阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

命を守る道-マラリアの経験から

2007年12月16日 21時48分41秒 | 政治
 昨日、今日は、ひたすら支援者や地域の首長経験者の方々を訪問しました。今、事務所に戻ってきたところです。

 「たぬ」さんがコメントして下さったように、何でもかんでも新しい道をつくる時代は終わったと思います。同時に、産業を発展させる、また急病人や災害時に命を救うためにも、信頼できる交通網を整備することは必要です。

 実は、私は「陸の孤島」と言える地域で生活・仕事をした経験があります。

 1992年から1993年にかけて、カンボジアのラタナキリ州で国連ボランティアとしてPKO活動に参加しましたが、山岳少数民族が住むその地域は、国連のヘリコプターでしか行くことができない地域でした。

 熱帯雨林の中に点在する村のひとつで現地の人々の家に住み込み活動していた私でしたが、悪性のマラリアにかかり40度を遙かに超える高熱と悪寒に襲われたことがあります。

 現地の人々は常にマラリアと闘っていますから、私は特別の医療用の特別機を発動させることは拒否。しばらく待って定期便で隣のストゥン・レイン州まで輸送されましたが、私のマラリアは熱帯性マラリアと3日熱マラリアが同時に発症した重いもので、国連の野戦病院(のような場所でした!)では、あと少し遅れていたら命が危なかったと言われました。

 また、同じ病室に地雷を踏んで激痛に苦しむ青年が担ぎ込まれていましたが、彼が地雷を踏んで病院に到着するまで約10時間かかったと聞きました。当時のカンボジアにおける地雷事故発生から病院到達までの平均時間です。もう少し早ければ、大腿部から脚を切断する必要はなく、もう少し遅ければ、命を落としていたでしょう。

 こんな経験から、道の整備の必要性は身にしみて感じていますが、逆に、限られた財源を必要のない公共事業に投入することには、それこそ悪寒を感じるほどに拒否感があります。本当に必要な道路を精査し整備を行うこと、そして、それ以外は、生活の安心をつくる社会福祉の整備に優先的に活用する。それが、命を、生活を守る政治のあるべき姿でしょう。


 写真:カンボジア時代の私の愛車と山岳少数民族の子供


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