フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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「あなたは幸せだね」、「そうなんだ。でも妻には内緒!」

2011年10月30日 | ブルゴーニュ

いよいよブルゴーニュの最後の日が来た。 

 

最終日にかかわらず、ムッシュの計画はちゃんと用意されていて、午前中に、ワインを作るため収穫したブドウを絞るのに昔使われていた古い工場の見学に連れて行ってくれた。

 

                                  

 

予約してあったらしく、やがて係の人が鍵を開けてくれた木造の大きな建物の中には、相当大仕掛けの搾り機があった。今は使われていないがかつては大活躍したに違いない。

 

           

 

                                

 

この係の青年は朴訥として、いかにも人がよさそうで、ポスターやビデオも頂いて、ムッシュもこの青年に好感を持ったようだ。

 

モーターなどの動力のない時代に人力で搾ったのだ。ブドウの収穫期に大勢の人がここでにぎやかに働いていたのだろう。

 

見学を終ると一旦家に帰り、マダムの手作りの最後のランチとなった。カモをメインにしたものだった。

この家に世話になって3泊したわけだが、外食もさることながら美味しい家庭料理の御馳走をお腹に一杯食べて、かなり太ってきたことは明らかであった。 

 

                                       

 

                                     

 

                                  

 

マダムは料理上手である。家庭のことはすべてお任せの専業主婦の鑑のような人でムッシュに「あなたは幸せだね」と、いうと「そうなんだ。でも(私がそう言ったことは)妻には内緒だよ!」と笑った。

亭主関白のムッシュだから、いつも偉そうにしているが、奥さんの良さはよくわかっているようだ。さらに言うと、このマダムでないとこのムッシュの奥さんは務まらないと思う。

 

やがて列車の時刻も迫り、駅まで二人で送ってくれた。その途中私が気に入ったこの地方の特産のラム酒漬の葡萄が周りについたチーズを買うため、スーパーによってくれた。私は列車の出発時刻が迫ってきたので少々心配だったが、ムッシュは少しも慌てない。

私が乗る車両はどこかと焦ったら、「大丈夫だ。掲示板で確認しているよ」と言う。そうだった!!彼はこのSNCF(国鉄)で勤めていたのだ。

彼はそのおかげで無料パスなる物があり、パリにはしょっちゅう行けるらしい。

 

そうしてようやく駅に到着し、ぎりぎりに乗車できた。やれやれである。二人は乗車口の所で並んで手を振ってくれた。本当にお世話になった。そのもてなしは完ぺきだったし、いろんなことを教えてくれた。有難う。また会いましょう。   

 

     

 

列車はパリに向け走っていく。しかし実は、その日の内にブルターニュに出発すると言う強行スケジュールが待っているのだった。当初希望していたあくる日のブルターニュ行の列車の席が取れず、仕方なくこうしたのだった。今乗っているこの列車はパリ・リヨン駅に着くが、ブルターニュへはモンパルナス駅発となっていて、ややこしい。とりあえず一旦タクシーでパリの友人宅へ戻り、一息つき、荷物の用意をしなくてはいけない。

 

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壁を作ってワインを守ったんだよ!

2011年10月27日 | ブルゴーニュ

ボリューム満点のランチの後はいよいよご当地のメイン、ワインカーブへ連れて行ってくれた。

 

地下にはそれはそれは年代物のワインが並んでいた。埃やクモの巣が着いていて古さを強調している。

 

                              

 

                              

そこで私は案内の人に聞いた。「第二次世界大戦中、このワインはドイツ軍からどうして守ったんですか?」

 

彼は答えた、「いい質問だ。ここにこう壁を作って、閉じ込めて隠したんだよ。よそでは見つかってしまったものもあったがね。」なるほど。

 

光線を下から当ててワインの色を見るところもあった。先日ムッシュがレストランでやって見せてくれたことと同じことだと思い出した。

 

                   

 

このあたりワインカーブがたくさんあるそうだ。

 

 

ワインカーブの見学を終えると、有名なボーヌの施療院へ連れて行ってくれた。よくガイドブックやパンフレットにも、このブルゴーニュ独特の特徴ある屋根の建物は載っている。

 

                  

 

外科手術も行われたみたいで、何やらびっくりするような大工道具みたいな手術道具が展示してあった。麻酔が出来たのかと心配してしまった。

 

                  

 

                  

 

15世紀にこの整った病院があったとは驚きである。当時の台所には人形でその様子を復元していた。

 

                   

 

                  

                  

                  

 

帰りにブドウ畑に車を止めてくれた。さすがにブルゴーニュである。もう見渡す限りのブドウ畑だった。

 

                  

 

                   

 

ワインに適した葡萄栽培は難しく、特に畑の地質が重要とのことだ。同じ平面の並んだ畑でも、隣同士の畑のブドウの質が違うことがあるらしい。

 

家に帰り最後の夜を惜しむことになった。シャンデリアが美しく、なごりの雰囲気を醸し出していた。暖炉の上の例のムッシュ好みの人形達も、別れを惜しんでくれているように見えた。

 

                   

     

                    

 

                     

 

いよいよ明日は、ブルゴーニュともお別れだ。

 

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ムッシュの「一芝居」

2011年10月23日 | ブルゴーニュ

ブルゴーニュで2泊した翌日、午前中ムッシュはボーヌのマスタード工場の見学に連れて行ってくれた。 

マスタードと言えばディジョンを思い浮かべるくらいブルゴーニュの名産の一つである。

これで着いてから3日目だが、とにかく連日ムッシュは計画的にベストコースを調べておいてくれたのだった。

 

マスタードの工場見学は、着いてからすぐに予約し、定刻になって再び受付に行き、私達の外20人くらいはいたと思うが、その人たちと一緒中に入った。

         

 

     

 

中に入ると説明があり、その後自分ですり鉢で「からし」をすりつぶし、作ってみる体験があり、その後製造用の古い機械などの展示を見た。

 

最後には小さなびん詰をいくつかいただいたが、売店でもそこの工場で出来た物が売られており、沢山の種類の風味を試したく、少し買って見た。

 

見学を終り、そのあとランチのため、これまたムッシュが調べておいてくれたレストランに行った。

 

         

 

         

 

         

 

  

昨日のレストランより少し格は落ちるようだったが、ご当地料理の「カエル」や「エスカルゴ」を食べた。

 

              

 

              

 

しかし参ったのは「鶏の赤ワイン煮」だった。これはもう小さいバケツみたいな鍋(実はル・クルーゼなのだが)にドカンと来た。だが残念ながら鶏は味が出てしまい「スカスカ」だった。

これだけは、はっきり言って美味しくなかった。

 

         

 

しかしこのレストランは、価格はそんなに高くないのに「もう堪忍して」と言うほど料理が出てきた。要するに「田舎料理」で「田舎価格」だった。

 

         

 

         

 

         

 

ここでムッシュがある芝居をした。

彼は最初ブルゴーニュの赤ワインを頼んだ。少し飲んでいたころギャルソンがワインはどうですか?と聞きに来た。その時ムッシュは「これはちょっと?」と言ったのだ。

 

しばらくするとオーナーがやってきて「美味しくないのかい?」と聞きに来た。

ムッシュは「美味しくないことはないけど・・・うーん」と言うとオーナーは「それなら代わりを持ってくる!!」と急いで中に入って行った。

 

オーナーが消えると、ムッシュは机の下でこぶしを作り、「やったー」と言うポーズをした。

 

やがてオーナーは、新しいワインを持ってきた。

持ってきたのはハーフボトルだったけれど、今度はオーナーの自信あるワインである。ムッシュはこれを美味しく喜んで飲んだことは言うまでもない。

 

実は最初のワインが良くなかったわけではないのだが、ムッシュは一芝居打って、上等のワインにありついたというわけだった。

田舎のレストランのオーナーの自尊心をうまく利用したとも言える芝居に、少しばかりオーナーに申し訳ない気もしたが、まあこれもフランス流コミュニケーションとしよう。

 

          

 

         

 

         

 

そして午後はブルゴーニュ中のブルゴーニュへ・・・次回に 

 

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朝から晩までブルゴーニュの魅力を堪能

2011年10月20日 | ブルゴーニュ

素晴らしいランチの後、「ビュッシ・ラビュタン城」へ連れてくれた。この入城券売り場兼土産物売り場の一人の若い女の子が、日本へ行ったことがあると親しげに話しかけてきた。 

 

このお城はガイドブックに載っていないけれど、なかなか静かで落ち着いたところだった。 

彼らが連れて行ってくれなければきっと一生知らずにいたに違いない。

 

                    

 

                         

 

この地方の領主の城だったらしいが、ベルサイユやヴォー・ル・ヴィコントと同じく広い庭がずっと続いていた。

 

           

 

           

 

           

 

お城を見学した後、希望していた「フォントネー修道院」へ連れて行ってくれた。     

 

          

 

          

 

          

 

この修道院はかなり質素な修道院だが、大きな工房を持ち動力源には水車を使うなどしていて、祈るばかりでなく、修道士達がしっかり働いていたようだ。

 

ムッシュは、カメラでちゃんと脚立を立てて撮影していた。日本へ来た時3台もカメラを持っていたことを思い出す。カメラ好きでしかも几帳面なのだ。

 

          

 

出口で係の子が、日本語で「さようなら」と言った。フランス語で返すとBonne  journeeはどういうの?」と聞いてきたので、「よい一日を」と答えるとにっこりして、「有難う」と言った。たぶんここは世界遺産でもあるので、日本人観光客が多く訪れるのであろう。その時日本語で挨拶をしたいのだろうと私もその思いが嬉しかった。

 

こうして充実した見学の一日を終え、帰宅した。

その夜、彼等の娘さんが訪ねてきて、孫の娘さんもボーイフレンドと一緒にやってきた。皆写真で見たことのある顔なので、初対面と言う感じがしない。

 

                      

 

娘さんはこのムッシュに似ているが、上品で綺麗な人だった。

孫娘カップルは、仲が良く、もうお客(私のこと)の前でもお構いなくいちゃいちゃしていた。どちらかと言うと孫娘の方が彼に甘えている風だった。

 

                   

 

それはさておき、今夜も奥さんの凄腕による手料理の御馳走だった。

おいしいランチをたらふく食べたのに、帰ってくるとまたこの御馳走だが、時間をかけ喋りながら食べるのと、やはり美味しいので、このディナーも相当頂いた。

 

            

        

中でもこの地方独特の「ハムとパセリのゼリー寄せ」と言うのが実においしかった。

 

 

      

 

今回の渡仏で私は、この時点で自分が明らかに太り始めたのを認めざるを得なくなった。でもまぁーいいか、美味しいから仕方がないや。

しかし翌日も御馳走は続く。

 

 


ワインの見方はこうするんだよ!!

2011年10月17日 | ブルゴーニュ

ディジョンから北西約100キロの所にあるスミュール・アン・オーソワへ車で連れて行ってくれた。

 

やがてこの美しい町が坂の向こうに見えてきた。この時の姿が本当に綺麗だ

った。

           

 

車を街の広い道路の横に停めて散策した。

広い道路の横に「DOJO KARATE」と書いてある扉を見つけ、びっ

くりした。

こんな小さな村にも日本文化はちゃんと来ていたのだ。

 

        

 

古いノートルダムという教会に行ったが、ステンドグラスが美しく、丁度床に虹のような色彩を映していた。

 

      

 

街は要塞があったとかで、とんがり棒の塔がいくつも残っており、それらを見ているとかなり堅固な要塞だったのではないかと想像した。

 

この町を堪能して、午後に別のお城や修道院に行く前に、昼食のためレストランに立ち寄った。

 

このレストランがまた素晴らしかった。最初に出たスープに「グルニューイ(カエル)」が入っていた。今まで食べたフランスでの料理の中で、最高ではなかったろうか。

彼等は、本当に奮発してくれた。

 

        

 

         

 

          

  

        

 

          

 

またこのレストランに偶然立ち寄ったのではなく、ちゃんと事前に調べて、計画通り連れて行ってくれたのだった。

このムッシュの几帳面な、計画的な性格も解ってきた。

 

ワインの良し悪しはこうしてみるんだと、赤ワインにお日様の光を通し、下に映る色を見せてくれた。

 

         

 

         

 

彼曰く、「ワインはブルゴーニュに限る」と言う。ブルゴーニュ以外のワインは飲まない生粋のブルギニョン(ブルゴーニュ地方の生まれ育ちの人)なのだ。ボルドーもまた然りでボルドーしか飲まない人がいると言うことだ。

 

これまでの経過の中で、このムッシュの性格は、ちょっと気が短いところがあるが、気分転換は早く、上品にエッチで、郷土愛が強く、そして計画好きと言うことが加わった。

 

午後のお城と修道院については、次回に続ける。

 

 

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