フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

カテゴリーの説明

カテゴリーは居住地によって分けています

私の名はセリーヌ、あのブランドと同じ

2011年07月02日 | パリ郊外

が奈良に滞在中に、京都駅で会った同じフランスの日本語教室に通っていた女性が宿泊先の京都からやってきた。

 

彼女は黒人だった。

彼と共に東大寺、春日大社、奈良公園を案内した。他の多くのフランス人と同じく、鹿にせんべいをやって大層喜んでいた。

女性らしく買い物も好きで、奈良には大きなデパートはないけれど、それでもあるところで、パラソルを買って喜んでいた。

 

日本人は日焼けを嫌い、女性はパラソルをさすが、フランス人は日傘を使わない。

だから彼女にとって日本人が日傘をさしているのは印象深く、真似したくなったみたいだ。

 

また、リサイクルショップで着物を懸命に選び、3枚も買った。

日本の食べ物の内ではエビのてんぷらが、大好きらしい。

 

この日のうちに彼女はJRパスを使って、一人京都に帰って行った。

私やそのフランス人の彼との別れを名残惜しそうにしていたが、きりがない。

そう思ったのだろう。彼女はくるりと背を向け見送る私達を振り向くことなく、すたすたと歩いて行った。

彼に「彼女は振り返らないね」と言うと、「振り返ると悲しくなるからだろう。ほんとはさみしいんだよ」と言った。さてどうだったのであろう?

振り返らないのはフランス人の特徴で、他の人でも多く体験しているが、その心理は「振り返ると悲しくなるから」だろうか?

まだ解けない謎である。

 

彼女には奈良で写した写真やビデオをCDに入れて送ってあげた。

 

ところが返事が来ないのである。

少しさみしい気持ちで、この縁はもう続かないのかなと半分諦めていた。

 

しかしその二年後彼が両親とやってきた時、「彼女から預かってきたよ」とお菓子とチョコレートの包みをいただいた。

そうしばしばパリでも彼等は会う機会があるわけではないだろうが、こうして私へのお土産をことづけてくれ、忘れてなどいなかったことが本当にうれしく思えた小さなサプライズであった。

 

彼女は決して裕福な環境ではないと思う。

ひょっとしてパソコンを持っていないかもしれない。

だからそうそう簡単にメールなど出来ないかもしれない。

 

でもまだ私と彼女は、この彼を通じて結びついていると実感したのだった。

またいつか会えるかもしれない。

 


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