フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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フランス人の顔をした、ドイツ人

2014年01月24日 | パリ郊外

11月になって、食いしん坊のクリスチャンの奥さん(ジョエル)の友人が、世界を旅するということで、紹介されやってきた。セリーヌと言う女性だ。 

彼女は、「コーチ・サーフィン」という制度を利用して、各国を旅していた。基本的にそういう登録者のところでは、無料で宿泊が提供されるそうだ。

日本ではあまり知られていないので、登録者は少ないと言っていたが、私も初めて聞くシステムだった。 

彼女が京都から奈良にやってきたとき、その「コーチサーフィン」で知り合ったドイツ人も一緒に泊めてもらえるか?という。北海道にいたとき、彼がカードでお金を引き出せないので貸すことにしたのが、JRパスを持っているから、それを乗り継いで来るから、ここへの到着が夜中になるという。

こういう時、フランスではなんというのだろう。「Quelle aventure!!」(なんという冒険)とでもいうのだろうか、来る方も、またそれを受け入れようとする私も?

ジェエルの友人なので、彼女を信頼してOKした。

私が眠っているうちにやってきた客人は、朝遅く起きてきた。顔を見ると、安心できた。

彼らは英仏チャンポンで、会話をする。どうやら、ドイツ人はフランスの悪口を言っているらしい。

私は黙って聞いていたが、最後に言ってやった。「でもあなたの顔はフランス人みたいね」と。(笑)すると彼は「そうなんだ。それが僕の欠点だ」と、大笑い。 

このドイツ人は、どうやら、国連に勤めていたらしいのだが、どういうわけか、今は世界をさすらっているようだった。

彼は、原発事故やその食べ物への影響などにも関心があり、私に質問をしてきた。分かる範囲で答えたが、彼はそのことで、「なんて、正直なんだ。今までそういう答えを日本人から聞いたことがなかった。」と言った。 

そういう彼は、菜食主義者で、食べるものも制限される。

セりーヌをJR奈良駅に初めて迎えに行ったとき、「サブウェイはないか?」と聞かれたのが始めは分からなくて、「奈良には地下鉄はない。」と答えていたのだった。

良く聞くと、「サブウェイ」というファーストフードのお店のことだった。そこではヴェジタリアンの人も食べられるマヨネーズぬき、野菜だけというアレンジができるのだそうだ。 

その彼のために夕食は野菜だけのお鍋を用意したことで、彼はたいそう喜んでくれたのだった。

その後、アジアを旅して彼だけ日本に戻ってきたとき、「また泊めてほしい」と言われたのだが、あいにく先客があり、それは断ることになった。 

しかし昨年春、セリーヌが叔父さんを連れて日本にやってきて、我が家に滞在した。その叔父さんとは、また楽しいエピソードがあるのだが、それはまた別の機会にしたい。

 


アンリ・モルガンの最後の来日

2014年01月05日 | パリ9区

まだ残暑の残る9月の初めに、5回目の来日をしたのがアンリ・モルガンだ。 

今回の目的の一つは、神戸牛を食べることだった。

前年は、病後(胃がん治療後)でやつれた感じがしたが、今回は治療や薬が効いていたのか、いつものように京都駅で迎えたとき、元気そうに見えた。

彼のお気に入りの東洋亭でランチの後、京都観光は三十三間堂を選んだ。 

翌日の神戸で、彼のスカイプでの日本語の先生に会うこと、これも彼の願いだった。

フランス人、特に彼のような高齢の方はなかなか厳しい目を持っているが、彼が選んだ先生は、若くてかわいく(これ大事、笑)、とても感じが良くて、しっかりした先生で、彼女のフィアンセもまた同様の好青年であった。 

彼女が予約してくれたお店で、念願の神戸牛ステーキを、本当においしそうに食べていたのが思い出される。

ワインはその前年から、水を足して飲む。病気のせいであるが、それでもワインは欠かせない。もちろん赤だ。

「素晴らしい、なんてやわらかくて美味しいんだ。」と喜び、彼はこの時のランチを皆にご馳走してくれたのだった。 

そして、あまり歩けないので、バスを使ってメリケン波止場に行った。

帰りは神戸のデパートで、仕事仲間が大好きだという泡盛をお土産に買って奈良に戻った。 

明くる日、京都まで送りに行き、京都タワーのレストランで、ランチをしたが、彼はとても嬉しそうだった。

まさか、これが最後の来日になるとは、私はもちろん、彼もまた思いもしなかったことだろう。 

今でも京都へ行き、東洋亭や京都タワーを見ると、この時のことが思い出されるのである。 

しかし、彼が作ってくれた縁はしっかりとつながっていて、彼の東京での定宿であったKさん夫婦宅を訪ねてお世話になり、また昨秋は拙宅への訪問も実現した。

若い日本語の先生ともメールで近況を知らせ合っている。

ボルドーに住む彼の姪からは、名物のカヌレが毎年届き、彼が最後に連れて行ってくれたボルドーでの数日間の滞在を、事あるごとに思い出すのである。


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