阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

沖縄知事選は玉城デニー氏が圧勝ー示された民意を安倍政権は尊重せよ

2018年10月01日 09時07分48秒 | 政治

 沖縄知事選は民意の逆襲とも言える過去最大得票の圧勝で玉城デニー氏が勝利しました。沖縄県民は翁長氏が当選した前回知事選に続き、普天間基地の辺野古移設にノーを突き付けたことになります。

 札ビラで釣られ脅され、中央服従、基地依存経済を続けるのではなく、沖縄の誇り、沖縄の特性を活かした自立した経済を作っていくのがデニー氏の訴えでした。デニー氏とともに闘い、安倍政権が全面支援した候補を打ち破った沖縄の人々の勇気と良識に感謝したいと思います。

 私自身は公示前の8月31日から4日間、沖縄に入って応援しました。衆議院議員を辞職して立候補表明をしたかつての同僚玉城デニー氏の勇気ある決断と信念に感銘を受け、いても立ってもいられず事務所開きに駆けつけました。以前琉球大学や沖縄国際大学で講演をしたり、先生や学生と意見交換する機会もあったので、当時の知人をまわって支持をお願いしました。

 その後、安倍政権によるかつてないほどの締め付けについて様々な報告を受けましたが、皆さん慣れたもので、ハイわかりました!と言いながデニーさんに投票するとのことでした。中には安倍政権が全面支援する候補に入れたかどうか写メに撮って送れと言われた人もいると聞きましたが、名前を書いて写真を撮った後、消しゴムで消してデニーさんの名前を書いて投票すればいいんですよとお伝えしました。(政権の圧力に対する切り返しの方法は紛争地での民主化支援をしている時にもよく質問されることです)

 私はその後、アメリカに草の根政治活動の調査に行きましたが、トランプ政権に抵抗する人々が草の根で闘う上で広く使われている『抵抗の手引書』を関係者とシェアするなどアメリカからも応援を続けました。

 私は衆議院議員時代、沖縄北方特別委員会で理事を務めていたこともあり、沖縄に寄せるデニーさんの本気の思いをいつも見てきました。デニー氏はそんな中でも私に沖縄の人々が吹く指笛を教えてくれたこともあります。当選確実のニュースに接し、思わず指笛でお祝いしてしまいました。

 8月31日、翁長前知事の遺志を受け、沖縄県は仲井真知事による辺野古の公有水面埋め立て承認を撤回しました。国は新基地建設を巡る法的根拠を失って工事は中断していますが、万一再開するとなると、まさに民意を踏みにじることになります。安倍政権による前代未聞の圧力、締め付けにも負けず、自分たちの未来は自分たちが決める政治を選択したのが今回の選挙結果です。日米関係はとても重要な二国間関係であるからこそ、民意を反映する政治を進めていくのが安倍政権の責務です。

 普天間基地の移設先について、私自身は米国の自治領である北マリアナ諸島テニアンへの移設の可能性を全力で探るべきと考えています。



8万票の大差で当選を決めた玉城デニー氏


8月31日の事務所開きでのガンバローコール


山内スエコ候補と。知事選と同時に行われた県議補選で見事当選し、玉城デニー氏を支える強力な仲間になります。


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『抵抗の手引き書』とともにトランプ政権と闘う米国の草の根政治グループから学ぶ

2018年09月24日 12時04分04秒 | 政治
『抵抗の手引き書』とともにトランプ政権と闘う米国の草の根政治グループから学ぶ

 今、米国に来ています。目的は、今、米国でトランプ政権の様々な差別的で独善的な政策に闘いを挑むことを目的に生まれ、ダイナミックに日々進化する市民による草の根からの政治活動について広くヒアリングを行って理解を深めること。さらにそれを安倍政権に抵抗する政治勢力の活動に組み入れていくことです。

 私がこのような問題意識を持つに至った直接の理由は、2016年3月に米国ワシントンDCでミャンマーの民主化支援のあり方について講演をしたことがきっかけです。ちょうど民主党の大統領選挙予備選が行われていて、交流会に参加してくださった方々にはバーニー・サンダース大統領候補の若い支援者が沢山いました。草の根からの政治を掲げ、徹底した平和主義、政策を多額の献金で買おうとする大企業の影響の排除、また、公立大学の無償化など、フェアな社会の実現、社会的正義の実現を目指す姿勢は若者たちの圧倒的な支持を得ていました。

ワシントンで感じたバーニー・サンダース現象と、私たちが学ぶべきこと(阪口直人ブログ『心にかける橋』)


ワシントンで講演-日米協力によるミャンマーへの民主化支援を提言(阪口直人ブログ『心にかける橋』)

 民主党の大統領予備選は結果的にはヒラリー・クリントンが勝利するのですが、大企業からの献金を拒否し、草の根活動をともに行う人々によって支えられるサンダース候補の闘い方は、私自身が目指している政治と重なりました。また、彼の言葉、そして生き方自体が米国市民の政治的価値観に鮮烈な影響を与えていることを実感しました。

 その後、トランプ政権が誕生し、差別的な政策が次々に実行されようとする中で、バーニー・サンダースの政治革命に影響を受けた人々が中心になって立ち上がり、政策の実現を阻止するため様々な草の根の抵抗運動をしています。例えば、オバマケア(医療保険制度改革)の廃止はトランプ大統領の公約の目玉であり、2017年1月20日の大統領就任直後に大統領令に署名しましたが、上院、下院ともに共和党が握っているにもかかわらず一向に進まない状況が続き、最終的には共和党上院議員の一部が造反し、オバマケア見直しは頓挫しました。なぜ上手くいかなかったのか、それはこの法案に反対する市民たちが執拗に抵抗し、共和党議員の考え方を改めさせたからです。

 これらのプロセスについて草の根民主主義の視点で研究しているのがワシントンDCのアメリカン大学で教鞭を執る芦澤久仁子氏です。私自身は衆議院議員だった2011年から、自分自身が研究テーマにしてきた世界の民主主義の現状と米国の草の根政治活動について芦澤氏と意見交換をする機会を毎年作ってきました。米国の草の根政治活動について様々な情報を頂く中で、この運動の広がりの大きさ、草の根と科学的分析を融合させた手法に目を奪われました。自分自身が所属していた民進党に対しても、様々な議員を通してこれらのグループと連携し、手法を学ぶべきと再三訴えてきました。

 米国の草の根政治活動から学んだ問題意識については何度かに分けて書いていきたいと思いますが、今回は、権力と闘う術としての『抵抗の手引き書』について紹介したいと思います。

抵抗の手引き書―不利な状況でも選挙に勝たせるために市民は何をすべきか

 私が今回着目した『抵抗の手引き書』については芦澤氏が朝日新聞の論座(2017年11月)にも投稿しています。30代の元連邦議会スタッフが中心って設立した、インディビジブル(Indivisible)というグループが作成しました。2016年12月、トランプ大統領の就任が決まった直後、これから議会に提案されていく政策の実施をいかに阻止するか、市民行動マニュアルとして作ったものです。民主主義と反する方法で実施されようとする政策を阻止するため、自分たちが応援する候補者を『選挙に勝たせる』ことに絞ったものです。

 インディビジブルガイドと名付けてツイッターにアップしたところ大反響を呼び、数日間で数十万の人々にシェアされたとのことです。また、これに反応した市民たちがそれぞれの地元でグループを立ち上げ、その数は瞬く間に全米6000に迫る勢いになったとのことです。

 元連邦議員スタッフが書いただけあり、議員心理を見透かした、具体的でわかりやすいもものになっています。

 再選のためには有権者に良い人、できる人と思われたい。そのイメージを壊されることを恐れる議員心理を逆手に取り、地元支援者が集まるタウンホールミーティングなどを狙い撃ちにして、彼らが賛成しようとしている政策の問題点を徹底的に質問攻めにする。オバマケア廃止法案への支持を表明していた議員がしどろもどろになる様子をSNSやYouTubeに拡散し、地元メディアを通して全国に拡散していく。このような形でプレッシャーを受けた共和党議員の一部が当初のオバマケア廃止法案に反対し、議決プロセスは混迷。その後の代替案も二転三転して、上院での否決に至ったのです。

 この手法自体は決して新しいものとは思えません。実際に共和党のティーパーティー派がオバマ大統領の政策実現に抵抗したのも同様の方法だったそうです。しかし、多くの人がアクセスできる26ページのわかりやすいマニュアルを作り、市民が連携し、草の根の手法で執拗に繰り返し、またSNSの力を最大限活用することによってこれまでとは違った効果を生み出したそうです。その根底にあるのはトランプ大統領によって破壊されようとしている米国の民主主義に対する危機感でしょう。今回、米国各地でヒアリングした多くの人々も、このような抵抗の有効性について、手応えを感じているようです。

 抵抗の手引き書を手に行動する彼らの大きなモティベーションは、11月の中間選挙で民主党による形勢の逆転を果たし、様々なトランプ大統領の政策の実現を阻止すること。そのためには激戦区での勝利とともに、共和党の強い地盤で健闘するマイノリティー候補などへの応援にもさらに力を入れていくようです。

 日本では1週間後に沖縄知事選挙が行われます。沖縄の誇り、沖縄の特性を活かした自立した経済、自立した地域を作っていく。札ビラで釣られ脅される、中央服従、基地依存経済をストップする。そのためには米国の市民が活用する『抵抗の手引き書』は沖縄知事選挙、そして今後の日本の選挙にも応用できる点が沢山あるのではないでしょうか。

 今回の訪米中、ジョージ・ワシントン大学で立憲民主党・枝野代表の講演があると聞き、参加しました。主に日米関係がテーマでしたが、健全な日米の関係は日本の平和と繁栄の前提であること、米国との信頼関係をさらに構築するためにこそ、基地問題において沖縄の民意を大切にすること、また日米地位協定の不平等・不公正を正すべきとの考えにはとても共感しました。質疑応答の中で、米国の草の根政治グループとの連携・交流や、民主主義を守るために活動する世界各国の市民グループとの連携について質問したところ、大変肯定的な返答でした。米国の市民たちが日々生み出している、草の根の手法と科学的な分析を駆使した権力との闘い。安倍政権と対峙していくためには、この方法を日本に合った形に応用し進化させるしかないと思います。
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ミャンマー・カチン族のマノー祭りを実施(2)-アウンサンスーチー氏は信頼を回復できるのか

2018年08月29日 15時50分07秒 | 政治


 マノー祭り初日の夜は、シンポジウムを実施した。私は座長を務め、カチン州が置かれた状況に対して何ができるのか、カチン族の方々を中心とした約25人の参加者と車座になって意見交換を行った。

 シンポジウムのテーマは、どうすればアウンサンスーチー国家顧問に彼らの声が届くのか、また、彼らの生存権を脅かしている環境破壊的なミッソンダムの建設を止め、2010年から続く内戦によって10万人を超える国内避難民を生み出している状況を変えるにはどのようなアプローチを行うべきかであった。

1.カチン州の問題についてアウンサンスーチー氏を含めた政権の認識は?

アウンサンスーチー国家顧問に対しては辛らつなコメントが相次いだ。

 民主主義や人権を守るために自らの命を懸けて闘うのがノーベル平和賞受賞者でもあるアウンサンスーチー氏のイメージであった。4度にわたって面会した私自身の印象もまさにその通りであったし、国際社会を味方につけて政権交代を目指し、憲法改正や軍の改革にも取り組む姿勢を世界が応援していたはずだ。ところが、ロヒンギャ問題への対応で名声は地に堕ち、国内の諸問題に対しても十分な指導力を発揮できていない。また、約束したミッソンダムの問題解決にも有効な手を打てていないと不満の声が噴出した。

 スーチー氏は信用できない。もともとカチンの問題に関心がない。現地に来ることもない。約束を破るのはビルマ族の考え方。彼女の父親であるアウンサン将軍もお世話になった日本を追い出した。このようなネガティブな声が相次いだ。ミャンマーには政府が二つあり、彼女が軍を掌握しない限り何もできない。一方で、軍に影響力を持とうがするゆえに肝心の市民の声を聞かなくなったとの声も寄せられた。

 しかし、期待通りではなかったとしても、アウンサンスーチー国家顧問の力を利用し、政府を動かし、あらゆる方法で国際社会にも問題提起する視点が必要である。そして、国家指導者として今目の前にある問題を解決することが彼女の政治力、国際的信用を回復させ、ミャンマーにおける様々な問題解決に立ち向かう上での力になる。このような認識に立ち、特にミッソンダム問題についての解決策を探ることにした。

2.ミッソンダムを巡る状況

 私は2015年11月にミッソンダムの建設凍結地を訪問し、当時の状況についてこのブログでも問題提起をしている。また、2016年3月にワシントンで講演し、ミッソンダムの問題解決を切り口にした民主化支援と、そのための日米の協力を問題提起した。

 阪口直人ブログ『心にかける橋』ミャンマー・カチン州の和平の展望とミッソンダム建設予定地への潜入

 阪口直人ブログ『心にかける橋』ワシントンで講演―日米協力によるミャンマーへの民主化支援を提言


 ミッソンダムはミャンマー北部カチン州、ミャンマー最高峰・標高5881mのカカボラジ山などヒマラヤを源流とするメカ川とマリカ川が合流してイラワジ川が始まる地点(ミッソン)にて、中国国有企業「中国電力投資公司(CPIC)」が36億ドルを投資してミャンマー企業と合同で2009年から建設を進めてきた水力発電用巨大ダム。(高さ152メートル、設置出力3,600メガワット)

 もともと発電量の約9割が中国に輸出される予定で、契約によるとダムは完成後50年間に渡って中国が運営・管理する。開発に伴いカチン族の約50の村が水没し、強制移住される村民は1万人を越える見込みであり、カチン州全体の50%に環境破壊の影響がおよぶとされる。

 環境破壊と人権蹂躙の象徴とされていたミッソンダムダムだが、2011年3月に発足したミャンマー新政府のテイン・セイン大統領はその年の9月30日、軍事政権が進めてきたミッソンダムの建設凍結(任期の2016年3月30日まで)を表明した。この決断によってテイン・セイン政権に対する欧米の評価は高まり、ミャンマーは投資ブームに沸くことになる。しかし、あくまで凍結であり、工事を中止するか再開するかはアウンサンスーチー率いる新政権に委ねられることになった。

 2016年4月以降、中国側は工事再開を求めている、2016年8月に訪中したアウンサンスーチー国家顧問は調査委員会の報告を待って判断するとした。スーチー国家顧問の報道官によると、彼女は環境破壊の恐れが少ない複数の小型水力発電所を代替案にしようとしている。しかし、在ミャンマー中国大使は工事を中止した場合、違約金8億ドルを支払うか、他の事業に優先的に関与することを求めると発言している。

 このような状況に対して、日本にできることは何か、シンポジウム後の個々へのインタビューも含めると下記のような意見に集約される。

1.アウンサンスーチー国家顧問と直接対話できる人に切羽詰まった我々の声を伝えて欲しい。

2.8億ドルの違約金の代わりに中国に事業への優先権を与えるのは論外。今後、ミャンマーは完全に中国にコントロールされる。受け入れがたい恐怖である。

3.環境や人権に配慮した開発を行うのであれば、日本を優先的にパートナーにすることはむしろありがたい。違約金を当面肩代わりして頂くことで、日本を開発のパートナーにすることは可能なのか。

4.代替案としての小型水力発電所建設を受け入れるかどうかは事業内容による。しかし最大限、環境に配慮したものであるべき。カチン族のアイデンティティーであるミッソンを始めとした自然を破壊するものであってはならない。

5.以前、日本はミャンマーへの約5000億円の円借款の債務免除を行った。(2013年1月に約3000億円、5月に約2000億円)しかし、軍事政権を助けただけだった。貧しい民衆を助けるための援助をして欲しい。我々は恩を忘れることはない。

 カチンの人々の切実な声を国際社会に対し、そしてミャンマーのリーダーに対して届けることができるよう努力を続けたい。ひとつひとつの問題を解決することで、国内、そして国際社会の信用も回復に向かい、アウンサンスーチー氏が命を懸けてでも実現を目指したミャンマーの民主化に向けて、少しずつであっても歩みを刻めるはずだ。


マノー祭りの夜、カチン族の方々と車座になっての意見交換を実施(2018年8月25日)


カチン州のミッソンダムの建設凍結地を視察(2015年11月)


アウンサンスーチーNLD議長(当時)とミャンマーの民主化について意見交換(2012年1月9日)


カチン州の国内避難民キャンプにて(2015年11月)




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民主化しなくても豊かになれる今、日本の民主化支援の在り方はー朝日新聞GLOBEの取材を受けて

2018年08月24日 12時21分20秒 | 政治

 国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の一員だった頃から25年来のテーマであるカンボジアの選挙制度改革。衆議院議員の時に全力で取り組んだこのテーマについて朝日新聞のGLOVE +が記事にしてくれています。少し長いのですが、木村文さんの文章が非常に良く書かれていますので是非、お読みください。

 「民主化を進めれば援助や投資も入って豊かになれる。民主化せよ」社会や経済への支援とセットにした西側社会のこれまでのやり方は、民主化を進めなくても援助や投資を行う中国の存在によって通用しなくなり、民主化支援の在り方が新しい局面に入ったことを実感します。私は国民情報の電子化を主導したことを教育や医療のサポートに活かすのが日本独自の民主化支援につながると考えています。

 朝日新聞GLOBE記事『民主化しなくても豊かになる?不公正なカンボジア政権への日本の選挙改革支援とは』


カンボジアの選挙人登録の電子化など、民主化支援を切り口にした取り組みについては下記のブログなどでも報告しています。

 阪口直人ブログ『心にかける橋』民主化支援を切り口に日本の可能性を切り拓く




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カンボジア総選挙は自由・公正だったのか?ー最先端の選挙制度と後退した民主主義

2018年08月04日 11時50分16秒 | 政治

 7月29日にカンボジア総選挙が行われ、与党人民党が125議席全てを獲得する見込みになりました。非公式の集計によると人民党は約480万票を獲得。次点であるフンシンペック党の約37万票を大きく引き離しています。投票率は82.89%。有効得票の76.78%を人民党が獲得したことになります。一方、無効票は前回比でおよそ6倍に増え全国で約60万票。首都プノンペンでは14.52%が無効票でした。無効票の中には前回の総選挙で接戦を演じ、昨年11月、国家転覆を図ったとして解党に追い込まれた野党第一党CNRPの名前が書かれたものが数多く見られました。選択肢のない選挙に対する国民の怒り、無力感を強く感じました。(選挙管理委員会の公式発表は8月11日です)

 私がカンボジアの総選挙に関わるのは1993年以来、今回が5回目です。1992~1993年にかけて国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の一員として自分自身が選挙人登録を指導する立場にいて、当時戸籍のなかったカンボジアにおいては選挙人登録に不正が行われる余地があることを実感。その後の選挙でも野党側だけでなく、国民の多くから二重登録など選挙人登録の不正が指摘され続けてきました。

 そんな経験に基づき、衆議院議員だった時には、カンボジアと日本双方の閣僚や議会の要職にある人々などに選挙人登録の電子化を働きかけました。結果、国民IDを電子化して選挙管理委員会のホストコンピューターに情報を連結する形で実現し、生体認証による本人確認、スマートフォン上で投票場所の確認ができること、開票所ごとに選挙結果をウェブ上で確認ができることなど先端の技術が導入されました。

 生体認証によって個人を識別できるようになった結果、前回2013年の総選挙で967万人だった有権者は838万人に大幅に減りました。また、地方選挙の選挙人登録者も2012年の920万人から2017年の787万人に大きく減っています。

 2013年の総選挙では与党人民党の得票率は48.83%で獲得議席は68議席。野党救国党は44.46%で55議席でした。救国党や一部の国際選挙監視チームは、二重投票が数多く行われ選挙結果に影響を与えた可能性を強く指摘しています。より正確な有権者数で行われていれば2013年の選挙結果は変わっていたかもしれません。

 欧米諸国は野党第一党を国家転覆を図ったとして解党させ、国民の選択肢を奪う結果になったことに対し厳しい見方を示しています。アメリカの下院がフン・セン首相などに対する入国制限等の制裁法案を可決しました。ホワイトハウスは今回の選挙は「自由でも公正でもない欠陥的な選挙である」との声明を発表しています。またEUは関税の優遇措置の撤廃を検討中で、これが実行されると欧米への輸出依存度が高い繊維産業に大きな打撃を与えることになります。

 カンボジア和平は日本が平和構築と民主化支援に大きく関わり一定の成果を挙げた唯一のサクセスストーリーと言えるでしょう。しかし、国連が史上初めて暫定的な統治を行い、世界各国が協力して目指した理想に比べて現実はどうか。問題点については厳しく指摘し、進歩した点については評価する。それが、国連ボランティア中田厚仁氏、文民警察官高田晴行氏が勤務中に襲撃を受け殺害される犠牲を払いながらもカンボジア和平をリードした日本の責任だと思います。今回の選挙に公式見解を示さない判断をした日本政府の態度は責任放棄だと思わざるを得ません。

 投票日の夜は、日本から唯一駆け付けた国会議員である藤田幸久参議院議員をはじめ、カンボジアに数十年関わってきた方々と意見交換をしました。考え方は様々でも人生を懸けてカンボジアに向き合ってきた本気の思いを熱く感じ、これからも向き合っていく思いを新たにしました。


選挙監視員としてのIDカードを見せた上で、名前を書いて投票所に入ります。


投票所の警備を行う警察官の責任者にヒアリングを行っています。

↓投票に来た人々は慣れた様子で列を作っています。


↓開票状況を監視するため投票所に入ろうとすると、二つの投票所で警察官に止められました。投票所の責任者に確認した後、入場を許されますが、しばらく足止めをされました。監視活動について十分に理解されていなかったようです。


↓人民党系のNGOの選挙監視員たちは、無効票を数えていました。



投票結果は人民党の圧勝でした。この投票所では無効票は報告されていませんでした。


投票日の夜は、長くカンボジアに関わってきた仲間たちとこの国の民主主義について議論
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フィールドから考える現代世界の暴力と平和ー立教大学での講義

2018年07月05日 15時27分15秒 | 政治

 昨日は立教大学で特別講義をさせて頂きました。今回は『フィールドから考える現代世界の暴力と平和』というテーマで、カンボジアの内戦と終結後の民主化の動向についてお話しました。特に、フィールドでの経験をどのように実践に活かしたのかを語って欲しいとのことだったので、民主化が大きく後退しているカンボジアの現状についてお話した上で、私の行動の原点になったフィールドでの経験について、次の5点を中心にお話ししました。

1.1989年のインド旅行中にマザー・テレサの『死を待つ人々の家』でボランティアしたことで、人間の生命や尊厳を守ることを自分のテーマにしたいと思ったこと

2.同年、当時勤めていたキヤノン株式会社で輸出担当をしていた国々で起きた天安門事件(6月4日)やベルリンの壁の崩壊(11月9日)に接し、自由や民主化を求める人々をサポートする仕事をしようと決意したこと

3.3年後、カンボジアで史上初めて国連が政府に代わって暫定的な統治を行う挑戦(UNTAC)を知り、民主的な選挙を行うための国連ボランティアに会社を辞めて参加したこと

4.UNTACでの活動中に仲間が銃撃によって殺害され、また自分自身が失業した元兵士から襲撃を受けて命を奪われそうになった経験から、除隊兵士の社会復帰を支援するプロジェクトを立ち上げ、5年間事業を担当したこと

5.カンボジアの選挙支援に関わり続ける中で選挙人登録のプロセスで不正が起こる余地があることを痛感し、国会議員として選挙人登録の電子化を提案し、実現したこと

 私が感銘を受けたのは200人近い学生が熱心に参加し、多くの学生がリアクションペーパーにびっしりと感想を書いてくれたことでした。私に直接渡されるもので成績には一切関係ないのですが、学生の様々な思いを知ることができ、私にとってもとても貴重な機会になりました。今回このような機会を作ってくれた異文化コミュニケーション学部の小峯茂嗣先生には特に感謝したいと思います。










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『体制保証』の中身が重要ー米朝首脳会談に向けて

2018年05月20日 18時56分11秒 | 政治

 「体制の保証を認めてしまっては、独裁者に生死与奪権を握られた奴隷国家・北朝鮮の現状は変わりません。体制を放棄すれば金正恩委員長の命は保証するという交渉でなくては!」

 43年間過ごした北朝鮮から脱北し、現在、朝鮮半島の統一と平和を求めるNGO『モドゥモイジャ』の代表を務める川崎栄子さんは、悲痛な表情で語りました。

 米朝首脳会談を前に、トランプ大統領の側近や国連に対し、北朝鮮の現在の体制を保証してしまっては何も変わらないと再三訴えてきた川崎さん。トランプ大統領が体制の維持を受け入れる発言を行ったことに落胆した様子でした。歴史に名を残すことに前のめりのトランプ大統領と自己保身だけが目的の金正恩委委員長の合意が長年虐げられてきた北朝鮮の人々を置き去りにしたものにしてしまうことを強く懸念する様子でした。また、金正恩体制を維持したままでは、中国との様々な密約に縛られ、自由な経済活動を行うことも不可能だと語りました。

 私自身は、南北首脳会談を経て、6月12日に行われる米朝首脳会談によって、歴史の転換期がまさに目前に迫っているとやや楽観的見方をしていましたが、川崎さんの見方は非常に厳しいものでした。

 2014年5月、私は川崎さんの案内で中国東北部の延辺朝鮮族自治州の延吉から長白まで、一週間にわたって中朝国境地域を歩いたことがあります。非常に印象的だったのは、北朝鮮側の山は延々と丸坊主だったこと、夜になると鴨緑江を挟んだ反対側は全く電気の無い闇の世界だったことです。

 私たちが泊まった宿は中朝間の密貿易を行う人々のたまり場になっていたらしく、川崎さんは様々な情報を聞き出しました。国民を食べさせていけなければ政権が危ういことを知っている金正恩体制においては国境の密貿易が黙認されていること、ごく一部の商才とコネがある人は、密貿易を通して大金を得ているが、国境を管理している軍や役人には賄賂が払われていること、これらの政策の転換は大きな貧富の差をもたらしている一方、それまでは厳禁だった経済活動が黙認されていることで、一般の人々の間でも食料の流通も行われるようになったことなどです。

 私自身、2000年に北朝鮮を最初に訪問した時は、市民生活の中で経済活動がまるで行われていないことに驚愕しましたが、2014年に再訪した時は、地方の窮状は見たところほとんど変わっていない一方、国民の1割以上が餓死したと言われる90年代後半の状況に比較すると、少なくとも食料事情は僅かながら好転している様子でした。一方、平壌は、多くの市民が携帯電話を持っているなど、物資が流通し、2000年当時とは比較にならないほどお金も人も流通しているように見えました。164ヵ国と国交がある現状を考えると経済制裁の効果は極めて限定的であること、その被害をもっとも強く受けているのは体制から弾かれている貧困層である構図を実感しました。

 米朝首脳会談に求める重要な視点は、金正恩体制を守るよりも北朝鮮の人々を守るために何ができるかです。より多く放棄することを求めるなら、相応の見返りを求めてくることは想定しなくてはなりません。しかし国際社会が、今の体制にお墨付きを与えることになれば肝心の北朝鮮の人々は浮かばれません。嘘で固めた長年の矛盾が噴出して大きな混乱が生じるのみならず、タガが外れたことで内戦に突入することもあり得るでしょう。

 では、どうすればいいのか。ひとつの方向性は国連による暫定統治でしょう。かつてカンボジアでは、1992年から1993年にかけて国連が暫定的に統治するUNTAC(国連カンボジア暫定統治機構)が展開。治安の維持、難民の帰還、武装解除、地雷除去、そして制憲議会選挙の実施などを行いました。私自身も挙部門を担う国連ボランティアとして1年間活動しました。国連による暫定統治には効率性の面では問題があることは承知していますが、一度体制をリセットし、公正な統治を行う上では一定の役割を果たす効果があると思います。

 自由で公正な選挙によって国民が自由に自分たちの未来を選べる体制を作ること。この視点がなければ、もし、平和協定が締結されたとしても、その平和は火種を封じ込めただけのものになる可能性が高くなります。『体制の保証』が何を意味するのか、注視していかなくてはありません。















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安全保障上重要な国境離島の実態調査について、議員立法を提出した視点から

2018年04月08日 12時24分54秒 | 政治

安全保障上重要な国境離島の私有地を調査するとの記事が読売新聞に載っていました。2013年に私が座長として調査を行い、議員立法を提出して、予算委員会で安倍総理に実現を迫ったテーマでもあります。

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-20180407-50146/

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/c54386da3bc0c1200064871a011b1a70

一般には、外国資本が投資を行い日本の経済活性化に寄与してくれることは歓迎すべきことだと思います。しかし、日本は外国人による土地所有についての制約がない世界で唯一の国。現在、国境離島や水源、自衛隊や原発の周辺の私有地が外国資本によって次々に買われ、安全保障上も大きな問題になっています。平和と安心を脅かされる可能性があるとすれば、歯止めをかけるための措置が必要です。従って、自由な経済活動との調和を図りながら、少なくとも国家安全保障上重要な土地については、外国人、日本人を問わず、その取引について必要最小限の制限を設けるべきとの考えに至りました。

現状の問題点は登記簿における所有者と実態が大きくかけ離れていること。登記簿を管理する法務局は実態を把握しておらず、もし安全保障上問題のある行動の拠点として利用する目的で反社会勢力が土地を購入しようとしていても何の情報も把握できない状況です。法案においては、現在は事後で良いとされている土地の取り引きについても、国家安全保障上重要と指定した土地については事前届け出を義務付け、国が収用することも可能としています。今回の調査がその一歩になることを願うとともに、与野党が良い法案作りに向けて協力し合えるよう、私も引き続きできることをしていきたいと思います。





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岐阜市長選挙へ、しばはし正直候補の再挑戦

2018年01月27日 00時02分07秒 | 政治

 岐阜市長選挙まであと2日に迫ってきました。

 しばはし正直候補とは2009年の衆議院選挙に同期当選の友人でもあります。2013年に挑んだ最初の岐阜市長選挙は1507票差の惜敗でした。それ以降、1000回以上の集会を重ねるなど地道な努力を重ね、様々な葛藤や壁にぶつかりながらも岐阜を前に進めるひたむきな思いを多くの人々と共有しています。

 市政の継続性を守りながら、同時に衰退につながっていく現状維持を選択しようとする大きな力と闘うことは並大抵のことではありません。しかし、彼はそれを可能にする力を持っています。全てを賭けた選挙に臨む覚悟と、相変わらずの爽やかさ、人柄の良さが伝わって、温かい雰囲気の選挙事務所もは多くの人が集まってきています。

 しばはし候補と私は、2010年に『事業仕分け調査チーム』のメンバーとして外務省管轄の公益法人や財団法人を二人で訪ねてヒアリングを重ねたパートナーでもあります。外務省から天下りを受け、1000万円以上の公費支出を受けた団体であること、また、事業の全部または一部を委託等として外部に依存しているトンネル法人であることなど7つの項目に複数当てはまる法人を対象に、数日間、ヒアリングを行いました。一次情報を省庁に提供してもらうのではなく、直々に調査に歩きました。ヒアリング前にどれだけ情報を頭にいれるかが勝負とお互いに徹夜に近い状態で資料を読み込んで臨み、協力し合って質問を続ける中で、彼の能力、人柄には強い信頼を抱くようになりました。

 自民党王国とされる岐阜でしばはし候補が市長になれば、新しい風が起こることでしょう。私の選挙区である岐阜3区の一部も岐阜市(旧柳津町)。少しでも力になりたいと思います。(最初の写真は2010年4月8日、一緒に事業仕分けの調査をしている時のものです)

 しばはし候補は、今回は広く市民の代表として完全無所属の立場。私もひとりのボランティアとして、ひたすら電話掛けをしています。先日は、ふと振り返ると30台の電話ブースがいっぱいでした。こんなに多くの人々の熱い思いに支えられているしばはし氏には何が何でも市長になってもらわなくては!






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宮本恒靖氏の挑戦ー民族融和と多文化共存を目指すモスタル市のスポーツ・アカデミーを見学して

2018年01月01日 06時11分18秒 | 政治

 あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

 今日はボスニア・ヘルツェゴビナ西部のモスタルに行き、『マリモスト』というサッカーアカデミーを見学しました。このアカデミーはサッカー日本代表でキャプテンを務めた宮本恒靖氏がFIFAの大学院でグループ研究したテーマが発端です。「ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルに、民族融和と多文化共存に寄与するような子ども向けのスポーツ・アカデミーを設立できるか」というのがそのテーマ。十分に可能との結論になり、モスタル市のスポーツ協会をパートナーにしてスタートしました。現在は7歳から13歳までの子どもたち約60人が学んでいます。そのうち10人が女の子だそうです。

 モスタル市に留学し、現地の女子リーグ所属しながらこのアカデミーにおける女子チーム設立準備を進めている山口さんが時間を作って下さったので、アカデミー、そして街の案内をして頂きました。

 モスタルは旧市街が世界遺産登録されている美しい街です。しかし、内戦の結果、ムスリム側とクロアチア側に分断されてしまいました。歴史的要因、豊かなクロアチア側との大きな経済格差に加え、ネレトバ川の近くの道路が境界線になっている街の構造自体が交流を難しくしています。例えば同じ学校でも入り口、教室、授業のプログラム、使う言語、時間が違い、先生も違うそうです。学校のプログラムが民族によって違うのはボスニア全体に共通することですが、山口さんによると学生のデモがきっかけで現在では60校近くが共通プログラムで授業を行うようになったそうですが、モスタルの人々は紛争再発の恐れから、このようなシステムを変えることには特に消極的だそうです。また市議会が機能しないなど、政治自体が共存を阻害する要因になっているそうです。

 民族の異なる子どもがひとつのボールを追いかけ、チームワークやフェアプレーを学ぶ機会、それは、民族融和への一歩になるはずです。最初にこの試みを知った時、スポーツを通した民族の融和、そして他民族の共存を目指すチャレンジのモデルになる可能性があると感じましたが、実際に見て、その思いはさらに強くなりました。マリモスト(小さな橋)の挑戦、今後ともウォッチし、私ができる方法でサポートしていきたいと思います。是非、皆さんも知って頂きたいと思います。







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イビチャ・オシム元サッカー日本代表監督との対話ー多様性を守ることの価値

2017年12月31日 07時14分23秒 | 政治

 内戦直後の1996年に勤務していたボスニア・ヘルツェゴビナの首都・サラエボに来ています。紛争解決と民族和解をテーマに関係者にヒアリングを行っていますが、昨日はサラエボ出身でサッカー日本代表監督を務めたイビチャ・オシム氏に会いました。オシム氏は、民族問題により3つに分裂し、FIFAから資格停止処分を受けていたボスニアサッカー連盟を統一する大きな役割を果たし、祖国ボスニアを2014年のWカップブラジル大会出場に導いた立役者でもあります。

 オシム氏の言葉の数々に心を打たれました。

「サラエボが魅力的だったのは、各民族が共存する多様性があったからだ。サッカーの美しさは、多種多様な個性がそれぞれの強みを見つけ、磨き上げ、一体になることだ。私はそれをサラエボから学んだ」

 国家分裂の危機に瀕したユーゴスラビアをワールドカップでベスト8に導き、レアル・マドリードなどの強豪チームからのオファーを断り続け、弱いチームを劇的に変える数々の奇跡を見せてきた名監督だからこその言葉の重みを感じました。オシム氏の生き方自体が、大国、あるいは力のあるチームが意のままに世界を操ろうとする世界の現状への強烈な問題提起と感じました。また、米国主導のデイトン和平合意によってボスニア内戦は終結(1995年)したものの、国家が分断され民族の和解が進まない状況に心を痛めていることが伝わってきました。

 オシム氏の奥さん(Asaさん)からは日本がアメリカから武器の購入を増やすことについてどう思うかと聞かれました。私は紛争解決のための仲介や、和解の促進に寄与する日本を目指しているので、そのためには中立と思われることが不可欠。軍事的脅威を与える国になるとその可能性を放棄することになるので反対と答えると、二人は、オシム氏が仲介者として信頼され、サッカー連盟の統一に寄与できたのも中立だったからだと強調していました。

 オシム氏がユーゴスラビア代表監督だった時は、まさにユーゴスラビアが内戦に突入し、国家が分裂を始めた時期です。民族主義者やマスコミからは自分たちの民族の選手を使えと、すさまじい圧力がありながら、終始一貫フェアな態度を貫いた勇気を多くの人々が知っています。また、サラエボが包囲され多くの市民が命を落とす中、祖国に帰れないオシム氏と、自分だけがサラエボから出るわけにはいかないと苛烈な生活を耐え抜いた夫人は、生死さえも確認できない時期が長く続きました。だからこそ、平和を願う気持ちの強さ、サッカーを通した民族融和への二人の思いは心に刺さりました。

 民族の壁を超えた英雄でもあるオシム氏。会話の途中にもファンが何度も握手に訪れました。30分も会えればありがたいと思っていたのですが、途中からはグラッパ(イタリア版ブランデー)を勧められ、3時間にわたってお話しすることができ、まさに珠玉の時間になりました。









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瀕死のカンボジア民主主義-日本政府は強硬な態度で臨め

2017年11月17日 12時20分10秒 | 政治

 
 カンボジアの最高裁判所は16日、最大野党のカンボジア救国党(CNRP)を解党するとともに、政治家100人以上に対し今後5年間の政治活動を禁止する判決を下しました。来年7月の総選挙を控え、政権交代に期待する多くのカンボジア人の選択肢を奪ってしまいました。まさにカンボジア民主主義は瀕死の状況と言うしかありません。

 私は1992年以降、国連やNGOの一員としてカンボジアの民主化支援に関わってきました。まさにライフワークとして取り組んできました。日本ができるもっとも有効な貢献は選挙制度改革によって不正が行われる余地を可能な限り小さくすることと確信し、国会議員になってからは選挙人登録の電子化支援を提案し、実際に運用されるところまで進みました。

http://blog.goo.ne.jp/xd…/e/2109a72fcffd53a8f56db6518ae0b831

 2013年の総選挙では救国党が躍進。多くのカンボジア人が、不正がなければ政権交代が起こっていたと感じています。国民IDを電子化し、選挙管理委員会のコンピューターシステムと連動させる新しい選挙制度によって今年行われたコミューン選挙でも救国党が与党・人民党に迫る勢いでした。選挙制度改革によってこれまでのような不正ができる余地がなくなり、不利と見られた来年の総選挙を前に、まさか最大野党を解党させる暴挙に出るとは。唖然とするばかりです。

判事も与党人民党の党員。裁判は最初から出来レースと思われていました。野党議員がこの14年間に15人も殺害されていると併せ、カンボジアの民主主義は重大な危機を迎えています。長年、カンボジアにとって最大の援助国であった日本政府は何をしているのか?現地からは安倍総理はフン・セン首相に非公式に支持を表明しているとでは?との声も聞こえてきます。民主化を支援してきた国として毅然たる態度で臨まなくては、カンボジアの人々のみならず、国際社会の信頼も失います。
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総選挙の総括が必要-国民の声、落選候補者の声を受け止める党であれ

2017年10月29日 21時13分07秒 | 政治

 衆議院選挙の投票日からちょうど1週間。激しい風雨は投票日のようです。

 この一週間は、連日挨拶まわりを行っています。結果を出せなかったことのお詫びと温かい支援の感謝を伝えるとともに、引き続き岐阜3区で活動し、次の衆議院選挙を目指す決意を伝えています。可能な限り皆さんの声を聞いていますが、応援してくださった方々の複雑な思い、様々な声も改めて胸に刻んでいます。

 特に聞かれるのは、希望の党の今後、そして私がこれからどのようなスタンスで活動するのかということです。

 地方組織は民進党のまま存続する一方で、国政(衆議院)は希望の党と立憲民主党、さらに無所属の方々に分かれることになりました。今回の総選挙における私たちの大義は安倍政権に代わる選択肢になること。確かな野党を目指すことではなく、もちろん、自民党の補完勢力になることでは決してありません。

 であれば、原点に戻って野党間の協力の在り方を示すべきです。永田町の論理での数合わせや、早急な再編は求めません。しかし、巨大与党に対抗するには協力すべきところは協力し、政権交代の可能性を追及する姿勢を見せるべきだと思います。

 また、180人を超える落選者にどのように向き合うのか、今後の政治活動費用を含め方向性を示して頂きたいと思います。

 私の政治活動は、国連やNGOでの活動で身近に接した紛争地域や貧困地域の弱者への共感と、社会的不公正や不正義を正したいとの思いからスタートしました。この点は変わりようがないので、どの党に所属していてもきわめてリベラルなスタンスだと思います。希望の党の考え方とは違うのでは?とよく聞かれますが、様々な不条理は呑み込み、政権交代の受け皿になるため、全員が一致結束して行動することを前提に希望の党に移ることを受け入れました。政策協定書の中身も最初にマスコミに流れたものとは違い、許容できるものと判断しました。結果を見れば判断が甘かったことになりますが、政権交代に向けた前原代表の乾坤一擲の決断を私は支持しました。

 従って、希望の党の一員として選挙を総括すること、今後の党の在り方、野党再編の方向性をしっかり見極めることが出発点と考えています。

 残念ながら大失速の原因になった国民の不信感、私たち候補者が疑念を抱くことになった党のマネージメントの在り方には、明確な回答、または今後の方向性を示してもらう必要があります。政策決定過程や候補者の選定、比例名簿の決められ方などが本当に『しがらみゼロ』の考え方を反映したものだったのか? 選挙期間中ずっと待ち望んだ首班指名を年齢と当選回数で決めることになったのはなぜか? また、失速を止めるための危機管理、また、供託金などお金の管理はどうなっているのか?ブラックボックスの中身を確かめずに前向きになっても、また同じことを繰り返すことになると思います。これらの点については、当選者だけでなく落選候補者の声も反映させて、明確にするよう求めていきたいと思います。

 選挙結果は全て自己責任。誰かに責任を転嫁する気はさらさらありません。しかし、今後も強大な安倍政権に対峙する希望の党として、野党として、同じ間違いを繰り返さないように、しっかり分析・検証することは絶対に必要だと思います。


民進党岐阜県連での拡大常任幹事会で挨拶する今井雅人衆議院議員。私からも希望の党の在り方、野党協力の方向性について、皆さんの声を元に提言をしていくことをこの場で申し上げました。


 

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再出発

2017年10月24日 07時21分09秒 | 政治

 岐阜3区で民進党の公認を頂いて僅か1ヵ月後の衆議院選挙だったにもかかわらず、多くの方々に熱いご支援を頂いた選挙戦でした。当選を果たすことができず、力不足を申し訳なく思います。昨日は、今日から再出発との思いで早速、次に向けての活動を開始しました。

 巨大与党に対する野党の在り方、闘い方について、考えさせられることが多い選挙戦でした。私自身は、国連やNGOの活動を通して、地球社会の問題解決に貢献したいとの思いからスタートした政治活動でした。地域での活動に自分の価値観を反映させた手法を生み出し、次回に備えたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

(公職選挙法の関係でお礼のご挨拶ができないこと、ご理解頂ければと思います)

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民意の逆襲を信じ、起こすための12日間

2017年10月21日 23時32分59秒 | 政治

 12日間の選挙戦がほぼ終わりました。報道では「自公で3分の2を超える勢い」となっています。安倍政権の継続を望まない人の数は10ポイントほど多いにもかかわらずです。これではまさに民意とは逆の結果になってしまいます。でも本当にそうなってしまっていいのでしょうか?これではもう完全な「安倍政権への白紙委任」です。ますます国民軽視の政治が加速するでしょう。民意の逆襲を信じ、とにかく目の前の人の心を動かすことに集中し、約300回の街頭演説、6回の個人演説会、また早朝と深夜の活動では言葉で、全身で、私が目指す社会の在り方を訴えました。

 私が目指すのはみんなが役割を果たし、みんなが幸せになる社会。ひとりひとりが大切にされる社会。地域を歩いていると格差が拡大し、分断社会が進行していると実感します。アベノミクスによって金融資産1億円以上の人が1.9倍に増えるなどお金持ちは大金持ちになりましたが、非正規社員が4割を超え、貯蓄ゼロの世帯が新たに466万世帯も増えるなど、不公平、不条理な社会が進行しています。税金の取り方、分配の方法を変え、消費税増税ではなく、余裕のある方々に応分の負担をお願いすることで、子育て支援や教育や社会保障にまわすことで安心を生み出し、消費を喚起するシステムをつくろう。ひとりひとりの可能性を切り拓き、結果として、税金をより多く払った方にも利益が循環するシステムを政治の英知を尽くして作ろう!と訴えました。

 民意の逆襲はあるのか。いや必ず起こして見せます。
 













 




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