後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

規模壮大な拝島大師、そして日本の寺院制への疑問

2016年07月12日 | 日記・エッセイ・コラム
都下、旧北多摩郡の拝島は家内の祖母の出身地であり、そこには拝島大師という天台宗の古刹がありました。明治の女性だった祖母は年老いても全ての家事をきちんとする賢い人でした。その祖母が拝島大師のことを話していたので、1963年頃に参拝に行ったことがあります。あれから茫々50年、一昨日、久しぶりに独りで訪問してみました。
驚いたことに昔行ったときの古色蒼然とした本堂がすっかり立て直され規模壮大なお寺になっていました。奥の方には立派なニ重の塔、多宝塔まで建っています。
今日はまず写真で現在の拝島大師をご紹介いたします。
そしてそれに関連しながら日本の寺院制度に対する2つの疑問を書いてみたいと思います。
一つの疑問は仏教信仰の仕方にたいする疑問です。二つ目の疑問は世の批判を浴びている高額な戒名料や墓地売買の背景に対する疑問です。

1番目の写真は本堂の西側から撮った写真です。本堂は前部と後部の二つから構成されていてその規模は壮大でかつ重厚です。

2番目の写真は奥の本堂の甍と金色に輝く鴟尾(しび)の写真です。

3番目の写真は多宝塔の写真です。
このような写真で示した規模の大きな寺院は東京の都下には珍しいものです。
私は寺院が好きでドライブの時見かけるとよく車を停めて境内を散歩します。
カトリックの洗礼を受けていますが、お釈迦様の教えも好きでなので境内を散歩しながらいろいろな事を思い出すのです。
さて第一の疑問です。
この拝島大師のご本尊様は比叡山延暦寺の中興の祖として知られる良源(元三大師、慈恵大師)を本尊として祀っています。

帰宅して拝島大師のことを調べました。そしたらHPには以下のように書いてあるのです。
・・・拝島大師の元三・慈恵大師の正体は如意輪観音ですので、大師の力を念じ、信仰することで皆さまの苦境はたちまち乗り越えることができるのです。朝に暮れに観世音を念じる。その一念はすべて我々の心、煩悩に汚れた迷いの心から起こる。一念一念はいつも我等の心を離れない。いつも観音さまを心に念じ、無事に暮らしたいと願います。お大師さまが観音さまの生まれ変わりであることが了解されます。・・・

このHPにはお釈迦様のことが一切書いてありません。それどころか慈恵大師のことが長々と饒舌に書いてあるのです。(http://haijimadaishi.com/haijimadaishi/)
私がかねがね疑問に思っていたことは、「何故日本の寺院はご本尊だけを重視し、お釈迦様の教えを書かないのだろうか?」ということです。勿論、例外はありますが、多くの寺院はご本尊様への信仰を薦めていますが、お釈迦様への直接的な信仰に言及していません。
このことを私は不思議に思っています。

私は「自分の弟子はつくるな。お釈迦様の弟子を作れ」ということが大切だと思っています。日本の寺院はご本尊さまの弟子を作ることに熱心過ぎるように感じています。
誰方か、この疑問を解消して下さるようにお願いいたします。

さて第二の疑問は高額な戒名料や墓地の売買問題です。
日本の寺の数は約7万位あります。
しかしその大部分は財政難で苦しんでいると言われています。
この7万のお寺を大胆に二分すると金持ちの宗派に属するお寺と貧乏な宗派に属するお寺があります。
金持ちの宗派の例は高野山の真言宗と比叡山の天台宗です。そして鎌倉仏教では日蓮宗です。
拝島大師は天台宗なので規模壮大にお寺を再建出来たようです。
そして経済的に苦しい多くのお寺は、存続のために財政難で苦しんでいます。その一番大きな原因は以前の檀家がお墓を自宅に近い便利な墓苑へ引っ越すからです。昔のお墓を放棄して散骨や樹林葬にするからお寺の収入が激減しているのです。従って戒名料と残った墓地の売買で住職の生活を支えなければなりません。
この問題は以前にも何度か書きましたので今回はこのへんで止めます。
私の第二の疑問は経済的に困っている末寺の経営努力を宗派の本部が指導し、支援しているのかという疑問です。本部は支援するどころか末寺に上納金を徴収しているのではないでしょうか?
宗教法人とは言え、健全な財政にするための経営コンサルタントへ依頼しているのでしょうか?どうも経営の素人の住職さんが非常識な戒名料や墓地売買だけに頼って顰蹙を浴びているように思います。
私の第二の疑問は財政難のお寺の宗派の本部の行っている経営努力へ対する疑問です。
どなたかご存知の方がお教え下されば幸いです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

4番目の写真は本堂の前の左右に並んでいるお堂の写真です。

5番目の写真は参拝者が本堂のほうへ登っていく入り口です。護摩供祈願が大きな収入になっているのでしょうか。

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