さて、このあたりで、番外編と言うことで、ドイツ人の友人について、記しておきたい。
彼と出会ったのは、もう5・6年も前のことだ。
奈良のある店で軽い食事をしていた時、隣にいた。
お姉さんと一緒だった。
実はそのお姉さんがどちらかと言うとラテン的な感じがして、フランス人かと思い話しかけたのだった。
すると弟の方が「ドイツから来た」と、話しだした。
これも何かの縁かと翌日午後、奈良案内を申し出ると、彼らは喜んで応じたのだった。
ドイツ人と言えば、時間に正確というイメージがある。
翌日は遅れないように待ち合わせ場所に行った。
浮御堂から、春日大社、東大寺のコースだったと思うが、夕食も一緒にした。
彼らは「是非、ドイツへ」と言ってくれた。
そして「個人旅行するなら、ロンリープラネットが役に立つ、きっと日本語でドイツ観光もあるはず」と勧めてくれた。
日本にはそれ以外にも個人旅行向けのガイドブックはたくさんあるので、聞き流していた。
しかし帰国後、メールが来た。「本屋で探したか?」
それ以後も何度となく尋ねられたがそれについて返事をしないので、しまいには「図書館ででも探せると思う」とまで、書いてきた。
「帰国したらフォアグラを送るわ」と言っておいて、帰ってからは「フォ」の字も出ないままのフランス人に慣れてきた私には、これがドイツ人気質なのかなと、ちょっと窮屈にさえ感じられた。
メールもいつも長く、英語でびっしり書かれている。写真もとてもたくさん送られてくる。
いつだったか、5mくらいの横断歩道で赤信号だったが車が来ないので渡ろうとしたとき、「赤だよ、渡ったらいけないよ」と、彼が言った。規則が何よりも重視されるドイツというお国柄を改めて感じた。
きっちりしていて、真面目でもちろんいい人なのだ。こういうドイツ人が好きと言う日本人の方が実は多いのかもしれない。
お姉さんはハンブルグ、弟さんはデュッセルドルフ在住で、日本人が多く住むこともあり、日本が好きで、日本語も勉強していて、部屋には畳を敷いていると写真も送付された。
こんなに親日家なのに、フランス人と何かがやっぱり違う。どうやらそれは、色気がないかららしい。
自動車を見ても同じことが言えよう。ドイツ車とフランス車の違いはそんなところにもある。
彼はこの後、今年も含めて合計5回も来日するのだったが、その時は知る由もなかった。
2回目はフランス旅行の直後だったので夕食に来てもらい、翌日ハイキングにも一緒に行った。
彼のこの下の写真の洋服の色の組み合わせ、これもフランス人では、見たことがない。
その次からはお遍路さんをするようになったので、その話をしに帰国前に一泊して帰っていくことが続く。
しかし今年は、ちょうど私も旅行で留守だったため会えなかったが、今年でお遍路さんも完結したようだ。
果たして、次はどんな旅をするのだろうか。
その前に、そろそろメールでお遍路さん完結編について尋ねてみよう。