フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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彼に教えてもらった「吉田初三郎」

2011年07月10日 | パリ郊外

そのムッシュについて、やがて面白いことが分かった。

それは日本の骨董品(主として紙のもの)のコレクションに凝っている事だった。

古い絵葉書、絵地図などであり、浮世絵は含まれていない。

 

彼は日本に来れば京都に滞在し、東寺や、北の天満宮の骨董市に出かけて行くし、フランスでもネットでお目当てのものを結構リーズナブルに手に入れている。

 

私は彼から「吉田初三郎」の鳥瞰図と言うものを教えてもらった。

既にブームはピークを過ぎた頃だったが、それまで私は知らなかった。

昭和天皇が皇太子時代に、「吉田初三郎」の絵を褒められたことから発奮したとのことだった。

私も彼につられてこのコレクションに手を突っ込んでしまった。

              

                  

この「吉田初三郎」の鳥瞰図も結構外国に出回っているらしく、同じものが2枚手に入ったからと、1枚彼から送ってきてくれたりした。

そんなに保存状態が悪い物でなく、市で買ってもかなりするだろうと思われるものだった。

(そのほか天王寺の古書市や、奈良の骨とう品店で見つけて買って小休止している間に、私は飽きてしまった)

 

 

彼が奈良に来た時も大仏殿の案内などしたが、その後たまたま立ち寄った骨とう品店で、彼はいろいろ買った。

その内覚えているのは、ある昔の日本の客船のディナーのメニュー書きで、店を出てからその買ったものの説明をしてくれた。

いかに珍しい物であるか良く理解していて、店主の説明をはるかに超える知識だった。

 

そのあと奈良ホテルに連れて行ったら、2階に「吉田初三郎」の奈良の鳥瞰図が額に入れて飾ってあり、彼は喜んだ。(あれは原画かもしれない)

 

また2階の一室に奈良ホテルの歴史などが展示してあり、奈良ホテル発行の戦前の絵葉書など興味深く見ていた。

 

彼は鳥瞰図だけではなしに、京の舞妓などの和紙の版画や古い絵葉書なども集めている。

 

もともとの版元が京都にあり、その版元でも、もう刷っていない版画が有る。

これらはやはり京都の骨董市や古書市に出てくることが多いようだ。

 

神社仏閣だけでなく、このようなことで京都に魅せられているフランス人も多い。

骨董市で良くフランス語を耳にするし、タッチの差で若いフランス人にお雛様の描かれた抹茶茶碗を買われてしまったこともある。

 

手ごろな値段で良い物を見つける彼らの鑑識眼もなかなかのものである。

 

ある古い絵葉書の収集がまた彼を京都に結びつける具体的な強い原因になるのだが、それは次の機会に述べる。

 


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