フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

ヨットの「カツラ」号に愛犬の「ベップ」

2011年06月11日 | ブルターニュ

このムッシュとはインターネットで知り合った。

 

彼は日本の有名大手電機メーカーのフランス法人に勤めている。(職場の同僚のマダムも彼の紹介でのちに来日する)

従って、当然仕事で日本に来たことがあり、日本が大好きだった。 

 

ある時奥さんと一緒に遊びで日本にやってきて、あちこち旅行した。 

またムッシュは以前京都の桂離宮に行き、大変気に入った。

そこで彼は持っている自分のヨットに「KATSURA」と命名してしまった。

 

奥さんに桂離宮を見せたくて、予約を取っておいてほしいと依頼のメールが来たので、予約を宮内庁京都御所で取り、彼らと見学した。

外国人の予約には「外人枠」があり、彼らの通訳として日本人もそれに便乗できるのだ。

 

その桂離宮が良かったのか、見学を終えたころに、奥さんは言った。「あなたのフランス語の先生は、近しい間柄になった時使う、二人称を教えなかったのか?」

それからは親しい間柄のみに用いる二人称(TU チュ)を奥さんとお互いに使うようになった。

 

奥さんはこう言ってはなんだが、とても「良い体格」をした人であった。

明るくよく笑い、また気持ちは優しく、面白い人だった。

グルメの二人だから、自然と「体格が良くなる」のは仕方がない。

 

和食好きな二人との夕食の後、カラオケに誘ったところ、歌と踊りが大好きなカップルは、躊躇せず、「ウイ、ウイ」だ。

カラオケも今や立派な日本の文化である。

フランスの曲は少ないけれど、ビートルズの歌なんかもOKだ。

 

カラオケの後で親密度がさらにぐんと増した。

帰りに奥さんは「日本人とこんなに近しく感じたのは初めてだ」と言った。 

たぶん今までは、ムッシュの会社関係の知り合いの日本人が多かったので、どちらかというとムッシュの友人であったのだろう。

初めて自分の友達ができたという感じの喜び方だった。

 

彼らのこの時の印象は、二人はいつも手を繋ぎ、本当に幸せそうな息の合ったカップルだった。

二週間後のフランスでの再会を約束して別れた。

 

帰国後の報告では、その後、九州の別府温泉や黒川温泉まで行ったということで、写真が送られてきた。二人がくつろいで湯船につかる姿だった。

別府温泉には以前ムッシュだけが行ったことがあり、温泉が大層気に入り、今回も選んだのだった。

聞けば何とびっくり、この旅行に先立ち、レンヌの自宅に飼っている犬に「BEPPU」という名をつけてやってきたという。

             

 シラク大統領が、愛犬に「SUMOU」と名付けたのと同じだ。

 フランス人はこのように時々好きなものに日本の名前をつける。日本人も外来語の名前を付けたりするので同じ感覚なのだが、フランス人の場合、親日度の高いフランス人と思えるのである。

 



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