このGWは、政策の勉強として、数多くの本を読むことにしています。『原発国民投票をしよう!-原発再稼働と憲法改正(飯田泰士著 えにし書房)』という本を読んでいたら、安倍総理に対して原発の是非を問う諮問型国民投票の実施について問いかけた衆議院予算委員会での私の質疑(2014 年2月3日)が詳しく引用され、この本はまさに私の質疑をベースに国民投票の在り方や、安倍総理の答弁の矛盾点について法学的な原則を踏まえた検証がされていることがわかりました。思いがけず自分の名前が出てきたので驚きましたが、興味深く読み終えました。
私自身は、東日本大震災に伴う原発事故の被災地に何度も入ってヒアリングやボランティア活動を続けた結果、私たちが原発を完全に制御する術を持たない以上、原発に依存したエネルギー政策は改めるべきとの考えに立ちます。そして、全国民の生命、そして未来を大きく左右する原発政策については、国民ひとりひとりが熟考し、それぞれの場合のメリットとデメリットを理解した上で、自ら一票を投じて未来を選択する。このような機会を作る政治の挑戦があっても良いのではと考え、原発の是非を問う国民投票の実施について提案をしました。人を選ぶ選挙とは異なり、ひとつの政策について様々な角度から検討し、議論し、自らの判断で投票する国民投票は、国民の政治参加の意識を高め、民主主義を鍛える効果があることが、諸外国においても実証されているからです。
ところが安倍総理は、国民に選ばれた国会議員が政策の決定を国民投票に委ねることは、自らの責任を放棄する危険性につながるとの答弁でした。エネルギー政策については、専門的知識や深い洞察が必要であり、各選挙区で国民によって選ばれた議員が、国会において議論をしながら判断していくべきというのが、予算委員会で示された安倍総理の基本的な考え方です。
国民の代表として、たゆまぬ自己研鑽によってより深い知識と洞察力を磨き、国会での議論によって政策をより良いものにしていくのが議員の責任であることには異論はありません。しかし、本当に、専門的な知識と洞察だけが判断基準なのか?電力会社から多額の政治献金を得ている国会議員も沢山います。私が質問した日の朝日新聞1面には、原発を抱える各電力会社は、2006年以降、原発再稼働を主導する甘利明経済再生相のパーティー券を水面下で分担して購入してきたことが分かったと報道されていました。平均的な年間購入額は数百万円とみられ、各社の1回あたりの購入額を政治資金規正法上の報告義務がない20万円以下に抑えるという法律の抜け道を利用し、資金源の表面化を防ぐ狡猾な方法です。
また、憲法改正は国民投票によって決まりますが、安倍総理が言うように国民はエネルギー政策については専門知識や洞察は持っていないとした場合、では、憲法については専門知識や洞察力を持っているのか?何を根拠にそのように判断し得るのか?という矛盾が露呈することになります。
民主主義が完璧な制度とは思いませんが、自分たちの未来を自分たちで真剣に考え、議論することは、民主主義の可能性を引き出すことにつながります。私は、情報が十分に開示され、権力によって不当な圧力をかけられたり情報操作されることがなければ、日本国民はより良い判断をする知性を持っていると考える立場を取ります。
私は、民主党政権下でこそ、原発の是非を問う国民投票を行うべきであり、その実現のために自分に何ができるかを考え続けていました。当時の民主党政権は、国民への約束であるマニフェストの実現が十分にできていないこと、政権交代時には触れていなかった消費税増税を行う方向であること、また震災時の原発事故対応などについて大きな批判を受けていました。そうならざるを得ない困難な事情もありましたが、「政権交代に期待した国民の声が伝わっていない」という厳しい声が多く寄せられていました。当時、報道各社の調査では原発の未来を国民投票で問うことについては過半数を大きく超える支持が示されていました。
原発の是非を問う国民投票という国民が望む政策を、文字通り国民参加型で行うことで、政権交代に期待した人々の思いに応える可能性を見出せるのではと考えました。
従って私は、まずはこの方向で全力投球すると宣言し、首相を選ぶ民主党の代表選では私の提案を受け入れてくれる候補者を応援することを決め、2012年の代表選を前にした9月には、国会内で代表選挙の候補者の方々にも参加してもらって中高生を招いての討論会を行いました。代表選挙の結果、民主党政権では実現できないことがわかったので、当時、脱原発の急先鋒であった橋下徹代表が率い、大阪都構想を住民投票により実現することを目指していた日本維新の会と民主党が連携して実施できないものかと新たな可能性を探りました。
再び自民党政権になり、チャンスが遠のいたかに見えましたが、細川護熙元首相と小泉純一郎元首相が脱原発を掲げて臨んだ東京都知事選挙が行われていたこの機を逃してはならないとの思いで予算委員会での質問になったのでした。その後、日本維新の会は原発輸出に関する考え方の違いで分裂。私も議席を失いましたが、次の国政選挙では、野党勢力の共通の公約として、原発の是非を問う国民投票の実施を掲げ、国民とともにストーリーを描いていく戦略で臨んで欲しいと思います。特に立憲民主党には期待しています。
これまでにブログなどで発信していた原発の是非を問う国民投票実現に向けての私の取り組みについて、添付しておきます。
予算委員会で原発政策などについて安倍総理に質問
2014年02月03日
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/5319b8b7442bb47971359adf8b274539
① 民主党代表選挙-『国民投票』実施を約束してくれた候補を支援
2012年09月12日 23時52分00秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/0cdd4261de51a181bb4c7aac44418793
② 大切なことは国民投票で決めていいのか!?中高生ディスカッション
③
2012年09月01日 23時57分05秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/m/201209
④ 大切なことは『国民投票』で決めよう!-原発、そして日本の未来について中高生が国会で議論します
2012年08月23日 13時53分11秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/80e6d7e648894d32369bca7881ba1229
⑤ 原発の在り方を問う「国民投票」を!
2012年07月15日 01時29分10秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/6e201a08d599e2f216ff793ec63ff2e5
⑥ 未来のエネルギー政策における原発の在り方を問う「国民投票」を
2012年05月31日 19時11分09秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/m/201205