阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

沖縄北方問題特別委員会での質疑

2013年06月20日 22時24分10秒 | 政治

 今、私は安全保障上重要な土地について不透明な売買や、国益に反する土地の利用を未然に防ぐための議員立法を目指す勉強会の座長をしています。規制を行う対象として国境の離島や、自衛隊、原発などの重要施設所在地、また重要な水源を含む地域を考えています。

 先日行われた沖縄北方特別委員会では、与那国島をテーマに離島の安全保障と経済活性化について質問しました。自衛隊の沿岸監視部隊誘致をめぐる問題や、私が取り組んでいる外国人を含めた不透明な土地の売買について、また、与那国の文化や自然を活かした経済の振興策について問題提起しました。


○阪口委員 日本維新の会の阪口直人と申します。

 本日は、沖縄の与那国島を主なテーマとして、国境に位置する離島の安全保障や経済の活性化について質問をさせていただきたいと思います。

 与那国島では、中国籍と思われる軍艦や船舶が非常に頻繁に確認されていることもありまして、また島の活性化を願う思いもあって、二〇〇八年に与那国町議会が自衛隊の誘致を決議いたしました。二〇〇九年の八月には、自衛隊誘致を主張する外間町長が当選をしました。その結果、昨年度の予算には、用地買収を中心とした十億円の予算が計上されて、そして、二〇一三年度、本年度の予算には、レーダーの設置や駐屯地の建設などに六十二億円の金額が計上されて、陸上自衛隊の沿岸監視部隊を展開するということで準備が進められております。

 ところが、この自衛隊の基地の建設に関して、誘致をした側の町が、迷惑料、今は市町村協力費という名目になっておりますが、十億円を要求して、この建設が今暗礁に乗り上げている、そういった状況でございます。

 私も、この問題、実態はどうなっているのかということを、今月の初めに現地に行って、さまざまな方にヒアリングをしてまいりました。町を二分する非常に大きな問題になっておりますが、まず、現状についてどのような認識をされているのか、お伺いをしたいと思います。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 もう委員は十分御承知だと思うわけでありますけれども、まずもって、この南西地域の島嶼部の防衛というのは非常に重要なものであるというふうに我々も認識しております。

 その上で、与那国島への沿岸監視部隊の配置につきましては、外間町長等からの要請を踏まえまして、地元との調整を進めてきたところですけれども、今委員からお話がありましたとおり、外間町長から、いわゆる市町村協力費、まあ迷惑料ですけれども、十億円という要求が来たわけであります。これは余りにも理不尽なものでありまして、一切応じることはできないということで、これまで防衛省からの積極的な用地交渉ということは控えさせていただいております。

 御指摘の外間町長の意向につきましては、今後、外間町長等から新たにまた正式な提案というものがあれば、我々防衛省としては対応を検討させていただきたいというふうには考えております。そのときにおいては、我々も、与那国島の地域振興ということに対してもできるだけ寄与したいというふうには考えております。

 ただ、今の段階におきましては、その辺の意向がきちんと確認できておりませんものですから、我々は控えさせていただいている、そのような状況でございます。

○阪口委員 与那国島は、人が住む島としては日本の最西端にあるということもございまして、安全保障という観点で見た場合には、周辺のどの島と比べても、この地域に沿岸監視部隊を設置する意義というのはあると思います。

 ただ、金額面で折り合わないということでこの交渉が進まない場合、例えば、ほかの島に同様の基地を持っていくような計画がおありになるのかどうか。あるいは、何としても必要性を説得して、町側と折り合いを目指していくのかどうか。そのあたりの現在の国としての姿勢についてお伺いをしたいと思います。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 用地交渉等の進展が見られない場合、この地域における島嶼防衛ということを考えた場合においては、ほかの地域ということも考えなければいけないというふうなところも我々も考えておりますけれども、今の段階でどのような形になるか、いろいろ水面下等の交渉もあるものですから、詳しいことのお答えは控えさせていただきたいと思っております。

○阪口委員 基地周辺、自衛隊等の安全保障上非常に重要な土地の周辺における、さまざまな不透明な用地買収というのが大きな問題であると思います。

 例えば、中国系の資本などが投機目的で、日本にとっての国防上重要な場所、これは沖縄に限りませんけれども、売買をしている、またその実態がきちんと登記されていない、あるいは固定資産税が払われていないということで、把握できない事態があちこちで起こっている。これは大変に憂慮すべき事態だと思います。

 この大変に重要な基地周辺の土地については、そういった問題がしっかりと把握されているのか、つまり、土地所有者の実態把握というのは国としてきちんとなされているのかどうか、いかがでしょうか。

○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員が御指摘の、自衛隊施設周辺におきます外国人等による土地の取得に係る御指摘ということは私たちもしっかりと意識させていただいておりまして、自衛隊施設の周辺状況につきましては、その地域の特性を踏まえ、常に関心を持って注視させていただいております。

 自衛隊の部隊等の運営におきまして、例えば、監視カメラの設置、あるいは常時当直員の配置、あるいは施設内の巡回等について地域の特性を踏まえ実施するなど、また、自衛隊周辺施設にさまざまな状況が生じたとしても部隊の運営に支障を及ぼすことがないよう、引き続き万全を期すこととしておりますけれども、現在のところ、外国人やあるいは外国資本による自衛隊施設に隣接する土地の買収によって、部隊の運営に直接影響が出ているということは承知しておりません。

○阪口委員 現在のところは直接的な影響はないということでしたが、今後、日本周辺の事態が緊張感を増すにつれて、これが国防上大変大きなネックになる可能性もあると思います。

 私は、土地の利用を制限するなどの何らかの法整備を早急に行っていかなくてはいけないという問題意識を持っておりますが、沖縄及び北方を担当する大臣として、この問題についてどのような基本的な考えをお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○山本国務大臣 先ほども防衛副大臣の方からありましたが、沖縄は、東西千キロ、南北四百キロに百六十の島がある、我が国唯一の島嶼県と言っていいと思います。離島地域の活性化は沖縄全体の発展にとって重要な課題だというふうに思っていまして、特に委員がきょう取り上げておられる与那国島、これは国境離島ですから、この振興を図ることは国土保全の面からも重要だというふうに沖縄振興担当大臣としても考えております。

 離島は、美しい自然、独自の文化、非常に魅力的な場所ですけれども、これも委員御存じのとおり、移動、物流コストの低減等による離島住民の負担軽減とか、定住条件の整備とか、産業振興による活性化等の課題もあるというふうに認識をしています。

 これらの課題に関し、与那国島においては、平成二十四年度に新たに創設された一括交付金の制度を活用して、与那国を対象とする離島住民等の交通コストの負担軽減の事業とか、余り細かく全部申し上げませんけれども、例えば小規模離島航路の確保、維持を図るための船舶建造及び購入費用の補助を行う事業とか、いろいろなことをやらせていただいていまして、農業振興の観点からも、いろいろな経営安定化のサポート等々もやっております。

 結論として、沖縄振興特別措置法、沖縄振興基本方針等に基づいて、沖縄の特性や魅力を最大限に発揮しつつ、地域の活性化を図るということで、沖縄県、与那国島と連携をして、与那国の農水、観光を初めとする産業の活性化、交通、生活環境、情報通信基盤の整備等の取り組みを支援していきたい。それはやはり、国境離島が非常に重要だという認識に基づいてやらなければいけないと思っております。

○阪口委員 実は、今お答えいただいたのは、私がこの後で質問しようと思っていたことでございまして、大変流暢に答えていただいたんですが、私の今の質問は、法整備の必要性についてということでございました。山本大臣の個人的な思いをぜひ伺いたいと思っています。




写真上:山本大臣に質問する私 


○山本国務大臣 大変失礼いたしました。

 沖縄振興担当大臣として言うと、その法整備について私が申し上げる立場にないと思ったんですが、実は私、海洋政策担当大臣でもございまして、私のもとに、今、国境離島振興、管理を考える有識者懇談会というのをやっておりまして、そこで国境離島に対してどういう対策をとったらいいかということを議論しております。

 御存じのとおり、自民党でも議員立法がありまして、やはり国境離島については、今委員がおっしゃったようないろいろな問題意識を持って対策を講じていかなければいけないのではないかということがありますので、そちらの海洋政策担当大臣としての有識者懇談会では、もうちょっときちっとした管理ができるように、与那国のような国境離島については、さまざまな対策を講じていかなければいけない、こう考えております。

○阪口委員 今回、現地でさまざまな方とお話をしたところ、東京にいると、与那国というのは、国境警備上非常に重要だという意識にどうしても凝り固まってしまうんですが、現地の方々にとっては、大変に切実な経済問題であるという側面が最も強いんじゃないかなと私は思いました。

 自衛隊を誘致すれば、その経済効果で町が少しでも潤うと考えていらっしゃる方々と、いや、自衛隊が来てしまうと、場合によってはここが攻撃のターゲットになるかもしれない、また、基地ができることによって、島の文化が何らかの影響を受けて、観光客などの減少につながる、要するに経済的なデメリットが生じるんじゃないか、そういった議論がなされていました。

 例えば、こういう二つの異なる考え方を持ったグループを前に、政府の方針としては自衛隊の部隊をここに設置するわけですから、もし、山本大臣、現地のいわゆる反対派の方を目の前にしたときにどのようにして説得をされるか。大臣自身が現地に行かれて、彼らと向き合ったとして、どのようなメリット、そしてどのような意義を説明されるのか、ぜひ山本大臣に伺いたいと思います。

○山本国務大臣 ちょっと申しわけありません、質問の趣旨というか意味がよくわからないんですけれども、いずれにせよ、与那国にはいつか行きたいと思っていまして、まだ伺っていませんので、余りシミュレーションみたいなことをしない方がいいと思いますから、きちっとそこでお目にかかったときに考えたいと思います。もうちょっと質問の趣旨がわかれば、もう少しお答えできると思うんですけれども、済みません。

○阪口委員 私の質問の仕方が恐らく悪かったんだと思いますが、要するに、経済の問題で、反対派、賛成派が割れているというのが一番の現状だと私は思いました。要するに、与那国のよさを守りながら、でも自衛隊を展開することで経済の活性化と現地の文化や自然を両方とも実現することができるとすれば、反対派の方々を説得することも可能であると思うんです。

 もし、沖縄北方大臣として、現地の方々と向き合って、基地の必要性、そして現地のよさを生かした開発のあり方について議論をするとすれば、山本大臣であればどのような言葉で向き合うのか、あるいは説得するのか、そういった質問でございます。

○山本国務大臣 大変申しわけないんですが、基地の問題は私の所管ではありませんから、それについて、例えば沖縄振興と結びつけて議論をするということはなかなか難しいと思います。

 私が申し上げるとすれば、やはり国境離島の重要性、ですから、しっかりと沖縄振興担当大臣として国境離島の振興もいろいろな形で考えていく、これしかないと思います。

○阪口委員 基地は直接的な管轄ではないということですが、やはり沖縄の振興を考えたときに、基地というのは本当に避けて通ることはできないと思うんですね。そういう意味では、ちょっと山本大臣らしくない、官僚答弁であったかなと思います。

 最後に、この与那国島には、実は、古代の海底遺跡ではないかと思われる遺跡が島の南側の海中にあるんですね。これが自然にできたものなのか、あるいは古代遺跡なのかということに関しては論争がありまして、まだ結論は出ておりません。しかし、東西に二百五十メートル、南北に百五十メートル前後の規模があって、また円柱と思われる、さらにテラスや階段と思われるような、人工建設物ではないかと我々が想像したくなるような、そういった風景が海中に広がってございます。

 私は、この遺跡と思われる海中の状況を守る上でも、あるいは切実な現地の経済問題を解決する上でも、国として、しっかりとした調査を行って、まずは状況についてしっかりと把握をする、そして、しっかり保存して、場合によっては観光の目玉にしていく、そういった戦略があってもいいのではないかと思いますが、この点について、山本大臣はどのようにお考えでしょうか。

○山本国務大臣 先生が今おっしゃった海底遺跡の問題はちょっと勉強させていただきたいと思いますが、観光リゾート産業は沖縄経済を牽引するリーディング産業ですから、いろいろなことを生かして、沖縄の自立経済の構築のために、観光産業を振興していくというのは大変大事だと思っています。

 特に、沖縄の離島については、自然も豊かですし、島ごとに異なる文化もありますし、個性的で魅力的な地域資源というのが本当に多くありますから、これは全国的にも観光地として高い評価を得ているところだと思います。こうした強みを生かして観光客の誘致を図っていく、これは、沖縄の観光振興、離島振興、双方を推進する観点から大変重要だと思っています。

 平成二十四年度、先ほども申し上げましたが、沖縄振興交付金が創設されましたので、これを活用して、沖縄県において、例えば八重山地域の観光プロモーション活動を行ったり、与那国では、これも委員御存じかもしれませんが、沖縄振興交付金を使って、国際カジキ釣り大会というのを実はやっておりまして、これで、観光誘客の促進とか、旅行業者等と連携した各種の広報媒体等による情報発信体制の構築等の観光事業を今やっております。

 内閣府としては、それぞれの離島が有する多様な力を十分に発揮してまいれるよう、いろいろな観光資源があれば、少しそういうものを調べながら、どうやって生かせるかということも議論していきたいと思いますし、引き続き、沖縄県と連携して取り組んでまいりたいと思います。

○阪口委員 ありがとうございます。

 私が与那国を訪ねて、いろいろな方々と話をした限りでは、一般的なリゾート開発というよりは、独自の植生や文化、また食の伝統、そういったものが本当に失われることがないように、日本の中でも本当に貴重なこの島のよさをぜひ伸ばしていくような開発を行っていただきたいと思いますし、そういった考えをベースに持ちながら、では、自衛隊の問題をどうするのかということを考えていかなくてはいけないと思います。

 島の人々は、自分たちの独自の文化、自然に本当に誇りを持っていると思います。ぜひ、彼らの思いをしっかり酌んだ開発、そして防衛計画を立てていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。




写真上:与那国島は日本の他の地域とは全く違う自然、そして文化が印象的なとても魅力的な島でした。
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予算委員会での質疑

2013年06月11日 22時38分15秒 | 政治

 ずいぶん前のことになりますが、3月18日に質疑に立った予算委員会(TPPについての集中審議)の会議録がアップされているので掲載します。

予算委員会でTPPについて集中審議

 今、成長戦略についての集中審議を要請していますが、安倍総理は拒否をしています。アベノミクスは予想より早く失速。最近は株価が大幅下落を続けて13000円前後で推移しています。成長戦略を発表した昨日も大幅安。黒田総裁が就任して大胆な金融緩和を始めた時よりも前の水準に戻ってしまいました。安倍総理は調子がいい時は「結果が全て」って強気だったのですが、成長戦略に関する7時間の予算委員会を約束しておきながら、株価が下落してからは様々な理由をつけてやろうとしません。私たちは自民党には絶対に提示できない既得権益と闘う成長戦略を提示すべく、私も政調副会長としてマニフェスト作りを担っています。私の担当は主に外交安全保障分野ですが、インフラの海外展開などはまさに成長戦略の中核です。国益を守ること、地球益、人類益に配慮することのバランスを考えながら、今、政策について考えているところです。

 都議会議員選挙の応援などでマイクを持っていると、維新への逆風とともに、安倍政権に対する見方も変わってきたのを感じます。既成政党にはできない規制緩和で産業構造の転換を図る!という維新の姿勢を訴えていきます。



○阪口委員 日本維新の会の阪口直人でございます。

 私たち日本維新の会は、自立する個人、自立する地域、そして自立する国家の実現を唱えております。TPPへの交渉参加によって、これらの我々の理念を確かなものにする、その上で、総理のこの交渉参加に向けての戦略と覚悟、そして責任のとり方について、きょうは質問をさせていただきたいと思います。

 私が聞きたい大きなテーマは、二つございます。

 一つは、先ほど自立と申し上げましたが、アメリカからの自立をいかに実現するか。TPPという多国間の交渉の中で、アメリカに対していかに主張して、そして日本の国益をかち取っていくか、これがまず一つです。そして同時に、TPPへの参加によって、日本だから国際社会に貢献できる、その価値をいかに最大化するか、いかに国際社会の信頼を得るための戦略をここに反映させていくか。

 この二点について、本質的な部分をお聞きしたいと思いますので、できる限り総理にお答えをいただきたいと思います。

 さて、まず、このTPP交渉への参加を決断されたこと、この点については心から敬意を表します。自民党内部にも大変に大きな激烈な反対があり、非常に厳しい道のりであったと思います。

 しかし、ここからの交渉はさらに厳しいものになると思います。

 きょうも何度も議論はあったと思いますが、私は、このTPP交渉に参加するという中で、公正な競争条件の放棄、これがあってはいけないと思います。ただ、実際にこのプロセスで、既にアメリカに対する大きな譲歩をする要因をつくっているように私には思えてなりません。

 聖域なき関税撤廃を前提とする限りは反対、この言葉を聞いて、多くの方々は、自民党はTPP交渉参加に反対するんだなと思ったと思います。しかし、何のための事前協議なのか。これはどんな聖域をつくるか議論するためなんですから、最初からあった聖域を交渉してかち取ったように見せるこの手法、これは政治手法としてはすぐれているかもしれませんが、納得できない、こう思っている方も多いんじゃないでしょうか。

 オバマ大統領は、アメリカにおいて雇用をふやすことが大統領選挙の公約でした。ですから、とにかく日本には参加をしてほしかった。もともと交渉カードはこちらにあったわけですから、逆に、聖域を獲得することの難しさを演出したことで、足元を見られてしまった。国内では聖域を守ったように説明できても、アメリカに対しては、日本にとって最強の輸出品目である自動車において、公正な競争条件の確保を放棄するという、とんでもない譲歩からスタートしなければいけない、このようになっているように私には思えます。

 今、WBCが開催されていますが、なぜ予選の段階で四番バッターを引っ込めるような戦いをするのか。自動車の関税の撤廃、そして日本の安全基準を守る、これは絶対に譲ってはいけないと思います。ここに戦略があるなら、総理、ぜひ御説明をいただきたいと思います。

○甘利国務大臣 必要に応じて総理からも御答弁があるかと思いますが、担当大臣として、先に答弁をさせていただきます。

 日米首脳会談で、文書として幾つかの項目が確認をされました。これは実はそう簡単ではなかったやりとりであります。総理は相当な決意を持って、相当タフなネゴシエーションをして、そして、あの文章をつくり上げることができたんだと思います。ということは、向こうにとってみれば、ああいう文書は、なくて済めばない方がいいと思ったはずです。だからこそ、そう簡単に事がなせなかったわけであります。

 そこで、具体的に、日米のトップがトップの責任として文書で確認したというのは、いや、我々はわかっていたとか、我々もそうだったとか、どう言おうと、文書で両国首脳が確認できたということの大きさを超えることはできないんだと思うんですね。そういうことが一つあります。

 それから、我々は白地で交渉を担当したわけではありません。

 政権を担当して二カ月強で、安倍総理は決断をしたわけであります。それは、もうタイムリミットが迫っている、つまり、日本の国益をしっかり守りながら、世界益といいますか、関係者のみんながウイン・ウインの関係になっていくということで、我々が主張できる時間、残されている時間がもうかなり少なくなっているということで決断をされました。

 ということは、今までの経緯が白紙で我々は担当したわけじゃなくて、今まで過去二年間、前政権で交渉に前向きに取り組んでいくんだということを宣言されて、それ以降、いろいろな水面下の交渉はあってきたはずなんであります。それを受けて、今度は我々がそこからスタートしなきゃならないということでありますから、今までの経緯は全部なしねというわけにもなかなかいかぬのだろうと思います。

 そういうもろもろのことを含めて、そこからいかに国益を最大限にしていくかという交渉が始まるわけでありますから、その辺の事情は御理解をいただきたいと思います。

○阪口委員 確かに、交渉の内部でいろいろな葛藤があるんだと思います。

 アメリカとは、二国間協議においては腕力で負けるかもしれない。しかし、だからこそ多国間の交渉をする、多くの国々と協力をして、これまでの二国間交渉ではかち取ることができなかったものをかち取っていくのが、私はTPPに参加する意義だと思います。

 米国は、日本が輸出する際の、乗用車二・五%、またトラック二五%の関税撤廃の猶予を求めている。しかし一方で、日本は、アメリカそして海外からの輸入に関税をかけていない。これはまさに不平等だと思います。このあたりを何としてもなくしていくことがTPPに参加する意義であるとすれば、最初の段階でここを譲歩する、ここは何としても頑張ってほしいと私も思いますし、多くの日本国民も思っているのではないでしょうか。

 これでは強い日本とは言えないんじゃないか、こういった懸念を持つわけですが、総理、どのようなお考えでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 交渉ですから、こちらがとりたいものが全部とれて、守りたいものが全部守れれば、それはそれにこしたことがないわけでありますが、それぞれの国が自分の国の国益を最大化しようとしてぶつかり合っているのが経済交渉でございます。

 その中で、ただいま甘利大臣から御説明をさせていただきましたように、既に二年という月日が経過している中において、日本側に残されている時間はもうないというところでの決断はしなければいけない。ここで決断をしなければ、基本的には、ある意味においてはもっと不利になっていくわけでございまして、さまざまなルール、話し合いがどんどん進んでいってしまいますから、後から入っていって、そこはもう変えられないという中にあって、むしろ入っていくハードルは上がるわけでございます。

 そこで、この中において、もう三月しかないということで、二月の首脳会談において何とか我々は、農業のセンシティビティーということについて、首脳間における文書において、我々が聖域と考えている分野において認めさせることができたと思います。

 もちろん、委員がおっしゃるように、工業製品、特に自動車は、日本はその生産力、生産性が高いわけであります。いわば、いかにこの強い自動車において我々が獲得できるかということもまさに大きなポイントでございますが、それは、ずっと今まで交渉している中において、我々が受け継いで交渉していくわけでございますが、そこにおいては、まずは、こういう問題について交渉していきますよということについて確認するということを文書に書き取ったわけでございまして、現在も交渉は継続中でございますが、TPP全体としてとにかく最善の道を求めていきたい、このように思っております。

○阪口委員 これからTPPの参加交渉に臨むということで、既にある種のハンディがあるという厳しい状況であること、それは理解をいたしました。

 既に決まった約束事を覆すのは難しい。これは、二〇一一年におくれて参加を表明したカナダ、メキシコなども、交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある、既に現在の参加国で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できないなどの厳しい参加条件を言い渡されております。

 この点については、総理がオバマ大統領と日米首脳会談をされたときには、必ずしも明快にアナウンスされていなかった、三月の七日から十日前後に徐々に明らかになってきたという認識を私は持っているんですが、私が懸念するのは、こういったハンディがある中で、どのように聖域を守っていくのか。交渉力で守るとおっしゃっていますが、何を根拠に交渉力と言っておられるのか。この点について、ぜひ考えをお聞かせいただきたいと思います。

○甘利国務大臣 メキシコ、カナダに対してどういう文書か念書か知りませんけれども、出されたかというのは、関係国は一切明らかにしておりません。ただ、現時点で日本にその種のものが来ているかといえば、これはありません。

 そして、交渉でありますから、もちろん、やってみなければわからないという点は当然あります。ありますけれども、マルチのいいところは、私もWTOの会議に大臣としていろいろな場面に参加をしました。少数国会合で、十日間、会議室に缶詰で大臣だけでやったという経験もあります。そういう経験から申し上げますと、マルチのよさというのは、全部が利害関係一致していないのであります。この部分はここと共闘できるし、こっちの部分はあっちとだということもありますから、そこのマルチの場で、バイの場とは違った交渉術というのが展開できるんだと思います。

 恐らく、既に参加している国々の中には、日本にぜひ入ってもらいたいと。それは、世界経済で三番目の規模の日本が入ってきて、自分たちと共闘できるところは共闘できるんじゃないか、そういう期待感があるからだと思います。

 あらゆるマルチの場面での交渉術を駆使して、国益の最大化を図っていきたいというふうに思っております。

○阪口委員 交渉における力の源泉になり得る大きな要素は、私はインテリジェンスだと思います。先方がどのようなチームで交渉に臨んでくるのか、また、彼らがどういった力を持っているのか、過去に交渉の中で何を要求し、どのような戦術で要求を実現してきたのかというようなことをあらかじめ我々がしっかりと把握をして臨んでいく、これは絶対に必要だと思います。

 安倍総理も、日本のインテリジェンス機能をもっと高めなくてはいけないという意識は共有していらっしゃると思いますが、この重要な交渉、本当に日本の将来を決めるであろうTPP交渉に臨むに当たっての、こちら側のインテリジェンス体制、これはどうなっているのか。そして、実際に先方に対する情報をどの程度収集して、そして分析できているのか。この点、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

○甘利国務大臣 TPP交渉は、その他の交渉、例えばWTO交渉と比べて、守秘義務というか、これがかなりきつくかかっております。ということは、外側にいるとほとんど情報がとれない。参加表明をし、そして交渉参加が認められるに従って、アクセスの密度が濃くなるということであります。でありますから、我々は、交渉の参加表明から参加への了解に向かっていく段階で、少しずつ情報の扉が開かれていくと思います。

 関係各国と、もちろん、日本にシンパシーを感じている国はたくさんあるわけでありますから、もう声明をしたわけでありますから、態度が明らかでないときよりは少し前へ進んできたと思います。その交渉に参加する進展度合いの深化に従って、濃度の濃い情報が集められると思います。その体制をしっかり組んでやっていきたいと思います。

 主要閣僚会議は、総理が直ちに設置をされました。間もなく事務方の強力なチームも編成したいと思っております。強力な布陣をしいて、しっかりとした情報がとれるように、そしてその分析に従って国益を最大化できるように全力で取り組んでいきたいと思っております。

○阪口委員 今、答弁を聞いていて、正直ちょっと私、不安を感じるんです。これから情報がとれるであろうというような期待も込めたお答えだったように私には思えたんですが、しかし、現時点で、TPP交渉に参加するのであれば、相当したたかに、もう情報の収集と分析ができていなければいけないんじゃないかと思います。

 また、実際に交渉に当たるのは政府の方々が中心だと思いますが、ありとあらゆるネットワークを通して、これまで発表された情報のみならず、先方がどのような戦略で来るかということをしっかりと収集して分析するオール・ジャパンのチームをつくっていく、これが必要だと思うんですが、総理、この点についてはどうお考えでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 経済交渉においても、情報収集力は極めて重要であります。米国も、多くの国々も情報機関がございますが、そうした情報機関も時には活用して、経済交渉にその情報を分析し使うことがございます。

 日本には、米国のCIAとか英国のMI6のような、ああいうさまざまなオペレーションをやるような情報機関はございません。しかし、そんな中においても、日本のできる最大限の情報収集はしているわけでございますが、今、阪口委員のおっしゃった問題意識を持ちながら、これはもちろん、政府だけではなくて、議員が海外に行って、そして多くの国々の議員と接触する中においてとってくる情報という中にも有効な情報もあるわけでありますし、事実、WTO交渉においては、自民党の農林水産関係の議員が海外に出ていって、相当情報をとってきたこともございます。

 そういういわば総合力を今度のTPP交渉には活用しなければならないだろう、このように思うわけでございますので、これは党派を超えてぜひ御協力をいただきたいと思います。

○阪口委員 まさに、この点については、党派を超えてオール・ジャパンで対応していかなければいけないと、私も問題意識を共有しております。

 さて、具体的な交渉分野についてさらにお聞きしたいんです。

 知的財産分野においては、医療品や治療方法などの特許権を強化して輸入拡大を図っていく、これは米国の大きな戦略でございます。米国は、日本に対して、出願から二十年と定められた特許の保護期間を、販売から二十年に変えていく、このような戦略で来ている、このように聞いております。

 出願してから販売するまで大体十年前後かかるということですから、特許期間が終わった後に有効成分でつくる日本のジェネリック医薬品の使用については、これは医療費を抑える切り札でありながら、この期間が延びることによって、医療費を抑えるという戦略が機能しなくなる可能性がございます。

 国民皆保険制度、これは必ず守ると先ほどから総理は強調していらっしゃいますが、このような別の分野でしっかりと我々の要求が認められなければ、結局、国民皆保険が崩れてしまうような状況が生まれてしまうかもしれない。

 私は、この特許に関して、国民皆保険を守る観点でも相当な戦略を持って臨まなければいけないと思っていますが、この点についてのお考え、総理、お願いします。

○甘利国務大臣 知財につきましては、日本側も非常に関心の高いところでございます。

 実は、小泉内閣のときに、知財戦略本部というのができました。それは、私が、党の知財戦略が必要だということで調査会を立ち上げまして、申し入れをしまして、それ以来、政府に、官邸に戦略本部ができて、知財戦略というのが進んできたという経緯があります。そういう点で、非常に我が国としても関心の高いところでございます。

 模倣品や海賊版をこの世界から駆逐するというのが戦略上の目標でもありますし、それから、特許を初めとする知財のしっかりとした管理、国際標準についても、日本が知財先進国としてしっかりリードしていかなければならないというふうに思っております。

 一国の一方的な主張が通らないというのがマルチの場でありますから、正論をきちっと論陣を張って、仲間をふやし、しっかりとした知財管理ができるようにしていきたいというふうに思っております。

○阪口委員 ありがとうございます。

 最初に、日本が提供できる価値について、これをTPPを通して実現していくという私のテーマについてお話をしましたが、この点についても議論をしたいと思います。

 今後、アジアのインフラ需要は、十年間で六百兆円を超えるとも言われております。その上で、大きなライバル、これは中国ですね。港湾施設をつくる、あるいは高速鉄道、道路、上下水道などインフラ整備をしていく上で、中国は、恐らく非常に安いコストで、スピード感を持って、さまざまな国に提供できる体制を整えている。

 一方で、では、日本は何をもって中国と対峙していくかというと、これは、その国の国民にとって本当の幸せにつながるような、希望の制度をパッケージで提供していくことではないかと思います。

 具体的には、人材の教育ですとか、あるいは法整備支援、また環境技術をパッケージで提供していく。そういった取り組みを通して民主化に貢献をしていく。このことが、結局は、日本が、そういったインフラの輸出に関して、中国その他の国に勝っていく土台をつくることにつながっていくと思います。

 私は、TPPによってこれらを加速して、同時に、日本だから提供できる価値をしっかりと提供していく、そういった戦略をぜひパッケージで展開していただきたいと思うんですが、この点について、総理、お考えを伺いたいと思います。

○甘利国務大臣 中国のインフラとTPPの関係。これからTPPが、中国も含んで、いわゆるアジア太平洋地域の経済連携にどうつながっていくか。

 これは、TPPは最終着地点ではなくて、最終着地点はFTAAPというのは、これは与野党共通の認識だというふうに思っております。そういう中で、TPPが、FTAAPのルール、ある種、いろいろなシステムのたたき台といいますか、土台になっていく可能性があるからこそ、総理はそれもあって決断をされたわけであります。

 適切なルール、日本は、インフラに関しては、単にインフラ自身の優秀性もさることながら、オペレーションに関して、パッケージで全部輸出することができるわけであります。その中には安全、安心ということが極めて大事な要素に入ってくるわけであります。

 ハードもソフトも、システムもオペレーションも含めて、いいシステムが将来輸出できるように、日本は、技術的にも、あるいはオペレーションでも頑張りたいと思いますし、TPPを通じてある種のルール、リーズナブルな、適切なルールができるということも期待をさせていただきます。

○阪口委員 この点については、まさに日本だから提供できる価値であるという意識で、ぜひ戦略的に展開をしていっていただきたいと思います。

 さて、四月十三日にアウン・サン・スー・チーさんが来日をされます。私は、実はこのスー・チーさん側と連絡をとって、国会議員の方々との面談の機会を何とかつくりたいと思っています。先方がおっしゃるには、今回は、特に苦しいときにお世話になった方々と会いたい、今議員でない方も含めて、彼女が軟禁状態にあるときから支えてくれた方々にぜひ会ってお礼を言いたい、このようなことをおっしゃっています。

 昨年の一月九日、私、ミャンマーでアウン・サン・スー・チーさんに会っていました。まさに、そのときに、今私が申し上げた希望の制度の輸出と、そして同時にインフラの輸出、これをどのように組み合わせて民主化の進展に寄与できるのか、このような議論をさせていただきました。

 ちょうど同じ時期に安倍総理もミャンマーに行っていらっしゃったと思いますが、スー・チー氏にはお会いになったんでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 ミャンマーを訪問した目的が、アジアの子供たちに学校をつくる会においてミャンマーを訪問しまして、そしてその竣工式に参りましたので、これはヤンゴンから七時間ぐらい車で道なき道を行かなければ行けない場所に学校をつくったという関係上、余り時間がなかったものでありますから、スー・チーさんにお目にかかりたいという要望は出したんですが、時間がうまく合わなかったということであります。

 セイン大統領とは会談をいたしました。

○阪口委員 私がアウン・サン・スー・チーさんと会ったときには、民主化支援をしてくださる方々とはぜひ意見交換をしたいとおっしゃっていました。元総理で、大変に将来有望な、まあ、有望という言い方はちょっと失礼かもしれませんが、安倍総理がこのときにお会いにならなかったというのはちょっと残念だなというふうに私は考えております。

 さて、TPPを通して、日本の国益を最大化すると同時に、人類益そして地球益を最大化する、これを同時に実現していくのがやはり誇りある日本としての使命であると思います。

 実は私、今から二十年前、安倍総理がまだ国会議員になる前、初めての選挙に臨まれる時期であったと思いますが、カンボジアにおいて平和構築のボランティアをしておりました。ちょうどそのときに、私のルームメートで一緒に活動していた人が、中田厚仁さんという方でございました。御存じかもしれませんが、国連ボランティアの同僚として一緒に活動しているときに、銃撃をされて、命を落とした青年でございます。この四月八日が彼の二十回目の命日になるんですね。

 ルームメートですから、部屋で話をしていたときに、お互い、何で安定した生活を捨ててまでカンボジアに来たのかというような話をよくしました。彼の答えが、どんなにリスクがあっても、誰かがやらなければいけないことがあるのであれば、その誰かに自分はなりたいということでした。

 安倍総理が今回TPPの交渉参加を決断されたというのは、まさにこういう思いであると思います。何としても、交渉に参加を決断されたからには、ぜひしっかりとした果実をかち取っていかなければいけない。それが、日本にとっての果実のみならず、国際社会、地球社会にとってのプラスにつながっていく、こういったものでなくてはいけないと思います。

 このことに関して、一言、総理の決意をお伺いしたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 こうした多くの国が入る、マルチの経済圏をつくっていくという中における交渉については、もちろん国益を守っていくということもそうでありますが、基本的には、自由な貿易環境をつくっていく、開放経済を進めていくことにおいては、それぞれの国々が利益を得る、そういうものでなければならない。一つの国が多くの利益を得て、一つの国がいわば貧困になってしまう、こういうルールであってはならないわけでありますし、こういう経済圏であっては将来に望みがないんだろう、そういうことも当然念頭に置きながら、志の高いルールづくりをしていく必要があるだろう、こう考えています。

○阪口委員 終わります。ありがとうございました。
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アントニオ猪木氏の立候補表明に思う

2013年06月06日 03時05分57秒 | 政治

 アントニオ猪木氏が日本維新の会の全国比例から参議院選挙に出馬することになりました。私は、子どもの頃は中学を出たらアントニオ猪木に弟子入りして格闘家になろうと決めていたぐらいの熱烈なファンだったので、35年後に同じ政党の仲間になるとは感慨深いです。


お知らせ:明日、15:30より渋谷駅前にて橋下徹、石原慎太郎、アントニオ猪木氏による街頭演説会を行います。また、18時より、ホテル・ニューオータニで日本維新の会のパーティーを行います。参加希望の方は阪口直人事務所(03-3508-7212)までご連絡ください。


 子どもの頃、新日本プロレスが放送されていた金曜夜8時は、私にとっては絶対的聖域でしたし、「燃える闘魂」や「苦しみの中から立ち上がれ」などの著書には大きな影響を受けました。

 猪木氏はプロレスラー時代、ボクシングや空手、柔道家との異種格闘技戦を次々に実現させるなど総合格闘家としてのジャンルを切り拓き、世界的な知名度がある一方、アントンハイセルという環境事業をブラジルで起業するなど、新しい発想でひとりの人間の可能性を次々に見せてファンを魅了しました。また、スポーツ平和党の党首として当選した参議院議員時代、イラクでの人質救出に尽力したり、北朝鮮で平和の祭典を開催したり、北方領土問題解決のためロシアの首脳に働きかけるなど、独自の外交を展開。私はその活躍ぶりに心を躍らせると同時に、他の議員は何をやってるんだろう!と素朴な疑問を持っていたほどです。

 同じ議員として議員外交を行うようになって実感したのですが、アントニオ猪木氏の議員外交は、格闘家としての世界的知名度と実績があってのもの。誰かが真似できるようなものではありません。例えば、パキスタンの伝統的な格闘技のチャンピオン、アクラル・ペールワンと敵地で闘い勝利した伝説に立って現地で平和を訴える格闘技イベントを実施するなど、猪木氏だからこそできるものです。

 キルギスで私が会ったボクシングの元世界チャンピオンのオルズベック・ナザロフ氏もアントニオ猪木氏が議員外交で旧ソ連から日本に連れてきて、独立したキルギス初の世界チャンピオンになった国民的英雄です。私は協栄ジムでボクシングを少し練習していた92年に出会い、2010年にキルギスで再会しました。彼とは昨年「キルギス国際マラソン」を一緒に走りましたが、同じく国会議員でもあったナザロフ氏は、まさに猪木氏のお蔭でチャンスを頂いたと深く感謝をしていました。この点では、私は猪木氏の議員外交の成果の証人とも言えると思います。


写真上:アントニオ猪木氏の議員外交が生んだキルギスの英雄、オルズベック・ナザロフ氏と(2012年5月26日、キルギス共和国にて)


 是非、当選して頂き、維新に、そして政界に闘魂を注入してもらいたいものです。


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アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)に参加

2013年06月03日 23時29分37秒 | 政治

 今日はTICAD Ⅴ(第5回アフリカ開発会議)最終日に参加しました。

 私は1994年から翌年にかけて展開した国連モザンビーク活動のPKO要員としてタンザニア国境に近い北部カーボ・デルガード州で勤務した経験があります。当時はインド洋に面した漁村、そして、マコンデ族という山岳少数民族が住む地域で生活し、紛争を終結させる選挙を実施するための国連ボランティアとして活動していました。


写真上:TICADにアフリカから参加した方々


 また、私の事務所主催でアフリカの開発や民主化についての勉強会を連続で開催してきました。従って、多くの友人との再会を楽しみに会場に向かいました。

 NGOや国際機関のブースをまわって知り合いの方々と挨拶をしていたら、一番奥にあるNGOブースの方々が大喜びで集まってきて、何十人の日本人、そしてアフリカの方々と次々に一緒に写真を撮ることになりました。ブースに来た国会議員は最終日の私が初めてだったとのこと。本当に大歓迎して頂きました。

 今回のTICADはアフリカを「援助から投資」の対象にすることがテーマ。日本政府は3兆2000億円の拠出をすでに約束しています。大きな方向性としては間違ってないと思います。中国が大規模開発をした資源の高騰などでいくつかの国はかなりの経済成長を遂げているし、完全に出遅れた日本にとって、挽回を図る大きなチャンスが今回のTICADだってこと、民主党政権時代からの戦略でした。

 NGOの方々と話し、彼らが主催した記者会見に同席した限りでは、少なくとも市民社会の方々は、決して満足していないことは明らかでした。ODAのフォローアップメカニズムに社民社会への言及が見られないこと、これまでのTICADと比較しても、市民社会の参加枠が狭くなったこと、また、政府や国会議員の関心が低くなったことを危惧していました。


写真上:モロッコからの参加者


 勉強会に同席してもらっていた外務省にはいつもG to P つまり、TICADでは政務レベルによるアフリカ市民社会との対話の機会を!と会合ごとに要望してきたのですが、期待した動きはありませんでした。これも政権交代の影響かもしれません。日本が主催した東京でのアフガン支援会合ではヒラリー・クリントン国務長官が多くの二国間対話を行い、攻撃された側のアフガン市民社会の心をぐっと引き寄せたことがあったそうです。市民社会の目は、時に政権の目指す動きとは異なることもありますが、とにかく経済発展至上主義になって、それに水を差す動きは邪魔という風潮を危惧します。

 モザンビークでも、日本の支援(プロサバンナ事業)がブラジル人などの大量の入植による大規模農業につながって、小規模農家の土地収奪や、彼らの小作人化をもたらしているそうです。日本の食糧安全保障には貢献しても、自分たちの食糧安全保障の危機をもたらしているってことを、220の団体を代表して来たって報告者が強く訴えていました。これは私がカンボジアやミャンマーでもずっと関わってきた古くて新しい問題。中国に対抗して日本らしさを訴えるなら「公正さによってアフリカとの関係をつくる」ことをもっと強調しなければと強く感じました。


写真上:市民社会の代表団による記者会見の様子

 アフリカやアジアの奥地で平和構築に従事した経験は貴重だと思います。私には彼らの声を届ける使命があると改めて感じています。
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トルコへの原発輸出とシリア難民支援についての質問(外務委員会)

2013年06月01日 00時29分47秒 | 政治

 5月22日の外務委員会で、トルコへの原発輸出とシリア難民支援の在り方について質問しました。原発輸出については、廃棄物処理や事故が起きた時の補償、また建設予定地である黒海沿岸の観光都市シノップ市の住民の合意について質問。シリア難民支援については、紛争地においてどのように効果的に支援を行うか、現在のルール(スキーム)をより機能するものに見直す政治的意志を質しました。今回はやりとりをそのまま掲載します!

外務委員会でトルコへの原発輸出とシリア難民支援について質問(5月22日)

○阪口委員 日本維新の会の阪口直人でございます。

 本日は、トルコに対する原発の輸出及びシリア難民の支援を中心に質問させていただきたいと思います。

 その前に、これは質問通告はしていないんですが、佐世保の米兵が日本人女性に対する性的暴行の疑いで取り調べを受けているということが、昨日、米軍の準機関紙スターズ・アンド・ストライプスの電子版で報道されたと聞いております。事実関係の確認なんですが、外務省としてはどの程度進んでいるんでしょうか。

○岸田国務大臣 まず、報道につきましては承知をしております。ただ、犯罪の捜査にかかわることでもありますし、この場で詳細について申し上げることはちょっと控えさせていただきたいと思います。

○阪口委員 この点については、情報収集に努めていただき、日本としてどのような対処をしていくかということについても、ぜひ力を合わせて対応していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。



 さて、五月三日、安倍総理がトルコを訪問してエルドアン首相と会談をした結果、黒海沿岸の観光都市シノップに四基の原子力発電所を、日本に対して排他的交渉権を与える、そういった内容の合意をすることになりました。安倍総理は、過酷な事故の経験と教訓を世界と共有して原発の安全の向上に貢献していくことは日本の責務である、このようにおっしゃっています。

 しかし、事故は過去のことではありません。私、おとといも福島第一原発の視察に行ってまいりました。ことしの一月に続いて現地を訪問したんですが、いまだに事故原因の究明もできていない。また、前政権のもとで、冷温停止状態、安定的な状態になってはいるものの、いまだに廃炉にはできておりません。また、除染作業はまだ本当に始まったばかりでありますし、十六万人の方々がいまだに帰宅できないという状況でございます。つまり、事故が起きた場合に解決できるという経験をまだ示せていない状況だと言えると思います。

 このような状況でありながら、地震多発国であるトルコへの原発輸出を決定した、この根拠は何なのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。

○岸田国務大臣 まず、原発事故を経験した国として、事故に関する知見あるいは経験、教訓を国際社会と共有していくことによって国際的な原子力安全の強化に貢献していくこと、これは我が国の責務だと思っています。そして、このため、相手国の意向ですとか事情といったことを踏まえつつ、世界最高水準の安全性を有するものを提供していくというのが我が国の基本的な考え方です。

 そして、御指摘のトルコのケースですが、トルコ側からは、一昨年の原発事故以降も、日本の技術に信頼を置いているということを再三伝えてきておりました。そして、原子力の平和的利用の分野における我が国の協力に対する強い希望、こうしたものが累次表明されてきたところであります。これらを踏まえて個別に検討した結果、政府として、トルコとの原子力協力を行う意義があるということを総合的に判断し、今回の決定につながったということでございます。

○阪口委員 政府同士で合意をしたということなんですが、では、実際にどのような契約内容になっているのか、また、日本の役割がどこまで決まっているのかということについてもお尋ねをしなければいけないと思います。

 ちなみに、日本の前にトルコと契約を結んだロシアは、世界初の建設、所有、運転契約を結んでおります。総建設費二百億米ドルはロシア側が負担をする、そして、その返済のために、トルコ電力取引・契約会社がこのプロジェクトの実行会社から十五年間にわたって十二・三五アメリカ・セント・パー・キロワット・アワーで電力を購入する、こういった契約を締結しているんですね。

 ロシアは、建設、運転、保守、そして廃炉措置、使用済み燃料・放射性廃棄物管理、損害賠償など、全てにわたって責任を負うことになっている。そして、廃炉措置や使用済み燃料・放射性廃棄物管理に各〇・一五アメリカ・セント・パー・キロワット・アワーの基金を積み立てることになっております。つまり、事故が起こったときの損害賠償までロシアが請け負う、こういった契約になっております。

 個別具体的に聞いてまいりたいんですが、まず、いわゆる使用済み燃料や放射性廃棄物の処理は、どこで、どの国が行うことになっているんでしょうか。

○宮川政府参考人 まず、使用済み燃料の処分でございますが、原子力施設から出てくる使用済み燃料をどのように取り扱うかということにつきましては、これは一義的に当該原子力施設を管轄する国が責任を持って取り組むというのが課題であります。

 シノップの原子力発電所におきましても、原子力燃料及び放射性廃棄物の最終処分については、日・トルコ両国政府間の協議におきまして、トルコ政府がこの責任を負うということが確認されております。日・トルコ原子力協定の中で、我が国とトルコとの間で使用済み燃料は移転されないということになっておりますので、我が国がトルコからの使用済み燃料を引き受けるということにはまず今なっておりません。

 それから第二に、損害賠償でございますけれども、まず、一般論として、原子力の発電施設において万が一事故が起こった場合、その際の損害賠償につきましては、当該施設が所在している国の国内法に照らして判断することになるのでございますが、トルコは、御存じのとおり、原子力損害に関するパリ条約に加盟しておりまして、そのパリ条約には、原子力事業者の無過失責任でありますとか、原子力事業者への責任集中ですとか、それから事故発生国への裁判集中などが定められておりまして、トルコ政府は現在、原子力損害賠償に関する法案を整備しているところでありますので、そのラインで恐らく処理されるということになるのではないかと思います。

○阪口委員 今の御答弁を聞く限りにおいては、要するに、まだ決まっていない、これから話し合うけれども、恐らくトルコ政府が責任を負うことになるのではないかというような、そういった答弁のように私には聞こえたんですけれども、これは、事故が起こった場合の責任、及び廃棄物処理についてはトルコが責任を負うんだということが安倍総理とエルドアン首相の間でも明確に合意されていると考えてよろしいんでしょうか。

○宮川政府参考人 まず、放射性廃棄物それから使用済み燃料につきましては、ちょっと私の言葉が足りなかったかもしれませんが、これは、先ほど申しましたように、日・トルコ原子力協定の上で使用済み燃料の移転はできないことになっておりますので、そういう意味で、一般論に戻ってトルコが責任を負うというふうなことになっておりますし、その点は、日本とトルコとの間の協議においても確認されております。

 損害賠償につきましては、現在、トルコ政府が法案をつくっておる最中でございますので、私どもは、今申しましたとおり、トルコが既に加盟している条約のラインに沿って国内法をつくっていくんだろうというふうに解釈しておるわけでございます。

○阪口委員 具体的にトルコのどの地域で廃棄物の処理が行われるのか、また、その件について地元の理解は十分に得られているのか、この点についてはいかがでしょうか。

○宮川政府参考人 今のところまだトルコは原子力発電を運転しておりませんものですから、恐らく、私どもの知る限りでは、どこに使用済み燃料の廃棄場所をつくるのかとか放射性廃棄物の廃棄の場所をつくるのかということについて、まだ決まっていないのではないかと思います。

○阪口委員 事故が起こった場合の影響というのは、トルコ国内だけではなくて周辺国にも及びます。特に、黒海沿岸ということで、チェルノブイリにおいて重大な事故を経験したウクライナなどにも影響が及ぶ可能性がありますが、例えば、事故によって他国に影響が及んだ場合の賠償というのはどのように考えられるんでしょうか。

○宮川政府参考人 先ほど申し上げました、トルコが既に加盟しております原子力損害に関するパリ条約のもとでは、事故を起こした国に裁判権を集中するというふうに規定しております。よって、トルコの国内で事故が起こりましたときには、周辺国の損害を受けた方々は、トルコに対してトルコの裁判所で責任を追及する、損害に対する救済を求める、こういう訴訟を起こされるということになると思います。

○阪口委員 裁判を行う場所はトルコであったとしても、実際に建設をして運営をしていくのは日本とフランスのアレバのコンソーシアムですよね。ですから、事故の責任を日本が問われるという可能性はないという考えでよろしいんでしょうか。そこがちょっと、私も説明を聞いてよくわからないものですから。

○宮川政府参考人 このコンソーシアムは、これからトルコ政府と日本及びフランスの事業者の方々がその構成などについて話し合いをして、交渉をしてまとまっていく、今まだそういう段階でございます。

 そういう意味で、日本とフランスの企業だけがこのコンソーシアムに参加するのか、それとも、恐らくそうではなくて、むしろトルコの企業も参加するということになると思いますが、できましたコンソーシアムに対して、これは企業でございますけれども、このコンソーシアムは事業者としてこの事業を推進していくということになりますので、事故が起こったときには、そのコンソーシアムに対して責任が追及されるということになると思います。

○阪口委員 原発が建設される予定のシノップ市においては、パキ・エルギュル市長が原発反対を訴えて二〇〇九年に市長に当選をされて、今でも反対をしているということです。黒海沿岸の美しい観光都市であるだけに、原発をつくることで環境産業に多大な影響を受ける可能性があるのではないでしょうか。このことについて、日本政府としてどのように考えているのか。

 そして、私、ヨルダンに原子力発電所を建設するということで、原子力協定を締結する際に、現地の原発建設予定地に視察に行ったことがございます。そのとき、現地で聞いた印象では、日本政府の現地の住民に対する説明というのが十分ではない、ほとんどなかったということ、これは苦情として聞きました。

 やはり、日本としてこのような大きなプロジェクトを展開する際においては、現地に対する説明というものもしっかりしていかなければいけないのではないか、また、トルコ政府が現地の住民に対してどのような説明をしているか、これもしっかり把握をしておく必要があると思います。この点についていかがお考えでしょうか。

○宮川政府参考人 シノップの市長さんが原発建設に反対しておられるということは、報道で私どもも承知しております。ただ、トルコの政府は、二〇二三年までに国内の電力需要の五%を原子力発電で賄うという計画を既に発表しておりまして、原子力発電所の建設計画を国家の重要な政策として位置づけております。

 シノップの原子力発電所建設計画につきましても、今後、トルコ政府と事業者間で詳細な協議が行われていくということになっておりますが、あわせて、トルコ政府が本事業に関して、現地の方々に対する広報、説明を行っていかれることになるというふうに理解しております。

 もちろん、我が国といたしましても、原発事故を経験した国として、事故に関する知見と教訓を国際社会と共有することによって国際的な原子力安全の強化に貢献するということは、我が国が果たすべき責務だというふうに考えております。これはまさに大臣も御答弁になられたとおりでございますが、トルコ政府の地元説明への取り組みにおきましても、情報提供などを十分に行っていきたいというふうに考えております。

○阪口委員 非常に官僚答弁だと思うんですね。まあ、官僚の方の答弁ですから、当然といえば当然なんですが。

 私は、やはり日本政府としての倫理観も問われると思うんですね。ですから、これほどの大きなプロジェクト、日本円で二兆円もの事業であるわけですから、日本として、やはり、地元の住民の方々に対する責任をトルコ政府に委ねるのではなくて、みずからしっかりと行っていくという姿勢を見せることも、我々の倫理観の示し方として必要なのではないかと思うんです。

 実際、我々、買い物をするときに、中身が決まっていないものは買わないですよね。安倍総理とエルドアン首相で合意をされたというものの、まだまだ決まっていないことが多過ぎると私は思います。これは、これほど大きな事故を起こした日本政府の、事故後最初の原発の輸出にかかわる対応、姿勢としては問題があるのではないかと思います。この点、ぜひトルコの方々の信頼をしっかり得られるような対応をお願いしたいと思います。



○岸田国務大臣 御指摘のトルコとの原子力協定につきましては、トルコで地震が発生する可能性は考慮しなければならないと我が国も考えています。ですから、本協定においては、原子力安全に関する協議を定期的に実施するための規定も設けられております。

 そして、トルコとの原子力協力を進めるに当たっては、一昨年の我が国の原発事故の原因調査の状況ですとか、あるいは原子力安全への取り組みですとか、こういったことについては、最新の情報を丁寧に説明する、こうしたことが重要だと認識をしております。

 我が国の立場からも、今申し上げたような取り組みによって原子力の安全に貢献していきたいと思いますし、そして、そうした情報が地元にしっかり伝わっていくよう努力をしていかなければいけないと考えています。

○阪口委員 次に、シリアに対する日本政府の対応についてお伺いをしたいと思います。

 内戦が続くシリアからは、百万人を超えると言われる難民が周辺国に流出をしております。

 日本は、アサド政権を支援はしないという姿勢をとりながら、反政府勢力を支援するわけでもない、両方と距離を置いて静観しているように私には見えるんですね。これは、日本政府の姿勢としては、十分な情報あるいは情報分析に基づくものであればそういう対応というのはあり得るかと思いますが、一方で、欧米の国々あるいは周辺国は、アサド後を見据えた積極的な対応をしている。ですから、その視点でいうと、日本は出おくれているということも言えると思います。

 現に、シリア・フレンズ会合、これはこれまで四回にわたって行われて、日本も呼ばれていたわけですが、四月の二十日に行われた会合においては日本は呼ばれていないのではないかと思います。外務省のホームページにはその件は掲載されていませんが、トルコ、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、エジプト、UAE、カタール、ヨルダン、サウジアラビアの十一カ国が参加と私は把握しております。

 日本は、このシリアの緊急人道援助に対して、EUやアメリカと並ぶ額を拠出している。一千三百万ドルを昨年拠出し、また、平成二十四年度の補正予算では六千五百万ドルを拠出予定であります。これほどの金額的な貢献をしているにもかかわらず十分にプレゼンスを示せていないとすれば、これは外交的な問題だと思いますが、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

○岸田国務大臣 シリアをめぐる状況ですが、まず、二年以上も暴力的な衝突が続いております。死者は八万人以上、そして国外に流出した難民は百五十万人以上と、甚大な人的被害が発生しております。極めて深刻な状況と認識をしております。

 そしてその中で、御指摘いただきましたように、我が国は、国際機関やNGOを通じて計約八千万ドル以上の人道支援を行っております。そして、こうした人道支援とあわせて、アサド政権への圧力強化のため、国際社会と連携して経済制裁の措置も累次にわたり実施をしてきております。

 昨年十一月、東京で、制裁に関する会合、これも我が国は主催をさせていただきました。また、先般、四月ですが、G8外相会談が行われました。この外相会談の場におきましてもシリア問題を協議させていただきましたし、こうした国際会議の場でこの問題について積極的に発言を行っている次第であります。

 この問題は、人道的な影響の大きさ、あるいはシリア情勢自体が中東地域の安定に与えるインパクト、こういったことを考えますときに、国際社会全体として抱える重大な課題の一つだと認識をしております。ぜひ、引き続きまして、我が国としてもこの問題に積極的にかかわっていきたいと考えています。

○阪口委員 私が問題にしているのは、日本の姿勢というのがどのような情報や戦略に基づいているのかということなんですね。少なくともこのシリア・フレンズ会合においては、財政的な貢献をしているにもかかわらず日本が最新の会合に呼ばれていないということは、日本の姿勢というものが十分に理解、評価されていないと言わざるを得ないのではないかと考えています。

 ですから、この地域は、日本のプレゼンスを非常に示しにくい場所であるとは思いますけれども、しかし、日本としては、こういった紛争後の平和構築に貢献するということも日本の大きな外交戦略でございますから、しっかりとしたプレゼンスを発揮できるような努力をお願いしたいと思っております。

 質問なんですが、私自身も、国際協力、特に紛争地域における支援活動というのを経験してまいりました。我々がよく言われること、直面することは、スキームがないからこの支援はできないということなんですね。

 シリアの情報が大変に少ない中で、私も、シリアの難民支援をしているシリアの国会議員ですとか、あるいは日本のNGO、ジャーナリストの方々を通して現場の声を聞きました。特に、シリア情勢の悪化によって数十億ドルの被害が発生しているとされるトルコでは、多くのホストコミュニティー、難民キャンプの周辺において、現地のトルコ人の医師の方々が、難民、特に傷ついた難民の方々への対応で手いっぱいになって、トルコの人たちが十分な治療を受けられないということが大きな問題になっています。したがって、例えば、同じアラビア語で難民と対話ができる周辺国の医師の方々を派遣できるように、日本政府に資金的な援助をしていただけないか、そういった声も私は聞きました。

 ただ、実際には、日本からはこのような支援ができないままで、結局、パレスチナやエジプトの医師が派遣される。要は、日本としてスキームの問題だといって決断できないうちに周辺国に先を越されてしまったということが、私は大変残念に思います。

 この医師の派遣ができなかったということ、何が問題なのか、どのようなところに起因しているのかということについて、御意見を伺いたいと思います。

○あべ大臣政務官 阪口委員にお答えいたします。

 問題を感じていらっしゃる部分で、特に、アラビア語が話せるエジプト人の医師をトルコのホストコミュニティーに派遣する費用を例えば日本が負担して、さらにはシリア難民受け入れで疲弊しているホストコミュニティーを支援するなどという問題の意識でございます。

 このシリア情勢の悪化によりまして、現在まで、推定百五十万人以上のシリア難民がレバノン、ヨルダン、トルコなどの周辺国に流出しているというふうに私どもも承知しておりまして、これらの諸国におきましては、シリア難民の受け入れで大きな負担を強いられているホストコミュニティーに対する支援の必要性が高まっていることも私ども認識をしております。

 そういう中にあって、日本のNGOを通じまして、特に、ホストコミュニティーに対する食料、生活必需品の配布、小学校の修復、心理的カウンセリングの提供といった支援を実施しているところでございまして、今後とも、ホストコミュニティーの具体的ニーズに適切な支援を行っていきたいというふうに思っております。

 また、御指摘の医療分野の支援につきましても、ホストコミュニティーの具体的ニーズを踏まえつつ、アラビア語を話す医師の活用の可能性も含めまして、効率的、効果的な支援を検討してまいりたいというふうに思っております。

○阪口委員 いろいろスキームの問題はあるにしても、喫緊のニーズ、人道的なニーズがあるときには、そのスキームを超越した政治的判断をするということも私は必要だと思います。

 例えば、いわゆる緊急援助においては、トルコ国内で日本人の医師が治療に当たるということもあったように聞いています。トルコにおいては、国内の医師法において、トルコ国内で医師免許を取った人でなければ治療できないということになっていると聞いてはおりますが、しかし、本当に目の前の救える命を救わなければいけない状況においては、そこは飛び越えることも政治的判断であり得るのかと思います。

 ただ、実際に限られた資金の中で適切な治療を行う際に、私は、いわゆる三角協力のような形で、より安いコストで医師を派遣できるようなスキームをもっと整備しておく必要があると思うんですね。

 ですから、このあたり、私も国会議員になって、スキームがないからできないというようなことは本当になくしていきたいと思っておりまして、今後もさまざまな指摘をさせていただきたいと思いますが、ぜひ、大臣にこの点についての思いを最後に伺いたいと思います。

○岸田国務大臣 我が国の国際貢献あるいは支援に関しましては、そうした形にとらわれずに効率的、効果的な支援というものを検討していく、こうした姿勢は重要だと思います。

 さまざまな事態が発生し、そして国際的な環境もどんどん変化していく、こうした変化や事態に効果的に対応できる支援や外交でなければならないということは強く感じます。さまざまな御指摘も踏まえさせていただきながら、我が国としましても効果的な外交を展開していきたいと考えています。

○阪口委員 終わります。ありがとうございました。
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