阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

『責任野党』より闘う野党であるべき!

2014年06月22日 23時49分03秒 | 政治

 今日は日本維新の会の臨時党大会が開かれ、ふたつの政党に分党されることが正式に機関決定されました。

 党大会の後で、橋下代表を囲んでの懇談会が行われ、今後の党運営について意見交換をしました。私が主張したのは緊張感のある国会であるためには闘う野党であるべきということ。私は『是々非々』という言葉は正直使いたくありません。また『責任野党』と言われて喜んでいるようでは安倍政権にナメられるだけです。我々が果たすべき責任は、明確なビジョンを示した上で厳しいチェック能力と提案能力を持った野党として政権与党の誤りや矛盾を正していくこと。反対のための反対はしないけれど気概としては非非非非非是ぐらいでいいでしょう。

 大きな方向性が同じ政策であっても、自民党は骨抜きにしたり看板を掛け替えただけでやったふりをすることにも巧みな政党です。従って安易に賛成するのではなく、構造的な矛盾が隠されていないか、あれば徹底追及することを基本姿勢にすべきです。長妻昭議員の「消えた年金」や馬淵澄夫議員の「マンションの耐震偽装」が政権交代につながったように、自民党政権の構造的問題をあぶり出す追及姿勢を貫くことが政権奪取につながると主張しました。

 外交についても追及すべきポイントは沢山あります。安倍総理は『はじめに集団的自衛権ありき』ですが、大切なことは、付け入る隙を与えない自衛措置を取るために必要な切れ目のない法整備を行うことで集団的自衛権の行使自身が目的ではない。現政権のリアリティーのない現状認識は当然追及の対象にすべきなどと申し上げました。

 安倍政権が喜ぶ野党であっては存在意味がありません。徹底した対決姿勢と志の高い提案姿勢を組み合わせ、政権に擦り寄るのではなく奪い取る迫力を持った勢力を目指すべきです。今日はその新たな出発点であるべきと思いを新たにしています。



臨時党大会で挨拶する橋下徹代表

改革政党への原点回帰、そして改革の力を結集!

2014年06月07日 22時44分30秒 | 政治

 今日は橋本市やかつらぎ町を中心に街宣カーに乗って街頭演説を続けました。日本維新の会が分党した経緯や、私が橋下代表を中心とする新党を選んだ理由などをマイクを持って訴えました。

 私たちの理念は『改革政党への原点回帰』。この言葉に尽きると思います。維新は改革政党であるという原点はこれからは決して見失ってはなりません。

 そもそも橋下代表が圧倒的な支持を得たのは、既得権のかたまりだった大阪府、そして大阪市の改革を断行し、極めて短期間に行政の効率化を実現からです。さらに既得権の極みでもある原発についても、安易な再稼働に反対し、原発に依存しない社会の実現に向けて力強い発信を続けていたからだと思います。

 小さなお子さんを持つお母さんなどから「橋下さんは嫌いだけど原発をなくすには橋下さんにすがるしかない。だから支持している!」こんな言葉を何度か聞いたことがあります。橋下さんのキャラクターについて賛否はあっても、類まれな実行力と発信力は誰もが認めるところだと思います。

 ところが、石原慎太郎氏率いる旧太陽の党と合流すると原発政策については「2030年代にフェードアウト」というあいまいな表現になり、維新は原発を推進するのか脱原発なのか、どっちやねん!という声が多く寄せられるようになりました。 

 今、私が事務局長を務める党の『エネルギー調査会』では、再生可能エネルギーが原発の代替エネルギーになり得るのか等、原発政策の根拠について議論を続けているところです。しかし、いつまでも原発に依存する社会に持続可能性はありません。日本はエネルギー分野、そして環境分野において世界に先駆けた挑戦を行い、世界最先端の脱原発経済システムを機能させるモデル国家を構築すべきです。できるかどうかではなく「やる」と強力な政治的意志を示すことが重要。原発に注ぎ込まれてきた税金を再生可能エネルギーなどの新技術の開発や固定価格買い取り制度などに投入して競争力を強化。先駆者利益と尊敬を勝ち取る方向に進めるのが維新の役割だ! こんな演説を続けました。

 新党は37人のスタートになりました。当初の想定よりは若干少ないのですが、結いの党、そして民主党との合流を目指す上で、政策的に近い考えを持った人々が残ったと思います。右でも左でもなく真っ直ぐ前へ進む改革政党として、現実を踏まえた上での理想の社会の実現を目指していきます。





 






  



拉致被害者等を調査する特別委員会の在り方と、ミャンマーのティラワ経済開発区の問題点について

2014年06月06日 15時25分33秒 | 政治

 今朝の外務委員会では日朝政府間協議において合意した特別調査委員会について、また、ミャンマーのティラワ経済開発区における住民立ち退き問題に対する質疑を行いました。

拉致被害者等を調査する特別委員会の在り方とミャンマーのティラワ経済開発区の問題点について外務委員会で質問 衆議院インターネットTV(6月6日) 

 拉致被害者、特定失踪者、日本人配偶者、また戦後の残留者について再調査を行う日朝合意に関して、私が懸念するのは人的往来などの制裁を解除する時期が、早急過ぎる点です。合意では「北朝鮮が包括的調査のために特別委員会を立ち上げ、調査を開始する時期」とされていますが、開始しただけで結果が出る前にカードを切ってしまうことで実効性のある交渉につながるのか甚だ疑問です。特別委員会の委員長は誰なのか、また、その権限はどの範囲まで及ぶのか、未だに不明です。特に最高権力者である金正恩第一書記から権限が付与されているのかどうかも定かではありません。身分確認を行う際にDNA調査などの科学的調査を行うことも必要でしょう。

 合意文書では日本側も現地訪問など情報を共有できる措置を取ると文言がありますが、調査を行うのが北朝鮮の関係者だった時、果たして本人が「日本に帰りたい」と言えるのかどうか。北朝鮮が茶番を繰り返すことがないよう調査・ヒアリングのプロセスを日本側が監視し、実効性を担保できるようにすべきと強く求めました。

 そもそも経済制裁自体の効果について、私は北朝鮮政府より国民を苦しめる結果になることを危惧しますが、交渉の戦略として、結果が出る前に報酬を提供することが、北朝鮮の不誠実な対応を招くことがないのか、目を光らせなくてはなりません。


 ミャンマーのティラワ経済特区については、私は2年前に訪問し、それ以来どのような開発が行われるのか注視してきました。水曜日には「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」として、ミャンマーにおける日本の援助と人権について報告会を実施。ティラワ経済特別区において、立ち退きを強いられた現地の住民の声を聞く機会をNGO『メコン・ウォッチ』と『ビルマ市民フォーラム』の方々に作って頂きました。勇気を持って現状の問題点を指摘して下さった住民の方々の声は、大変貴重なものでした。

 この開発の受益者は広くミャンマーの国民自体でなくてはなりません。日本のミャンマー支援・投資のモデルケースになるためには、環境や人権問題には細心の注意を払い、住居移転を強いられる住民の不満などにも耳を傾け解決していかなければならないと考えています。

 圧倒的なスピードと低コストで大規模開発を進める中国との比較においても日本が開発する場合、時間やコストはかかっても、それ以上の価値・メリットをミャンマーの人々が感じられるように開発事業を行うことが日本の戦略として必要なのです。ミャンマー政府はティラワ開発に関して移転を余儀なくされる住民については国際基準に準拠した条件を提示するなど、これまでとは異なる姿勢を示しており、JICAも丁寧な対応をしているとは感じました。しかし、全ての住民が不公平感を持つことなく事業の恩恵を被る。そんな高い理想を実現するためには多くの難題があります。1997年に移転を通告され、2013年まで放置された揚句に移転させられた人々は1997年当時の補償額である1エーカー(4046㎡)あたり2万チャット(当時の実勢レートでは約20ドル)つまり、1㎡あたり1円にも満たない額の補償が全てとはいくらなんでも不公平すぎます。

住民の立ち退き・移転に関する補償の在り方や、安全な飲料水の確保を含めた住環境の整備について早急に対応するよう求めるとともに、第三者による評価や検証を行う必要性も主張しました。


今朝の外務委員会にて


写真上:ティラワ経済開発区の立ち退き問題について現状をお話に来られた方々から「ビルマの竪琴」を頂きました。

PKOにおける駆け付け警護に伴うリスクについて再び質問

2014年06月03日 11時35分56秒 | 政治

 昨日は安全保障・外務連合審査会で岸田文雄外務大臣、小野寺五典防衛大臣、小泉進次郎内閣府政務官に質問。PKOにおける駆け付け警護に伴うリスクに絞り、前回に続いて議論を行いました。

PKOの駆け付け警護に伴うリスクについて安全保障・外務連合審査会で質問 衆議院インターネットTV(6月3日) 

 目の前の救える命は救う。それは大前提です。しかし、実際に駆け付けた自衛隊が突入して救える状況はめったにありません。特に、駆け付け警護の結果「自衛的措置」であっても紛争の当事者になると、PKO要員だけでなくNGOも含めて危険に直面することになります。

 戦争になれば必ず人は死ぬのです。武力の行使をすれば外国人を殺傷し、民間人も巻き添えにする可能性が生まれます。自衛隊法施行規則39条には「我が国を防衛するために」「危険をかえりみず」「身をもって職務の完遂に努め」と宣誓するとありますが、実際に戦闘行為に従事することまでは想定していないと思います。「命令を下す立場として防衛大臣にその覚悟を聞くと同時に自衛隊員にどのように説明するのか質問したのですが、覚悟が定まっているようには感じられませんでした。

 中途半端に武器を持つことが一番危険。それは私が身を持って痛感したことでもあります。実際に日本国際ボランティアセンターのような紛争地での経験の長いNGOは、例えばアフガン事業などにおける安全確保において、とにかく軍事的行動と一線を引くことが安全確保の上で一番大事であることを強調しています。

 そもそもPKOにおける任務はミッションによって異なり、その都度合意文書で確認することになっています。米陸軍の規則(Operation Law Hand Book 2013)でもカナダ政府の軍の運用規則(Use of Force for CF Operation)でも、駆け付け警護は任務の中に入ってなければやらないことになっています。「他の国はやってるのに日本だけがやらない」という説明は破綻しているのです。にもかかわらず「今のままでは見捨てるしかない」と国民に訴えるレトリックは本当に危険だと思います。

 昨日は時間がなく質問できませんでしたが、展開より撤退の方が難しいこと、もっと議論する必要があります。紛争4派による和平協定はポル・ポト派の離脱を機に完全に破られPKO参加5原則が完全破綻したカンボジアPKOにいて「日本だけ」撤退する判断はできませんでした。PKOへの参加、撤退はあらゆるリスクをシュミレーションした上で最終的に政治判断するしかないのですが、撤退の条件を法律で縛って「なし崩し的に業務拡大」との事態にならないようにしなければなりません。一旦展開してしまうと撤退のリスクはとてつもなく大きいだけに、参加するPKOをいかに選ぶか、あらゆるインテリジェンスを駆使することが必要です。