。
一緒に乗っていたTZさんはディンギーを持っているベテランです。少し怖い雲でしたがそのまま走っていました。と、突然の凄い突風です。船の甲板に水が上がり、横転しそうになりました。舵は浮いてしまい。舵が効きません。船がほぼ横転して止まっています。凄い風が前の帆と主帆をバタバタと水面に打ちつけるように叩いています。
下の写真が我々のパニックぶりを表しています。
こんな経験は20年ぶりです。その後、理屈通りに仕事をしました。
まず前の帆と主帆の裾のロープを緩め、帆に当たる風の力を殺します。すると横転しそうに傾いていた船体が起き上がります。すかさずエンジンをかけます。次に前帆を巻き取ります。大きく揺れる船上での巻き上げには大変で時間がかかります。やっと巻き上げたところで、すぐに主帆を下ろしにかかります。まだ52歳のTZさんがマストへ走り寄っていきなり主帆の裾を力一杯引きます。これで意外に短時間で主帆がおりました。TZさんのお手柄でした。さて後は5馬力のジーゼルエンジンを頼りに帰るわけですが、それが大変です。帰港する港の方角から突風が吹き、白い牙をむいた大波が真正面か襲います。船首にドシン、ドシンと砕ける波のしぶきが2人の顔に降り注げます。舵を握ったTZさんが辛そうにしています。向かい風と波のおかげで速度が半分位になっています。長い、長い一時間が過ぎ、やっと港の口に入りました。下に御世話になったエンジンの写真を掲載して感謝します。
それにしても昔の帆船はエンジンが無かったのです。その状態を想像しながら自分の軟弱ぶりを笑いながら車で帰ってきました。おやすみなさい。