ある日、京都駅のオープンカフェで休憩していたら、隣のテーブルに外人の家族がやってきた。
両親と、娘さんの3人だった。
フランス語を話しているのを聞いているうちに、自然にボンジュールとなった。
当時息子さんが、マネジメントを名古屋のどこかのビジネス・スクールで勉強中らしく、
この機会に両親と娘さんが来日し、観光旅行をしているとのこと。
フランス東部のブザンソンの近くのAmanceyという所に住んでいるとのことだ。
スイスに近い。
この人たちの名前を聞いてドキッとした。
「○○○ ドゥ ボルド」 というとのことだ。
フランス人の名前に「ドゥ」がつくと、貴族の出身ということになる.
例えばドゥゴール将軍は貴族の出身で、「ゴール家の」という意味だそうだ。
この他やはりジスカール デスタン大統領は、デスタンが「ドゥ」と「エスタン」が合わさったものだそうだ。(エスタン家のということで、これは母親が貴族の出身で、その姓を絶やさないため、ジスカールという父親の姓と二つの姓を併せた稀なケースである。)
だからこの人たちの「ドゥ ボルド」が 「ボルド家の」ということになれば、貴族出身ということになる。
で、恐る恐る聞いてみた。
そうすると貴族の出身ではないとの答えが返ってきた。
ドゥがついているのに、なぜ違うのか判らないが、そういうケースもあるらしい。
帰国した彼等から、家の写真が送られてきた。
とても広い敷地に、小さな三角屋根の可愛らしい家が写っていた。
家に招待すると言ってくれたので、一度行ってみたくて計画をした。
ちょうどブルゴーニュに行く予定もあり、その前に二泊させていただくことになったのだが、直前になって先方に不都合が起こり、予定の変更を余儀なくされた。
この時ブルゴーニュのムッシュは「私達がその分まで大歓迎をするから」と言ってくれた。
それ以来、残念ながらまだ訪れる機会はない。
フランスはまだあちこち行ってみたいところがあり、この家族のところに行くのはいつになるだろう?
この人達へ私が付けたニックネームは「ドゥさん」である。
ドゥさん、ドピルパン、エスカレーターはほぼ直線上100km圏に位置した場所に住んでいるので、いっそ一緒に訪問してみるのもいいかもしれない。