阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

サミットにおける安倍総理の『リーマンショック前夜』偽装の茶番

2016年05月30日 20時25分44秒 | 政治

 安倍総理は昨日、消費税増税を2年半再延期する方針を示した。世界経済は危機的状況にあり、リーマンショック級の事態が迫っているのがその理由だそうだ。そうすると再増税は次の次の参議院選挙の後になる。そのときは安倍総裁の任期が終わっている。約束したはずの消費税増税からは逃げて逃げて支持率を維持し、悲願の憲法改正によって米国の戦争を下請けできる国へと突き進もうとしている。

 安倍総理によるこのようなまやかしは珍しいことではない。しかし、従来は関係者への事前の根回しや身内のメディア、ネット応援団などと一体化して行うのが常とう手段だ。その意味では見事なまでに用意周到なのだが、今回は、世界の首脳の前で唐突に、都合のいいデータだけを表面的につまみ食いしてリーマンショック級の危機が迫っていると宣言し、財政出動への協力を求めた。キャメロン英首相、メルケル独首相などは即座に拒絶し、安倍総理の提案はサミットの首脳宣言には盛り込まれなかった。当然であろう。

 数日前の蔵相会議では麻生財務大臣は消費税増税は予定通りと約束をしている。この数日のうちに大きく世界経済が変わったわけでもない。どうやら身内の財務大臣にさえも相談せずに暴走したようだ。

 サミットの議長という立場で仕組んだ茶番が失笑とともに却下されるとは世紀の大失態だ。 

 海外メディアは容赦なく批判をしている。英国の高級紙The Timesは、安倍総理を指していると思われる風刺画で『Bloody Idiot』と表現しているが、柿沢未途衆議院議員が外務省に確認したところ、『程度のひどいアホ』というニュアンスの言葉だそうだ。まさに国辱ものだ。

 このようなめちゃくちゃな理屈を作り上げたのは、消費税増税ができない状況をアベノミクスが失敗したからだと認めたくないからだ。

 2014年11月、消費税増税の延期を争点に衆議院選挙を解散した時の安倍総理の説明を引用する。

「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。」

 「リーマン・ショック並みの経済危機」あるいは「東日本大震災級の大災害」が起らない限り、2017年4月の消費税増税実施に踏み切ることを明言していたのだ。これは国際約束であり、衆議院を解散した結果成立した消費税法の改正によって法律にもなっている。消費税増税が可能になるようにアベノミクスを軌道に乗せますと言いながら、とても上げられる状態にならなかったため、リーマンショック級の自体が予測される世界経済の失速が迫っていると根拠もなくこじつけようとしたのだ。世界各国の首脳はそれぞれに経済発展と財政再建を両立させる努力をしている。その結果、米国は利上げを行おうとしているが、本当にリーマンショック前夜であれば利上げを行うなどあり得ない。日本よりも遥かに良い経済状況を実現している首脳がこのような茶番に付き合わされる理由はなく、即座に拒否したのは当然である。

 私たちも消費税増税には反対だ。それは金持ちを大金持ちにするアベノミクスが失敗し、逆進性の強い消費税増税を行える環境にはないからだ。私は1%の富裕層のための政治ではなく、残りの99%に安心と希望を与える政治に変える必要があると考えている。5月11日のマニフェスト会議(インターネットテレビ会議)では、その実現のためにはデフレ脱却まで消費税を5%に戻し、所得税、相続税の累進課税の強化や、環境税・炭素税の本格導入、資産課税強化など、金持ちから税金を取って公正な再分配を行う制度構築が必要と訴えた。平等性を促進する税制は総需要拡大に効果があることが明らかだからだ。

 一度破った約束をもう一度衆議院選挙で問うのは税金の無駄遣いであり、国民の政治不信を増大させるだけだ。

 安倍総理が行うべきは衆議院解散ではなく、内閣総辞職だ。



暗くなる直前まで街頭演説で上記のような内容を訴えていました。

オバマ大統領の広島訪問に思う(2)-具体的方法を語らずして核廃絶の本当の決意は示せない

2016年05月29日 00時54分45秒 | 政治

 オバマ大統領が広島を訪問しました。71年の時を経て現職の米国大統領が広島を訪問したことには大きな意義があると思います。

 オバマ大統領は、大学を卒業した後、多くの仲間がウォール街を目指す中、ニューヨークの出版社と公益法人で4年間勤務。その後、シカゴに移りコミュニティー開発プロジェクトに参加して、失業者の再教育、貧しい黒人向けの公営住宅建設プロジェクトなどに携わったそうです。また、学生の頃からどうすれば核のない世界を作れるか、研究し、自分のテーマにしていたそうです。彼が見せる政治的意志には、より良い社会を作ろうとする純粋な思いを感じます。

 広島で見せた表情や態度には品格があり、スピーチも格調高いものでした。これが大統領になったばかりの頃なら良かったのかもしれません。しかし、プラハ演説で核なき世界の実現を誓い、ノーベル平和賞を受賞しながら目立った実績は上げていないオバマ大統領にとって、広島でのスピーチは核兵器廃絶の実現に向けて本当の覚悟と戦略を示す最高のチャンス。ところが、詩的な言葉だけで終わらせ、核廃絶に向けた具体的な計画を何も語らなかったことが残念でなりません。

 米国では、今後30年間に1兆ドル(110兆円)もの巨額の税金を投入しての核兵器の小型化、ステルス化など再開発プロジェクトが進行中です。あのスピーチでは米国の核兵器に対する姿勢を変えるほどの影響力を持つとはとても思えません。個人の願望として核なき世界を目指す気持ちはわかりますが、米国大統領としてやっていることとは明らかに矛盾します。

 ひとりの人間としてのバラク・オバマ氏は好きなのですが、大統領として考ええると、今回の広島訪問は大統領としてのレガシー(遺産)作りの一環としか思えないのが残念なところです。




(上記写真はwashingtonpost.comより引用したプラハ演説の様子)


オバマ大統領の広島訪問に思う-まずは原爆のリアルを伝える資料館を

2016年05月27日 15時09分42秒 | 政治

(1)各国の戦争資料館と広島の原爆資料館の大きな違い

 私は『紛争後の平和構築(Post-Conflict Peace Building)』が専門分野であるため、各国が戦争をどのように記録し伝えるかに関心を持ってきた。ユダヤ人の強制収容所として悪名高いアウシュビッツや、ポル・ポト派による殺害や拷問の場であったカンボジアのツールス・レン強制収容所、ベトナム戦争における米軍の残虐行為を展示した戦争証跡博物館などは殺された人々の断末魔の叫びが伝わってくるような展示であり、私の人生にも大きな影響を与えた。

http://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/ecc89998caca585167369a741c8686b1 
アウシュビッツで想う平和の意味

 昨年は特に、日本にとって不都合な真実にどのように向き合うかをテーマに、中国の『南京大虐殺紀念館』、日本軍による人体実験や細菌戦の研究がされたハルビンの『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』、また、満州事変から満州国建国、そして日中全面戦争へ至る歴史過程を中国側の視点で展示した『9・18歴史博物館』などを訪れた。それぞれが、日本人として見学することがいたたまれなくなるほど膨大な資料を展示し、またジオラマなどを使って効果的に伝える工夫もなされている。

 痛感したことは、戦争の資料を展示することにはそれぞれの国における歴史的役割があり、政治的メッセージを最大限込めたものになっていることだ。結果として国家としての品格など、様々な要素が浮き彫りになる。多くの場合、他者の残虐行為は詳細に展示するが、自分たちの過ち、非人道的行為に正面から向き合い認めることは、戦争の大義、現政権への影響、退役軍人などへの配慮もあって困難を極めるのが現実だ。

 中国の記念館の中には日本による残虐行為、そしてその規模を強調することが目的化していていると感じるものも多い。被害に遭われた方々に対しては心からお詫びの気持ちになる一方で、歴史的、科学的な検証に耐えられる普遍性を備えているものなのか疑問に思うものもある。

 その中で、私がもっとも感銘を受けたのは、『撫順の奇跡』と言われる撫順戦犯管理所旧址だ。周恩来首相は「ひとりの死亡者も脱走者も出さないように」と通達。人道的な配慮によって戦犯を生まれ変わらせるモデルケースにしようと断固とした政治の意思を感じて感銘を受けた。この試みには中華人民共和国という新生国家の優越性を示す政治的目的があったであろうことは言うまでもない。それにしても、戦犯たちの写真のイキイキした表情やその後の生き様を見ていると、この戦犯収容所は、国家や体制、また過去の不幸な歴史を乗り越えた『撫順の奇跡』という形容が決して的外れではない場所だったと実感する。

http://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/decd5235101d1f6cc5f8cb72ec1c2203
不都合な真実を直視することの難しさ-安倍談話と『撫順の奇跡』に学ぶ

 また、非常に考えさせられたのは、昨年8月15日にリニューアルされた『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』だ。各国の歴史記念館と比較しても圧倒的な展示量と工夫された見せ方、科学的根拠に基づいた立証、プロパガンダを薄めて普遍性を高めようとする姿勢に感銘を受けた。克明に人道的犯罪を記録・展示している一方、だからこそ平和への努力が必要であり、罪状を告白し謝罪している日本人もいることも丁寧に展示している。一段高いレベルを志向していることが伝わって、日本人の歴史に対する見解も、もっと進化させなければと痛感した。

 ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館を訪れたのはちょうど原爆資料展が退役軍人の反対によって中止に追い込まれた1995年だった。原爆を投下したエノラゲイに乗り込んだ20歳前後の若者たちの晴れやかな表情を見ると、彼らは1903年に初めて空を飛んだライト兄弟、セントルイス号に乗り大西洋を横断に成功したリンドバーグなどと並ぶ米国の航空科学の歴史における栄光を象徴する存在とさえ感じられる。

 一方で、すぐ近くにあるホロコースト博物館においては、ナチスの残虐行為が徹底的に展示され、そのボリュームは丸一日かけても全てを見ることは不可能と思える膨大なものだ。エノラゲイの展示とのコントラストには強い違和感を感じざるを得なかった。


(2)あまりにも控えめな展示に拍子抜けし、怒りが込み上げた広島の原爆資料館

 何の罪もない民間人の人生を一瞬のうちに破壊し、終わることのない後遺症や心の傷を与えた原爆は間違いなく人道に対する重大な罪である。唯一の被爆国でもある日本は、そのことを伝え続ける使命があると思う。

 しかし、前述した各国の戦争博物館と比較すると広島の原爆資料館は非常に印象が薄い。最初見学した時、正直に言うとあまりにも控えめな展示に拍子抜けした。曲がったビール瓶、溶けた瓦など、原爆でなくてもそうなりそうな展示が大半を占め、巧妙に、原爆の残虐性、非人道性を排除した淡々とした展示になっていると感じた。水を求めて辿り着いた川に折り重なるような死体の山、全身がケロイド状態になりパンパンに膨らんだ死体、走って逃げている格好のまま燃えて炭になった人間。それまでに聞いていた、原爆の恐ろしさをリアルに伝える、胸をえぐられるような展示の数々を想像し、覚悟を決めて行ったにもかかわらず肩透かしを食った思いで、原爆の真実を伝えていない展示への怒りがふつふつと込み上げてきた。

 一方、長崎の原爆資料館はより犠牲者に焦点を当て、遥かに印象的で心に突き刺さる展示になっている。さらに心に迫るのは沖縄だ。ひめゆり平和祈念資料館、沖縄県平和祈念資料館の戦争によって死の恐怖と闘う人々の手記からは、死んでいく家族や仲間の無念の思い、米兵によって焼き尽くされる人々の凄惨な様子などが伝わってくる。戦争によって人々の希望や夢、平和な生活が打ち砕かれ、今、まさに死に直面している恐怖や怒りが切々と綴られている。このようなリアルな姿を示すことこそ資料館の使命ではないかと思うと、もっとも有名な広島の原爆資料館の存在の意味について考えざるを得なかった。

 実は、広島市民から提供されたものの中には、突き破った骨が埋め込まれたコンクリートの残骸など、原爆の恐ろしさをリアルに伝えるものが実は沢山あると聞いたが、さまざまな事情でそれらは展示されないらしい。私は広島の原爆資料館に行くたびにいろんな外国人に声をかけて展示を見た印象を聞くことにしている。ついに資料館を見たという満足感、高揚感もあって、「ショックを受けた」「原爆の恐ろしさを感じた」と、お約束の反応をしてくれるが、「これまでの人生で見た他の戦争記念館と比較したらどうですか?」などと聞くと、「言われてみればあまり心に迫る展示ではないね」「これだけ?って思ったよ。これ以外にも展示があるの?」と反応が変わってくる。グロテスクな展示を求めているわけではないが、それなりの覚悟と純粋な思いを持って見学する人たちがすぐに忘れてしまうような奥ゆかし過ぎる展示であれば、原爆の恐ろしさを伝え、核のない世界を作るという目的に寄与することは難しいと思う。

 米国では原爆が戦争を早期終結させ、さらなる被害を抑止したという考えが未だに主流である。国際人道活動を一緒に行った仲間だった米国人が、I’m sorry for second atomic bomb on Nagasaki!(「長崎への2発目の原爆は問題だったと思うよ。」と真顔で言うのを聞いた時は怒りが込み上げた。しかし、これが現実だ。この評価を覆すことは並々ならぬ努力と時間がかかることを実感した。

3.オバマ大統領に求める心からのメッセージと具体的な行動

 オバマ大統領が今回広島を訪れることは率直に評価したいと思う。米国大統領として広島を訪れることの重さ、今年が大統領選挙の年であることを考えると言動に慎重になる事情はわかる。

 マスコミ報道を見ていると『謝罪を求めるべき』という意見がほとんど論点になっていないのを感じる。安倍政権は、原発も含めた原子力に対する反発が燃え上がることは避けたいこと、また、中国や韓国に対する牽制の意味があって最初から謝罪を求める態度などはおくびにも出すべきではないと考えているようだ。また、近々訪れるとされている真珠湾に対する態度との整合性も考えているのかもしれない。

 私の率直な思いは、オバマ大統領が原爆の非人道性を強く認識し、自身がノーベル平和賞を受賞する要因にもなった『核なき世界を実現する』本当の思いがあるのであれば、ひとりの人間としての心からのメッセージを発するべきだ。謝罪の意味が含まれていればより決意が際立つのは当然だ。それが政治的に難しいとしても具体的な行動の決意を伴った、心に響く強いメッセージを期待したいと思う。侵略された側、被害を被った側の立場に徹底して立ってこそ、未来志向の関係を築く一歩になるのだ。

 そして2018年にリニューアルされる新たな原爆資料館は、米国のご機嫌を取ることよりも、一人一人の人間に焦点を当て、科学技術も駆使して、原爆の非人道性、米国側の態度とその変化、核廃絶の様々な闘いなどにも焦点を当てた歴史の評価に耐えうるものにして欲しいと切に願う。



『侵華日軍第731部隊罪証陳列館』にて


献花の順番を待つ人々(2015年8月6日)


数千人が銃殺されたアウシュビッツの『死の壁』


戦犯による運動会(撫順撫順戦犯管理所旧址)





アフガニスタン人の友人が官邸前で行ったデモと声明-日本の援助が民族対立の要因になってはならない

2016年05月20日 23時34分19秒 | 政治

 この17日、友人のアフガニスタン人(ハザラ族)ヒサールさんが中心になって首相官邸前でデモを行いました。アフガニスタンへの日本の支援に対する感謝の思いを伝えるとともに、日本の援助が民族融和ではなく、民族対立をあおるために使われていることを指摘し、ぜひ考え直してくださいと平和的に、しかし切実に訴えるデモです。

 ヒサールさんは、私が首藤信彦衆議院議員の政策秘書をしていた時、米国による対テロ戦争によって日本にやってきたアフガニスタン難民で、私たちは何とか難民認定を受けられるよう協力をしていました。今回、デモの後、できれば国会議員に声明を渡したいとのことでしたのでアフガニスタン情勢に関心のありそうな何人かの国会議員にお願いしましたが、残念ながら国会は今、選挙モード。時間を調整してもらうことは叶いませんでした。私自身も現場には行けませんでしたが、ヒサールさんが首相官邸前で読み上げた声明をそのまま紹介したいと思います。


 「日本のみなさん こんにちは。私たちは日本に住んでいるアフガニスタン人です。 留学生から会社経営者まで 立場はさまざまですが、本日はアフガニスタンにいる国民の声を 日本政府と日本国民の皆様にお 伝え するために、集まりました。警備、警察のみなさん、本日はご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

 まずデモを始める前に、先月、熊本県を中心に発生した、九州地方の地震において被災された方々に黙とうを捧げます。

 まず、私たちはアフガニスタン国民の代表として日本政府、日本の国民の皆さんにお礼を伝えたいと思います。

 アフガニスタンでは長く続いた内戦が終わり、現在は国の復興と成長に向けて歩んでおります。2001年にアフガニスタン暫定政権ができてから、日本はいち早く国際社会の先頭にたって、アフガニスタンの復興を支援して下さいました。2002年のアフガニスタン復興支援は東京会議から始 まり、兵士武装解除、社会復帰のDDR、治安維持、能力強化、人道支援、文化、教育、人材育成、インフラ整備、農業支援、医療、そして、大統領、議会選挙の選挙支援にいたるまで、幅広い分野でアフガニスタンの復興にご協力をいただくとともに、多大 な資金協力をして下さいました。日本からの支援は、つまりは日本国民の皆様からのご支援であります。私たちは日本政府をはじめ、日本国民の皆様一人一人に心から感謝しております。警備 さん、警察の方々、いま立ち止まって聞いてくださっている皆様、ご通行中のみなさまの一人一人の税金で、私たちの国は復興に進んでいます。本当にありがとうございます。

 さて、今回のデモの主旨ですが、現在、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタンを結ぶ送電 線網、構築、プロジェクト、通称TUTAPが計画 されています。このプロジェクトは、アメリカ、日本が中心となり、また日本からの多大なご支援により進められようとしております。

 ドイツの電力専門企業が、皆様もご存じのバーミヤンからのルートが一番最適、安全であると公表し、カルザイ前政権ではその計画を承認しました。政府は、アフガニスタン憲法 6条において、国のすべての地域、すべての民族に平等と同等の開発を与える必要があることを言っています。しかしながら、TUTAPプロジェクトでは、現在の政府のリーダーたちは、電気ケーブルのメインルートであるバーミヤンをルートから除外を決定しました。アフガニスタン政府はケーブルに関するアフガニスタンの人々の正当な要求に注意を払っておらず、政府の非道と独占的決定を主張 しています。

 私たちは、バーミヤンの人々は、そのような決定は不合理であることと、国益とは反対の方向へ進 む決定であると思っています。この誤った政策により、短期および長期的に経済的に損失を生み出すでしょう。またすべての州に平等な開発という憲法に反しています。バーミヤンの代わりの送電ルートのサランルートは、十分な 安全性とセキュリティの欠如 が あります。

 それはロジックと開発の確立された慣行と互換性がなく専門家の過半数によってサポートされていません。人々の大半は、サランルートへの移行に不満を覚えています。本来このTUTAPプロジェクトは経済発展の大きな後押しをするすばらしいプロジェクトであり、経済を取戻し、発展をすることは、つまりはご支援をいただいた世界の 国々、そしてその中でも日本の皆さんに恩返しをするチャンスでもあるのにもかかわらず、政府、官僚の私利私欲、非道、差別 によりこの国の重大なプロジェクトを衰退に導くものとなります。バーミヤンの人々、そして私たちアフガニスタン国民は、このアフガニスタン政府の決定は賢明ではなく、そのような決定に頑固に固持することは独裁以前の何ものでもないと思っています。この TUTAPプロジェクト問題について日本にはニュースはありませんが、先のほども申し上げましたように、日本の皆様のご支援により進められています。

 アフガニスタンだけでなく、今は世界中でデモが行われています。このデモを通じて私たちはアフガニスタン政府にすべての国民への義務を尊重し、すべての国民が平等の権利と平等の開発の平等原則をアフガニスタン政府に求めています

 このような平等な権利は憲法で強調し、バーミヤンにも平等に電気を通すことを求め、1 日でも早くこの不当な決定をやめ、国内および国際的な専門家にゆだね、真剣に政策を見直 しするように求めています。私たちは、表明します。民主的な需要を聞くために、政府に圧力をかけるために、貧困緩和と持続的な発展に責任を持っているアフガニスタン政府、国家 および国際人権団体、国際機関、援助国に寄付の資金が支配者と独占企業の政治家の個人的な意志の開発・ロジックに使用される傾向を見逃さないように訴え続けます。私たちはバーミヤンの住民の声、アフガニスタンの声として、アフガニスタン政府に対して、不正な計画を改めるように抗議します。日本政府に対して、日本国民からの税金を支援して拠出した後 に、正当に使われているかを監視 管理することをお願いしたいことと、日本は多大な協力をしているという強い立場から、ぜひ不正な計画を改めるようにアフガニスタン政府を指導 をしていただきたく思います。

 私たちは日本の国民の皆さんの税金が不平等に使用され、このような現状になっていることに対して、アフガニスタン政府に憤りと怒りを感じているとともに、早くこの問題が解決 し、このプロジェクト 正当に進 められて、1 日でも早く復興発展をとげて日本の皆様に恩返しができる国になりたいと思っています。最後に、もう一度、日本の皆さんどうもありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします。御静聴ありがとうございました。」



舛添都知事の報道が隠してしまう『パナマ文書』が示すあまりにも不公正な構造

2016年05月19日 00時52分31秒 | 政治

 引っ越しに伴う資料の整理をしていたら、『戦無派日本人のカンボジア』という単行本の中で、UNTACでの選挙支援活動(1992~3年)について私がインタビューされている記事を発見しました。その中で、今、渦中の舛添要一東京都知事とカンボジアで一緒に写った写真も載っていました。それ以前にテレビで見た評論家としての舛添氏の語り口や態度、私は好きではありませんでした。しかし、カンボジアでお話した後、現地で銃撃を受けて亡くなった中田厚仁さんを追悼する文集に宛てて綴ってくれた一文は、とても心を打つ素晴らしい文章でした。

 東京都知事としての公費などの疑わしい使途についてはしっかり追及すべきと思いますし、決して舛添都知事を擁護するつもりもありません。しかし、この問題と同時期に明らかになり、世界を震撼させている『パナマ文書』は遥かに大きな問題であり、国内のメディア報道が舛添知事の問題に偏ることは明らかにバランスを欠いていると思います。

 タックスヘイブンに集中している超富裕層の資産は、21兆ドル(2400兆円)と概算される天文学的な数字です。大金持ちが法の抜け道を使って税を逃れうるこの構造は、今の法律上違法ではなくても、本質的にはあまりにも不公正です。日本政府は現状を静観する方針との事で、菅官房長官は早々に調査はしないと声明を出しました。しかし、0.1%の富裕層の税逃れを放置し、99%の庶民に税を負担させる不公正な構造をそのままにしておくのは正義と言えるのでしょうか? アメリカ大統領選挙で民主党のサンダース候補が主張するように、ここにメスを入れることさえできれば、貧困層の医療をサポートしたり、公立の大学を無償化することなどたやすいことと思われます。

 企業がタックス・ヘイブンの地に拠点を置くこと、それは違法ではありません。しかし、EU各国は「パナマ文書」で明らかになった自国の企業を脱税容疑で捜査を開始しました。一方、消費税を引き上げ法人税を引き下げる日本政府は沈黙を保っています。参議院選挙前に国民の怒りが爆発することを懸念してのこととすれば、明らかに道義的責任の放棄です。

 2007年、消えた年金問題で大騒ぎになっていた頃、当時の安倍首相が「国民の不安を煽る結果になる」と調査を拒否したことを思い出します。

 さて、今回パナマ文書を分析したのはワシントンに拠点を置く「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」です。この団体はUSAID(米国国際開発庁)やジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティー」、また「フリーダム・ハウス」の支援を受けた団体です。私はこの3月にワシントンで講演をした際、フリーダムハウスを訪れました。グルジアやキルギス、ウクライナなどの民主化を実現したカラー革命への関与などについてヒアリングする機会がありましたが、『民主化支援』の最大の目的は米国の大企業の利権を守ること。そのために彼らがこれらの団体に巨額な寄付を行っていることもまた、民主化支援を巡る現実と実感しました。

 今回、プーチン露大統領やキャメロン英首相、習近平中国国家主席などの名前がパナマ文書で公開され、アメリカの政治家や企業の名前が出ていないことは不思議です。高島康司氏は「パナマ文書で世界の富裕層を「脅迫」しはじめたアメリカの苦境」の中で、OECDが成立させた「共有報告基準」にアメリカは調印を拒否し、「外国口座税務コンプライアンス法」を楯にして、他の国々の金融機関に口座内容などの情報をすべて開示するように求める一方で、アメリカ国内の金融機関の情報は他の国に対して一切公表しなくてもいいようしていると書いています。つまりアメリカ国内に租税回避を目的とした秘密口座を持っていたとしても、これを他の政府に開示する義務はないのです。驚くほど公平性を欠くと言わざるを得ませんが、このようにして、中国やロシアのリーダーに打撃を与え、イギリス系のタックスヘイブンを潰し、アメリカ国内のタックスヘイブンに世界の超富裕層の資金を集中させて、米国経済を活性化するのが目的なのかもしれません。

 この不平等な仕組み、日本が様々な不利な条項を飲まされた(したがって安倍政権は公開できない)TPPを巡る構造と共通するのを感じます。パナマ文書の問題についてはわからないことが多いのですが、本質的な構造の問題点については、今後も注視していきます。




山尾志桜里政調会長を招いての講演会-安倍総理による憲法改正がもたらす危機

2016年05月14日 22時35分58秒 | 政治

 今日は山尾志桜里政調会長を招いての講演会が松阪市で開催されました。主催は民進党系の『新政みえ』で、三重県議会においては最大会派です。会場は超満員。600人近い方が熱心に参加して下さいました。山尾政調会長は自由、共生、未来への責任のそれぞれのテーマで安倍政権の問題点を明快に指摘。金持ちを大金持ちにするのではなく、普通の人が希望を持てる社会の実現を目指す民進党の考え方、また提出した法案などについてをわかりやすく、熱く語ってくれました。

 山尾政調会長とは2009年初当選の同期。当選直後、事業仕分けのワーキングチームで同じチームでした。連日、外務省や法務省の予算に無駄遣いがないか担当者を呼んでヒアリングをしましたが、当時から、検事の経験を活かした彼女の追及は蓮舫議員に負けないパンチ力があり、役所の方々が対応に四苦八苦しているのは明らかでした。今や予算委員会の質問者としては、間違いなく安倍総理が最も嫌がる議員でしょう。彼女との議論で安倍総理は、憲法改正を目指しているにもかかわらず憲法の基本的なことを知らないことが次々に国内外に暴露されてしまうのですから。5月16日には今国会5度目の安倍総理との対決だそうです。

 山尾政調会長、そして芝博一参議院議員の前に、私も来賓としてスピーチしました。今日、スピーチで訴えた私たちが共有する特に強い問題意識は、安倍政権のもとで集団的自衛権の行使が可能になることがもたらす日本の危機、そして私たちの貴重な貴重な公的年金が株価の操作に使われており、5兆円前後の損失が出ているにもかかわらず、その実態を隠していることです。国民の知る権利を踏みにじることは民主主義の破壊。本当に許せません。

 安倍総理が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にしたこと、そして参議院選挙で憲法改正して9条を変更する意志を示していることには私自身の経験からも危惧を抱いています。

 2001年9月11日、同時多発テロが発生しブッシュ政権が始めた『対テロ戦争』が始まった頃、私はパキスタンとアフガニスタンの国境地域で、平和構築活動を行っていました。そこは当時、オサマ・ビン・ラディンが潜入しているとされていた地域。米軍による空爆で、現地の人々は次々と殺されていました。そして、米軍による攻撃を小泉政権が支持していることも知れ渡っており、「お前たちが奴らの側につくなら命の保証はしない」と燃えるような憎悪を込めた目で訴えられました。同時多発テロが起こる前、日本人というだけで握手を求めてきた人々の姿はもはやなく、私自身が拘束、殺害される可能性も覚悟しました。

 しかし、集団的自衛権の行使は、『支持する』こととは比較になりません。それは売られていないケンカを買いに行くことであり、米国の戦争に対し、後方支援などの軍事行動に直接関与するわけですから、犠牲者の家族、部族、国民から恨みを買うことは間違いありません。また、戦闘行為の中で民間人を巻き込むことも有り得ます。結果として海外にいる日本人、特に人道支援などの目的で現地で活動している日本人は報復の対象になる可能性が高まります。軍と一体になって活動すればなおさらです。

 また、日本国内の原発は容易にテロリストによる攻撃のターゲットになるでしょう。特殊訓練を受けた軍が警備を義務付けられた米国などとは違い、日本の原発の警備は極めて脆弱。極めて少数の軽装備のテロリストによって配電板が破壊されるだけでメルトダウンは起こり得ます。また、青森県の大間原発などは国際海域から3カイリしか離れていません。原発が攻撃を受けたら日本全体が壊滅的状況に陥る可能性があるにもかかわらず、その危険性を認めておらず、攻撃を想定した対応がされていないことは身も凍るような日本の現実です。

 私たち民進党の安全保障の考え方は、近くは現実的に、遠くは抑制的に、そして人道支援は積極的にというもの。日本近海において『付け入る隙を与えない』法整備は必要です。一方、真に平和に寄与する行動は決して軍事的手段ではありません。私たちには日本が守り引き継いできた大きな価値を、安倍政権によって破壊されることを阻止する大きな責任があります。そのためにもまずは参議院選挙で勝利することが必要ですが、衆参同日選挙の可能性も踏まえ準備を急がなくてはなりません。



歯切れよくスピーチをする山尾志桜里政調会長


会場は超満員の盛況でした。新政みえの先生方には心から感謝です


終了後はいつものように自転車で街頭活動に出掛けました!


アメリカの若者、ロンドン市民の選択に希望を感じながら、連日街頭で訴える

2016年05月08日 00時52分14秒 | 政治

 昨日投開票が行われたロンドン市長選挙において、S.Khan氏がムスリムとして初めてロンドン市長に選ばれた。彼はhope over fear unity over division!すなわち恐怖を希望が、分裂を団結が乗り越えた!とスピーチ。ヨーロッパが分断されつつある中、大きな希望を感じるニュースだ。

 同じ現象はアメリカにおいても起こっている。今日、友人でワシントンの大学で教えている芦沢久仁子氏が自ら執筆した記事(朝日新聞WebRonza 『アメリカの若者の国家観は親の世代とは大違い-グローバル市民化する若者たちと国際政治』を送ってきてくれた。この3月にワシントンで講演をする前、彼女とバーニー・サンダース現象について語り合ったが、この現象について分析し、彼の存在がアメリカの若者たちの価値観を変えつつあると指摘している興味深い記事だ。民主党大統領候補としての指名獲得は難しい状況だが、彼が訴えている価値観は今後、アメリカ社会に、そして世界に大きな変化をもたらすものになりそうだ。

 記事によると、世論調査を行う会社として有名なフランク・ルンツが2月に調査を行ったところ、もし、今日、大統領選挙が行われたら、誰に投票するか」という質問に、最も多くの45%がバーニー・サンダーズ氏と答え、2番目の19%がヒラリー・クリントン氏と答えたという。「どの政治システムが最も人道にかなっていると考えるか」という質問には、58%が社会主義、33%が資本主義、9%が共産主義を選んだ。そして、「アメリカ国民」か「世界の市民」のどちらをより近く考えるかという質問に対しては、65%が「アメリカ国民」と答えたのに対し、35%は「世界の市民」という立場を選んだ。18歳から21歳に絞った結果を見ると、42%が「世界の市民」と答えたという。

 国際政治学における有力な理論として、自分のことをグローバル市民と考える人達が主流派になれば、国家間の武力紛争は根本的に無くなる」という考えがある。つまり、他国、および他国の国民とアイデンティティーを共有することになれば、お互いの運命が一体化し、あなたの運命は、私の運命。私の利益は、あなたの利益になり、その状況では、相手はもう「脅威」の対象とはならないということだ。このような考えはすでにオバマ大統領の外交にも反映されているが、今後、米国の外交政策さらに反映されそうだ。

 そして、闘うべき共通の敵は、ごく一部の富裕層をますます豊かにする一方、真面目に働く人たちの希望や可能性を奪う今の制度であり、それを守ることを目的とした政治そのものなのだ。これがサンダース候補の一貫した主張だ。

 バーニー・サンダースの演説が若者たちの価値観に大きな影響を与えている様子、下記の映像から伝わってくる。

 バーニー・サンダース『正義とは』

 バーニー・サンダース:『経済が不正操作されてる事実を企業メディアは伝えない』

 バーニー・サンダース:『イラク戦争反対演説』

 バーニー・サンダース候補の問題提起は私自身が訴えてきたことでもあり、このブログにおけるメインのテーマでもある。トランプ氏が言う『偉大なアメリカ』よりも、サンダース氏が訴える『社会的正義を追求する、人々の権利を守るアメリカ』を世界は尊敬する。『戦前の日本を取り戻す』安倍政権への異議申し立ては、このような世界の市民社会と連携してやるのがもっとも効果的な方法だと思う。

 この連休中は、街宣カーで、自転車で、数十か所での街頭演説を行った。安全保障法の運用がもたらすテロの可能性の増大、安倍政権が米国に譲歩に譲歩を重ねた結果のTPPの本質、年金運用の損失を徹底的に隠す国民への背信、報道の自由度の急落に象徴される民主主義の危機などを、できる限り地域の問題を切り口に訴えた。聴衆を熱狂させるまではいかないが、私自身もぶれることなく主張を続けることで、必ず理解されると希望を持ち続けたい。



芝博一参議院議員、津市長を勤めた松田直久衆議院議員、井初男県会議員、後藤健一県会議員、中瀬古初美県会議員、舟橋裕幸県会議員、前田剛志県会議員、杉本熊野県会議員、桂三発津市議会議員とともにマイクを持って訴えました。大勢の仲間とともに行う街頭演説はほとんど始めての経験でしたが、三重県における改革勢力の力と絆を感じました。写真は松田直久衆議院議員と


事務所前でダッシュを繰り返し、停車中の車に政策ビラを配っています。


自転車に乗っての街頭活動に出発するところ


2台の街宣カー、そして自転車を和歌山から自分で運びました!





民進党三重県第4区総支部の発足

2016年05月01日 09時38分40秒 | 政治

 ここ数日、事務所と住居の引っ越し、また街宣車を運転し、松阪に移動するなどの準備を進めています。29日はメーデーに参加した後、『民進党三重県第4区総支部発足式』を松阪市で実施しました。

 松阪市出身で、三重第4区総支部長代行だった中川正春衆議院議員からこの地域の責任者としての役割を引き継ぎ、約100人の参加者を前に決意表明し、私の政治的価値観、また、これから実現したいと考える政策についてお話ししました。皆さん、熱心に参加して下さり、真剣に聞いて下さったことに感謝申し上げます。中川正春衆議議員、芝博一参議院議員、また新生みえの県議会議員の方々、また東京から来てくれた友人たちも温かいメッセージで激励して下さいました。

 私自身、これまで何度も三重4区に入り、多くの方々に話を伺ってきました。アベノミクスは地域には届かず、山間部は特に過疎化、少子高齢化が進み、後継者不足の問題、子育てを行う上での厳しい状況など和歌山県とも共通します。これからも徹底的に地域を歩くこと、そして何より対話を続けることを政治活動のど真ん中に置き、皆さんの心を心とする政治を行うべく、活動を続けます。


決意表明をする私


中川正春議員の支援者が多く来訪くださいました


芝博一参議院議員とは松阪市末広町の事務所を共有します。