レンヌのグルメなカップルにお世話になってモン・サン・ミッシェルへ行く途中の話の続きである。
サンマロの見学を終え、モン・サン・ミッシェルへ行く途中、カンカールという牡蠣の養殖場で有名なところも寄った。ここには東京にも出店しているというクレープの店もあったが、時間の都合上割愛した。
車で走りに走り、やがてモン・サン・ミッシェルが遠望できるところまでに来てその姿の美しさに感動した。
やはり、ここにきて良かった。
モン・サン・ミッシェルの登り始めは土産品やオムレツの店などが両脇にぎっしり並んでいるが、やがて寺院の領域に入ると店は無くなり、これはかなり高さのある大きな寺院と言うことが判る。
牢獄に使われたこともあるらしい。
四方を海に囲まれたこの寺院は監獄にうってつけだ。
「岩窟王」の話を思い出した。
上に上り、下を見下ろすと、私達が来た方とは違う方向から海の浅瀬を歩いてこの寺院に来ようと
する一団が見えた。
同行したマダムは、「今度はあの人たちのように海を歩いてこの教会に来よう。」と言った。私も今度来るときはそうしたいなと思った。
しかしある事情によって、このマダムのこの言葉は今も胸に仕舞ったままだ。
現在、これが実現される可能性は、ほとんどなくなってしまった。
このことについては、2009年の再訪問の時に述べなくてはならない。
名物のオムレツは食べなかった(高すぎるし、それほどの価値を感じない。)が、ガレットやクレープを食べた。クレープが小麦粉で出来ているのに対し、ガレットはそば粉で出来ているというわけだ。
これがクレープ
これがガレット
店に入りガレットを食べ終わり、出ようとした時、別の日本人夫妻がやってきたが、店はもう店じまいだと、その客を追い払ってしまった。
「信じられない。」と私に同行したマダムは店の対応に怒っていた。
じっとしていても客はやって来る観光地とはこのようなものだ。
観光地なら、日本でもありうる話である。
さて私はモン・サン・ミッシェルの日没を見たかったので、ホテルを島の対岸側に予約していた。
ここで夕食をお礼にお返ししようと思ったが、遠いので早く帰らないといけないからという夫妻に、無理強いするわけもいかず、そこで二人の帰る車を見送った。もちろん再会を約束した。
モン・サン・ミッシェルの向こうに沈む夕日は綺麗だったし、夕食にうさぎ料理を食べた。
富士山と同じように、どうやらモン・サン・ミッシェルも遠くから眺めるのがいいようだ。その遠望は神秘的で、世界遺産なのも納得である。
モン・サン・ミッシェルは、日本語に訳せば「聖ミッシェル(大天使ミカエル)の山」というところか。
TGVでパリのモンパルナスの駅に帰ってきたとき、「大人の人間のミッシェル」さんが迎えに来てくれていたことは、先に書いたとおりである。