祥泉暦

日常の出来事の記録

花に背いて 鈴木由紀子著

2018-06-21 20:42:01 | 書籍
山形県米沢市出身の鈴木由紀子氏を知ったのは、NHKBS TV 「英雄達の選択」のコメンテーターとして出演していたのをみたことです。
テレビを見ながら鈴木由紀子氏を検索して、その場で2冊購入しました!
「花に背いて」直江兼続とその妻。
以前放送されたNHK大河ドラマ「天と地」と被りますが、
出身地が米沢である鈴木由紀子氏のこの作品の方がかなり面白いと思いました。



あいまいだった 上杉謙信 最上義光 伊達政宗 の時代背景がみえてきた。
郷土史なのに何故今まで解らずにいたのでしょうw
米織と食用ウコギを垣根にしたのは、
困窮を脱するための兼続と妻のお船のアイデアだったとは!
以前民放の番組で、「山形の人は生垣をも食べる」と、
まるで山形県人を蔑むような内容だったと聞いています。
米沢には藩校だった興譲館高校があり、どこか文化的な名残があるのは、
兼続の文武両道だったことが起因しているのかもしれない。晩年兼続が読んだ詩

雪夜炉を囲んで情更に長し
吟遊あい会して古今を忘る
江南の良策求むる処無くんば
柴火(さいか)煙中芋をやくの香り

才がありながら武士の面桶を優先することが民の為なのかに悩み苦しみ、
苦渋の決断の末家康追撃を諦めた兼続の心境。
この精神は、上杉謙信公の志でもある。
多くの家来や親戚に非難されても義を貫く、、、
山形県人気質でしょう。

それにしてもこの戦国時代に生きた女性達は、強い!
これまで政略の道具としてしか捉えられていなかったのに、
しなやかでたくましい!!
内助の功 というよりも「男は女の支えなしでは生きられない」と
筆者があとがきで述べている。。

そして兼続とお船は、お互いに支え合って、協力し合い、
現代人に近い感覚を持ち合わせた夫婦です。


今度帰省した時は、米沢資料館や林泉寺を訪ねたい。