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社会人学生の遅れてきた学習意欲

実質的には、旅行フォトブログです

海運都市紀行4日目 高雄―大の大人が真剣に輪っかを投げる

2011年08月24日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
夕日を見てしみじみした後、道を引き返してMRTの西子灣駅に戻ってきました。括弧書きで「哈瑪星」と書いてあるのは理由が二つあり、一つ目の理由は実際の西子灣の位置はここから離れているという理由。そしてもう一つは日本時代にここを通っていた鉄道を濱線(はません)と読んだことに由来し、その音を台湾語にあてたものが未だに残っているという理由です。ですので「ハマセン」と読みます。





紅線に乗り換えて巨蛋駅にやってきました。高雄アリーナのことを巨蛋というらしく、その最寄り駅なので駅名が巨蛋なのだそうです。





巨蛋駅から歩いてすぐのところにある地元っ子に人気の瑞豊夜市に来ました。





人が多すぎず、少なすぎず、ちょうどいい感じの夜市です。食べ物エリア以外の店はチープな小物屋やゲーム屋台が主なものです。





一列まるまる輪投げコーナーになっているところがあり、その景品がまるで三十三間堂の千手観音像のごとくズラーッと並んでいるさまは異様な雰囲気を醸し出しています。





で、子供ではなくて大の大人が真剣に景品を狙って、ビシバシと輪っかを投げつけていくんですね。





まずは腹ごなしに排骨屋のテーブルにつきました。パスタ・鍋・ごはんものなどなんでも一通り揃っています。





咖哩排骨飯、80元(=240円)。排骨屋なので排骨は最高においしいのですが、カレーは……、はっきり言うとマズいです。自分の親の世代が食べていた昔の給食のカレーってこんな感じじゃなかろうか、といった感じのスカスカの味です。ここに限らず台湾のカレーは概してスカスカです。美食の國の民がなぜこんな味を許容しているのか私には謎です。





気を取り直して別の店で小籠湯包をいただきます。7個入りで60元(=180円)。自分はやっぱり台湾のこのような薄皮の小籠包が好きです。ハフハフ食べてると小姐が梅酢ドリンクを出してくれました、謝謝!





高雄は蒸し暑く汗をかくので水分補給に愛玉屋へ。





愛玉入りレモンジュース、40元(=120円)。





下には小粒のタピオカが沈んでいて、愛玉とタピオカの二つの食感を楽しみながら飲むレモネードです。まぁ両方ズルズルとした食感なので同じっちゃ同じです。





まだ水分が足りないので追加で飲んだのは苦茶(小)、30元(=90円)。小といえども350mlぐらいはあります。確かに苦いんですが飲めなくもないです。のど飴の甘さを極限にまで押さえて、薬効成分を極限にまで高めたような味です。足つぼマッサージうけた後にこれ飲んで寝たら、翌朝の目覚めが良くなりそうです。

海運都市紀行4日目 高雄―高雄はえぇで、道が広いがね~

2011年08月22日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
ホテルでしばらく休憩した後、高雄の街歩きに出かけました。道路の中央分離帯が公園になっているところには、ハイビスカスがフレアのような色の花を咲かせ、マンゴーの木にはまだ青々とした実が鈴なりになっていました。





街を歩けばこのような廟があちこちに見受けられるのも台湾のいいところです。台南で教わった参拝作法に則って感謝の祈りと神頼みをしました。





中正路、高雄の街を東西に走る幹線道路です。この下にはMRT橘線が走っています。この中正路を西へ西へと歩いて行くことにします。





「高雄はえぇで、道が広いがね~♪やっとかめ、ハイッ!」
自転車が走れる広い自転車道が整備されています。これは非常にうらやましい。





信義國小。パッと見では学校に見えないモダンな校舎です。校舎手前のカーブを描いている屋根はMRT駅の入口です。





これも見ただけでは何かよくわかりませんが、正解は台湾銀行です。





これは愛河、高雄市を流れる川です。





愛河を渡ってからは南へと下って行くと高雄港の門に出ます。この辺に来ると野良犬の数が激増します。





上手い具合に信号の頃合いを見計らって集団でトコトコと歩いて行きます。





高雄港には大陸の東海救113とかいう海難救助船が停泊していました。





両岸交流という名目で台湾側の招請に応じて来航しているようです。









港のカフェのウッドデッキに子猫がいました。すぐ逃げたけど。





西子灣の方に行くにはこのような橋が架かっているので、利用すると多少近道になります。





暗くなると照明が灯るので夜でも安心。





しばらく行けば台湾風の街宣車が停まっていました。とにかく共産党が嫌いなことだけは伝わってきます。





雄鎮北門という古蹟に出くわしました。清朝の頃の建造だそうです。





雄鎮北門をくぐって奥に行くと夕日が見える公園があります。沿岸部はまだ造成中だったので将来的にサンセットスポットになるはずでしょう。





南には高雄の灯台が見えます。





タンカーや漁船がどんどん出港していきます。





曇りがちではありましたが十分きれいでした。風を遮るものが周囲になく、流れるままに風が抜けるので気持ちよかったです。

(つづく)

海運都市紀行4日目 高雄―台北に続いて作ってはみたものの

2011年07月10日 | 2011海運都市紀行




05/03 火曜日
滞在地:台南→高雄





この日は台南を後にして高雄に向かうため、挨拶がてらホテルの傍にあった興濟宮にお参りに来ました。





道教風の廟かと思いきや観音菩薩などの他宗の神々が祀られています。





参拝に来ていた台南市民たちが多謝台湾サンドイッチマンに反応し、寄ってたかって「この神さんはカクカクシカジカ、あっちの神さんはウンタラカンタラ……」と参拝方法や線香の本数、しまいにはお供え物の塩糕と緑豆糕を持たせてくれました。





高雄まではローカル線でのんびりと向かうことにします。あまり早く着いてしまってもホテルのチェックインまで時間が余ってしまうので時間調整も兼ねての列車の旅です。





台鐵の仕組みが未だによくわからないのですが、運行する列車ごとに○○号という等級があり、それによって料金が異なるようです。時刻表を見たらちょうど莒光号のダイヤがあったので、莒光号の運賃82元(=240円)の切符を買いました。





プラットフォームは一昔前の私鉄のような雰囲気です。プラプラ歩いていたら多謝台湾サンドイッチマンに反応した人に呼び止められました。台南に駐在してはや数年の会社員ということでした。その人によるとどうやら電車が遅れているらしく10分ほど待たされているとのこと。





電車が来ました。この電車が莒光号なのかどうかは分からないのですが、外で待っていてもクソ暑いので駐在の人と一緒に乗り込みました。台湾のことについてアレコレ話し込むうち、結局1時間弱もしゃべっていました。 

駐在の人は高雄MRTに乗り換えるため橋頭という駅で下車し一人になったのですが、その2つ先の新左營站で乗ってきたオバチャンが多謝台湾サンドイッチマンに反応してニコニコしながらこちらを見て来るので、今度はそのオバチャンと拙い中国語で会話することとなったのでした。





12:00
台鐵高雄站に着きました。カンカン照りで台南に居たとき以上の暑さです。駅の周りにいるタクシーのオッサンたちが盛んに「墾丁行く?」(墾丁とは南のリゾート地)と客引きしてきますが全然しつこくはなかったです。





高雄火車站から建国路を西向きに歩いて行くと右手に高雄中学があり、さらに西に進んで横断歩道を渡ると三鳳中街があります。量り売りの問屋がずらりと並ぶ問屋街ですが、小口でも売ってくれるので高雄でおみやげを買うにはもってこいです。台北の迪化街を小型にしたようなそんなところです。





お茶・お菓子・乾物・調味料などの店がほとんどです。からすみ(烏魚子)はほとんどの店で冷凍保存しているので店頭に置いていることは稀です。店の人に聞けば出してもらえます。





凍頂烏龍茶、1斤(=600g)350元(=1,000円)。ツアーで連れて行かれるお茶屋では100gでこれぐらいの値段がするお茶を買わせますが、自分で飲む普段使いのお茶ならこれで十分おいしいです。これでも6杯ぐらいはお茶が出ます。





からすみ(烏魚子)を大人買い、2.25斤(=1,350g)2,880元(=8,100円)。台湾のからすみにはいろいろグレードがあり、安売りをしているものはだいたいがブラジル産だそうです。決して食えないことはないけど微妙に泥臭いというか味がおかしいので、気になる方は台湾産のからすみを購入されることをおすすめします。





MRTの高雄車站に戻ってきました。





路線は紅線と橘線の2種類で自動券売機は台北のものとほぼ同様です。パッと見はただの路線図なんですがこれがタッチパネルになってまして、行き先の駅に触れると料金が表示される仕組みになっています。





トークンも台北MRTとほぼ同じです。入構時に改札機にかざすとゲートが開き、退場時に改札機に投入する、というルールです。





プラットフォームはほとんどの駅が島式です。国鉄である台鐵との乗換駅なのにこの人の少なさ。





車両の中はこんな感じ。快適なのはいいんですがやはり人が少なすぎるような気がします。この後さまざまな時間帯にMRTに乗ってみましたが、いつ乗っても乗車率は30%未満であることがほとんどで、高雄捷運の今後について本気で心配になりました。





高雄のお宿、MRT橘線技擊館站から歩いて5分のところにあるチェーンのビジネスホテル康橋商旅です。安いのに清潔で、スタッフが親切でとても気に入りました。

(つづく)

海運都市紀行3日目 台南―とにかくマヨネーズで和えたいの

2011年06月26日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
担仔麺を食べて赤崁楼前のバス停で安平行きのバスを待っていると、赤崁楼に立ち寄る団体旅行客がひっきりなしに後ろを通って行きます。中には多謝台湾サンドイッチマンに反応する人もいて、名刺大の紙に「台湾謝謝」と書いて首からぶら下げている爺さんが「私も同じのを作ってきました」と見せてくるということもありました。(小さすぎるので見てもらえてるのかは疑問ですが)

バスが1時間近くも来なかったこともあって、多謝台湾サンドイッチマンは多くの人の目にさらされたことと思います。たぶん千人ぐらいには伝わっているかと。





バスに揺られること30分で安平古堡に着きました。オランダの台湾統治の本拠地として築かれたのがこの安平古堡で、台南有数の観光地でもあります。





高台の上に砲台跡があったり物見櫓が組まれたりしていますが、これらは近年整備されたものでオランダが築城した当時のものではありません。





敷地内を見下ろすとこんな感じです。5月なのに32℃ぐらいある日の真っ昼間なのでメチャクチャ暑かったです。





塔の上に登ると多少視界は開けますが、特に何があるというわけでもないです。





高台の周囲にところどころ残っているこういう壁は昔のものだそうです。





安平古堡の周りにある安平老街をブラブラします。





裏通りに入っても手入れの行き届いた道がくねくねと続いています。





安平は牡蠣が名物なので蚵仔煎を食べます、50元(=150円)。蚵仔煎は台湾の屋台料理の定番で、一般的には牡蠣オムレツと紹介されることが多いですが、小ぶりの牡蠣の入ったお好み焼きみたいなもんです。





牡蠣と野菜炒めの上に台湾でよくあるプルプルのでんぷん質で作った薄焼きをかぶせて少し酸味のきいたソースをかけた料理、それが蚵仔煎。北京語読みよりも台湾語で「オアチェン」と言った方が通じます。

以前に台北で食べた時はソースの酸味がやたらきつくて受け付けなかったんですが、本場で食べると全ての味が調和していてとてもおいしかったです。





バスで台南站に戻ってきました。写真の建物はもう今や台湾のどの都市でも見かけるようになった新光三越百貨店の台南中山店です。





今どうなっているのか知りませんが、以前に利用したときには誰に対して言っているのか分からないのですが館内放送が日本語でなされていて、「なんじゃココは」と思いました。ちなみに「新光三越」を北京語で読むと「新婚さんYeah!!」と聞こえます。





この日は月曜日なので大東夜市に行くつもりをしていましたが、日中歩き回ったおかげで脚が痛くなったので台湾コンビニの調査もかねてコンビニ飯にしました。

まず1発目は滿漢大餐という名のカップ麺、53元(=160円)。サブタイトルには「葱焼豬肉麺」と書いてあります。





左からスープの素(粉)、レトルトパウチ、スープの素(ペースト)となっています。台湾のカップ麺でこれだけの小袋が内包されているのはかなりの高級路線です。





完成図。辛さはそれほどでもなく塩辛さもマイルドなので、その点で大陸のカップ麺にありがちなトゲトゲした刺激からはほど遠いと言えます。これはアリです。





続いてはおにぎり3連発。培根蛋沙拉(ベーコンエッグサラダ味:たぶん合ってると思います)、18元(=50円)。ベーコンと卵のマヨネーズ和えサラダ風ということのようです。





桃木燻雞(モモの木で燻したスモークチキン:たぶん合ってると思います)、18元(=50円)。スモークチキンをマヨネーズで和えたものが具として入っています。





雙餡 北海道鮭魚&美国龍蝦(ダブル具材おにぎり 北海道産サケと米国産ロブスター:たぶん合ってると思います)、27元(=80円)。鮭と海老のマヨネーズ和えが具になっています。はい、そうです。台湾のおにぎりは具を何にしようがマヨネーズで和えたがる傾向があるようです。





関東煮(おでん)。私の住む関西では台湾や大陸同様「関東煮(かんとだき)」と言っていましたが、最近ではめっきり聞かなくなりました。





飛魚卵福袋と鶏肉丸、15元と10元(=40円と30円)。あげ巾着の中にはキクラゲやにんじんなどの具が入っています。鶏だんごのほうは台湾でよくある鶏だんごですね。だしは日本のおでんだしを4倍に希釈したぐらいの薄さでした。





双茶花烏龍、25元(=70円)。





「日本ビーエイチエヌ株式会社特開専利申請 100%日本茶花」と謳っています。この「日本ビーエイチエヌ株式会社」というのが何物なのか分かりません。そしてどうやらこの文句によれば「茶花」というものを日本が台湾に輸出しているそうなのですが、茶の花を利用するだなんてウン十年生きてきて初めて聞いたものですからすぐに信用する気にはなれないのでした。あ、お茶自体はおいしかったですよ。





台湾啤酒、35元(=100円)。私はビールの味が分からないので論評はできません。裏面には「モンドセレクション金賞受賞」とか書いてあります。

海運都市紀行3日目 台南―台湾の神様、A Dios le pido

2011年06月19日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
赤崁楼から見て道をはさんだ向かいに祀典武廟があるのできてみました。武廟とはまたの名を関帝廟ともいい、三国時代の関羽が祀られている廟のことです。





門を抜けるとすぐ本殿。創建年代が比較的古いので廟自体はこじんまりしており、各地によくあるドデカいド派手な造りのものとは一線を画しています。





ご本尊。跪いて祈願できるようクッション地の足おき台が用意されているのはどこもそうです。ここであれこれお祈りをした後香炉に線香を挿し、残りの線香を掲げながら3回ほど頭を下げるのが一般的な参拝スタイルのようです。線香を立てるための香炉が本尊の正面、両脇、向かいなどいろいろあって迷います。





どこの廟にも入口付近には管理人風の常駐している人がいるので線香くださいと言うと、この類のものは買うのではなくて付近にある喜捨箱みたいなボックスにお賽銭を入れれば勝手に持って行っていいとのこと。線香一袋なら額は10元(=30円)が相場だそう。

で、線香の近くにガス式の着火台(あるいはライター)があるのを知らず、紙銭を燃やす焼却炉で着火しようとしてたら、それを見かねた台湾人が親切にもライターで着火してくれました。線香の持ち手は着色料で染まりまくってるのでウェットティッシュ持参をおすすめします。





廟の奥の方には関平の像もあります。史実と演義で関羽の実子なのか養子なのか見解の分かれるところです。関興でなく関索でもなくなぜ関平なのか、これといった見せ場もなかったと思うのでその辺の人選がよくわかりません。





左にはこの世のものとは思えない真っ黒けの周倉像。いくら架空の人物とはいえこの黒さは何の意図に基づいているんでしょうか。









他にもいろいろな神々が祀られていてよりどりみどり状態です。





火徳星君。特定の宗教によるものではなく古来からの民間信仰での火の神様だそうです。ですので西遊記にも封神演義にも出てきます。





祀典武廟から出て東側に馬使爺廳という、武廟に比べればごくごく小さな祠があります。





中はたったこれだけで関羽を祀ってあるのは武廟となんら変わりありません。画像ではよくわかりませんが、実はここ関羽を祀っているのではなく、関羽が乗っていた名馬赤兎馬を祀ってあるのだそうです。





続きましては祀典武廟から歩いてすぐのところにある媽祖廟の大天后宮に来ました。媽祖とは日本ではさほど馴染みはありませんが、航海の安全を司る神様です。自分がたしか中学生の頃、国語の教科書に『媽祖の贈り物』という媽祖信仰を題材にした短編小説が収録されていたので、同じ教科書を使っていた人なら媽祖がどういうものなのかは分かっていただけると思います。





媽祖です。もともとは海に関することにご利益があったはずが次第に拡大解釈され始め、今となってはとりあえず何でも聞き入れてくれる神様化しちゃってます。









何の神様かわからないのから観音像まで神像は多岐にわたります。ここでも線香を振りつつ「再びこの地を再訪できますように……」とかなんとかお願いごとをしてきました。





媽祖廟を出て赤崁楼方面に歩いていると「結束中共暴政、鞏固両岸自由人権」と書かれた法輪功の横断幕が目につきました。中国共産党がなくなれば万事解決式のことを言う人がいますが、仮にそうなったとしても新政権が中国共産党と同じような暴政をやると思うなぁ。下水から食用油作ったり有毒なエビ洗い粉使ったりする下の方の人民のレベルがあれだけ異常だと。





赤崁楼の近くに度小月担仔麺という台南では有名な店があったので入ることにしました。





頼んだのはもちろん担仔麺(玉子入り)、60元(=180円)。担仔麺は知る人ぞ知る台南名物の小吃です。あっさりしていてお椀も小ぶりなので他のメニューを一品別に頼んでもいいかもしれません。

(つづく)

海運都市紀行3日目 台南―合格祈願も悪霊退散も黄色いお札

2011年06月05日 | 2011海運都市紀行




05/02 月曜日
滞在地:台南





台南は観光地でもあるので路線バスの系統が図で分かりやすく示されています。台南市内の主要な観光地には台南站から出ているバスに乗ればすぐに着くことが可能ですが、観光スポット間の近距離移動なら歩いてでも行くことは可能です。





南門路に面した「全臺首學」の門が迎えてくれるのは孔子廟。台湾全土にある孔子廟のうちで最も創建年代が古いのがこの台南の孔子廟なんだそうです。





敷地内はオープンスペースになっているので誰でも入れるようになっています。





市街地の真ん中にあるので広さはそんなにありません。





南には小学校の運動場が隣接しています。日本時代ここは台南神社があったということです。台湾にある日本人が造った建造物はどれも比較的良く保存されていますが、神社だけは例外で国民党から「神社は軍国主義の象徴である」と目の敵にされて徹底的に破壊され、今では全く別の建物がその跡地に建てられていることが多いです。





孔子廟自体は入場自由の無料ですが、本殿である大成殿に入るには入場料が要ります、25元(=75円)。





これが大成殿です。意外とこじんまりした佇まいです。





中では日本人観光客が個人で雇っているらしい日本語ガイドさんがしゃべっていたので、ありがたいことに横で説明が聞けました。そしたらそのガイドさんが多謝台湾サンドイッチマンに反応したようで「ワザワザ台湾マデ来テクレテアリガトゴザイマス」と言ってくれました。





どの建物の中にもこんな額が掲げられています。右側の見切れている「類」はおそらく「類無教有」だったと思います。





廟内の展示にはこのような楽器類が多かったです。もちろんこれは論語の「興於詩、立於礼、成於楽」にも見られるように、孔子が「楽」というものを重んじたからです。これを初めて聞いた10代の頃はなぜここに音楽が要件として挙げられているのか不思議で唐突な感じがしたのですが、今になってなんとなく意味が分かるような気がします。





黄色い紙に試験や学問にまつわるお願いごとを書いて貼るその名も「及第」ボード。「台湾」+「黄色いお札」=「キョンシー」を連想しますが、魔除けであろうが合格祈願であろうが霊的なお札は黄色と決まっているようです。

台湾でこういう類のお願いごとをする時は、一般的に皆さん名前はもちろんのこと住所や生年月日などの個人情報をできる限り克明に記して、場合によってはIDのコピーを貼付してお願いするのが普通のようです。ボクも受付で紙をもらってお願いごとを書き、判子をついてボードに貼り付けて願掛けしてきました。さぁ、どれでしょう?





願掛けを済ませて出ようとしたら受付のオバチャンが台南孔子廟のキーホルダーをくれました。





孔子廟から少し南に歩いて行くと府城南門公園があります。





大南門。清朝の乾隆年間に石造りに立て替えられたとのことです。





外側の門とこの内側の門の二重構造になっていてそこそこ堅牢な感じがします。





砲台のレプリカなんかもあります。取ってつけた感が満載です。





門の上の楼閣は近年になって再建されたのでピカピカです。

(つづく)

海運都市紀行2日目 台南―フルーツと牛乳の意外すぎる関係

2011年05月30日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
朝から昼過ぎまで飛行機、高鐵と移動ばかりだったので、しばらくホテルで休んでました。台湾夜の観光スポットと言えば夜市ですが、ここ台南でやっている夜市は営業する曜日が決まっているところが多く、台北のように連日連夜やっているわけではないので事前のチェックが必要です。





台南最大級の花園夜市にやってきました。花園夜市は木・土・日の営業で、特に日曜日の夜には台南の若い子たちが大挙して押し寄せます。台南駅からは2km程の距離なので歩いて行けないことはないですが、暑かったのでタクシーを利用しました。

台南のタクシーは初乗り80元(=240円)で以降5元ずつ加算。花園夜市までは台南站からなら100元あれば着きます。帰りは夜市の敷地の周りにタクシーがたむろしているのでつかまえるのは容易です。





行ったのがちょうど日曜日の夜だったので大量の台南市民で溢れ返っております。こんだけギチギチの夜市は初めてです。もうね、前に進めんのです。

人に揉まれまくっていると後ろから「先生、先生」と自分を呼ぶ声が。(「おニイさん」的な意味。台湾では見知らぬ男に対してこう呼びかけます。スペイン語でいうところの"Caballero!"と同義か)

振り返ると20歳ぐらいの台南市民が多謝台湾サンドイッチマンに反応してくれてるようで、「写真撮ってもいいですか」とのことでしたので撮影していただきました。なんか照れくさいです。





気を取り直して夜市を紹介しますね。これは台湾風寿司アラカルト屋台。1カン10元(=30円)ぐらいなので100円の回転寿司より安いです。これと似た点心アラカルト屋台もあって、蒸籠に焼売や餃子などが入っていて好きなものを注文できるシステムでした。





銅鑼焼屋。屋台でどら焼きというのは日本ではなかなかお目にかかることがない組み合わせです。馴染みがあるのはせいぜいベビーカステラくらいのもんです。





焼肉屋さん。これは牛肉のステーキを売ってる店で、欲しい量を量り売りするシステムです。





注文したら店員さんが肉を計量してから食べやすいように5mm程度の薄切りにしてくれます、この量は90元(=270円)。玉ねぎなどの薬味類をお好みでトッピングしたら、テイクアウトできるように包んでくれます。タレも小袋で用意してくれました。





えー、どんどん台湾小吃を紹介していきます。続いては肉圓、35元(=105円)。何の粉かは不明ですがでんぷん質のプルンプルンした外皮の中に、肉や椎茸や筍の具が入った球状の物体にとろみのついた餡をかけた食べ物です。

これ好きですねぇ、実においしい。外側はプルプル、筍はサクサク、餡はトロトロ。100円やそこらでここまでの味を出せるとは台湾小吃の世界は奥が深いです。





次は宜蘭葱餅、35元(=105円)。台湾小吃界ではピザのような葱油餅の方を比較的どこでもよく目にしますが、宜蘭葱餅はまるごとのネギを薄く伸ばした生地で包んで、グルグル巻きにしたのを油で揚げ焼きにしたものです。





たぶん塩と胡椒しか味付けに使っていないと思いますが、なぜかこれがムチャクチャ旨くてその美味しさに絶句です。ネギの層の間にある辛み成分に熱が加わることによって旨味成分に変化するのか、とにかくおいしいのです!是非お試しあれ。





大腸屋台、紅白各20元(=60円)。ソーセージのことを「大腸」とあられもない表現で表すみたいですね。赤いのは肉で白いのはもち米です。





注文すると食べやすい大きさに切り分けてくれるのはこちらも同じ。





敷地の隅っこの方から香ばしいいい匂いがするので寄ってみたら、移動式のパン屋さんが来ていました。





シチリア風ガーリックトースト、25元(=75円)。ニンニクをかなりの量使っているようで、パンの中にまで味が染み込んでいました。だからといってオイリーでギトギトというわけでもなく、植物性油脂のせいか割とアッサリしていたので2個ペロッと食べてしまいました。





葡式蛋塔(ポルトガル風エッグタルト)、20元(=60円)。初回の訪台以来台湾に来るたび毎回これを買っては食べています。あー、また食べたくなってきた。





食べてばかりでは喉が渇くのでジューススタンドへ。台湾のジュース屋台は生のフルーツを使っていて、かつ注文ごとに作ってくれるのに安いのが魅力です。





牛奶というのは牛乳のことで、西瓜はスイカ、木瓜はパパイヤ、緑豆沙は緑豆のお汁粉みたいなやつ、酪梨はアボカド、香蕉はバナナといった具合に、それぞれのフルーツジュースのミルクブレンドということです。漢字の名前とフルーツのイラストは対応していないので惑わされないようご注意を。





西瓜牛奶(スイカミルク)、30元(=90円)。スイカに牛乳?ゲーッ!と思うなら是非飲んでいただきたい。意外とイケるのです。また容器はこのようにちゃんと密封してくれるのでこぼれず持ち帰りにも便利。





生絞りなので西瓜のシャリシャリした繊維質が残っています。不思議なのは西瓜の種はどうやって取り除いているんでしょうなぁ?

海運都市紀行2日目 台南―スロットマシン化する自動券売機

2011年05月29日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
桃園国際機場に着いたのが前回までの話。日本人観光客のほとんどが台北市内に流れていく中、嘉義以南の南部地方に行く人もそれなりにいます。南部に行くにはかつては空路で行っていたみたいですが、台湾高鐵(新幹線)の開業後は大多数の乗客が高鐵を選択した結果、南部行きの航空便需要が極端に減ってしまったようです。

ですので、台北-高雄という台湾2大都市を結ぶ便ですら良くて1日に2便、全くフライトのない日もザラにあるため、空路での台南行きは非現実的です。そういう事情によりまずは台湾高鐵の桃園站を目指します。





桃園国際機場と高鐵桃園站の間はこのようなバスが運行されていて、日中であれば20分に1本ぐらいの間隔で運行されています。高鐵桃園站までは約15分ぐらいで着きます。将来的には桃園機場捷運が台北站から空港を経由し高鐵桃園站にまで至る計画もあります。





運賃は30元(=90円)。切符は空港ターミナルビル内のバス会社のオフィスが並んであるエリアで買えます。複数の会社のうち高鐵桃園站までのバスを扱っているのは統聯客運(Ubus)のカウンターです。違う会社のカウンターのオバチャンが「高鐵やったらUbusやで」と教えてくれました。





車内はこんな感じ。乗車口近辺が荷物置き場になってて、混んでると足の踏み場もないぐらいにスーツケースが積み込まれていたりします。





あっという間に高鐵桃園站に着きました。





自動販売機で13:21桃園站発14:43台南站着の657号のチケットが買えました、1,190元(=3,570円)。2千元を紙幣投入口に入れると、お釣りとして16枚もの50元硬貨がスロットマシンの如くジャラジャラと出てくるのには閉口します。この時点でもう既に発車数分前だったので急いでプラットフォームに降ります。





1時間と20分ぐらいで高鐵台南站に着きました。釜山から桃園国際機場に着いたときも暑かったけど、桃園から台南に着いたらこれまた暑い。それもそのはず台南は気候区分では熱帯圏なので、この日は32℃ぐらいありました。





桃園站では発車間際で時間がなくて写真を撮れなかったので台南站停車時に一応撮っておきました。





高鐵台南站から台南市中心部の台鐵台南站へは台鐵沙崙線という路線が最近開通したのでそれを利用します。高鐵台南站から一番近い台鐵の駅である中洲站から沙崙站(高鐵台南站)までが新規に開業した路線です。





高鐵の駅は台北と左營(高雄)を除いて郊外の何もないところに作られており、ここ台南も例外ではありません。本当に何にもない。ただ、どこかの国のように族議員が田んぼの真ん中に新幹線の駅をゴリ押しして作っているわけではないです。





車両はこんな感じ。高鐵の乗客がメインなので連絡しやすいダイヤ編成にはなっているようです。





車両の内装は日本の通勤車両に似ています。唯一大きく異なるのは入口に大きな段差があること。





台南站までは25元(=75円)、ゴトゴト揺られて20分ぐらいで着きます。





台南站到着です。妙にレトロな日本時代の駅舎が未だに現役バリバリで働いてくれています。駅の中がまた古っぽくて昔の南海電鉄天下茶屋駅のようなエエ感じのボロさにちょっと嬉しくなります。





台南站から歩いて5分ぐらいのところにある朝代大飯店というそこそこのクラスのホテルにチェックインしました。台南市内の主要観光スポットに歩いて行ける立地の良さが魅力です。不思議なことに冷蔵庫内のジュースが無料というサービス付き。

(つづく)

海運都市紀行2日目 台南―多謝台灣サンドイッチマン始動

2011年05月25日 | 2011海運都市紀行




05/01 日曜日
滞在地:釜山→台南
(このレポートでの通貨換算レート¥100=₩1,300)
(このレポートでの通貨換算レートTWD1=¥3.0)
本当はもうちょっと安いけど、端数が増えて計算が面倒くさいので。


8:00起床。今朝は早起きをしてチャガルチで焼き魚定食を食べるつもりをしていましたが、昨晩の豚足てんこ盛りがまだ胃の中に残っている気がしたので何も食べないことにしました。





釜山駅の前でタイミングよく来たリムジンバスに揺られて金海国際空港へ来ました。朝は出発便が多いのかいつになく人が多いです。





金海空港は出国審査を受けてしまった後でも、出発ゲートにセブンイレブンがあるので食べ物・飲み物・キムチや海苔といった韓国みやげの類は一通り揃います。便利なので毎回重宝しています。





朝ごはんを食べていなかったのと、せっかく韓国に来ているのでおにぎりを買いました。전주비빔全州ビビンバ味、₩700(=54円)。





製造の段階で既に混ぜたくってくれているので、ごはんはムラなくコチュジャン色に染まっています。見た目ほど辛くなくパクパクいけます。





続きまして불고기 카레プルコギカレー味、₩900(=70円)。





ごはんはやや薄めのドライカレー味に仕上がっており、真ん中にプルコギがガツンと盛られています。おにぎりの具をケチらない姿勢に好感が持てます。





헛개차ホッケ茶、₩1200(=92円)。パッケージの内容から何かの実であることだけは分かりますが、それが何を指しているのかは分からず仕舞いです。味はトウモロコシ茶のような、昆布ダシのような、よく分からん味でした。





そんなこんなで台湾桃園国際機場行きエアプサンBX701の搭乗開始時刻になりました。搭乗率は約4割と低調です、頑張れエアプサンの広報!

ちなみに釜山-台北の往復チケットをエアプサンのサイトで直接買ったら、燃油+税金込みで₩261,000(=20,000円)しかしませんでした。2万円で台湾に行けるとは釜山の民は幸せですなぁ。





フライト時間が2時間以上あるせいか、機内食は釜山-大阪便よりも本格的なものが出ました。鶏肉のコチュジャン煮とごはん、搾菜、スウィーティオのパイナップル。

既におにぎりを2つ食べているせいもあってか特においしいとは感じませんでしたが、チケット代金が安すぎるのに機内食まで出してもらって申し訳ない気持ちで一杯でした。





時差が1時間あるので時計の針を少し戻して12:20、台湾桃園国際機場第2航廈に着きました。この空港は何度も利用させてもらっているので、日本じゃないのに安堵感すら覚えます。





今回の旅の目的の一つは、東日本大震災に対して台湾の民間から寄せられた義援金への謝意を伝えることです。アメリカも官軍民挙げて支援をしてくださっているのは一日本人として非常に有り難く思いますが、人口と所得水準を勘案すると台湾人の身銭の切り方が半端ではないのと、何より台湾はボクの大好きな旅行先なので思い入れも強くお礼の気持ちを伝えたかった、ということです。

ボクは台湾華語が全くできないので、バッグの後ろに自作のポスターを貼りつけて、自分が歩き回ることでそれを見てもらうという方法を取りました。文言は「謝謝台湾計画」さんの広告からお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。m(_ _)m

(つづく)

海運都市紀行1日目 釜山―伝統の大量おかずに怯む

2011年05月18日 | 2011海運都市紀行




04/30 土曜日
滞在地:大阪→釜山
(このレポートでの通貨換算レート¥100=₩1,300)





さすがにラピートでの関西空港行きにも飽きてきたので、今回は趣向を変えてなんばOCATからリムジンバスで行くことにしました。片道1,000円、往復なら1,800円でなんば-関西空港間を移動できます。

道路事情に左右されるというデメリットはありますが、電車と違って確実に座席がありますし、大型の荷物は荷物入れに預かってもらえるので乗車中は気楽でよいです。また、旅客ターミナルビルの4階出発ロビーに到着し、空港からは1階到着ロビー前から出発するのも移動が少なくて済むのでGoodです。





なんば-関西空港間は小型のバスなので、定員は30人弱ぐらいのこじんまりした車体です。同区間はJRと南海と競合しているので、バスでなくとも空港へは行けますが、敢えてバスを選択するのは……





バスは景色がいいんです。なんばからは少し大回りで阪神高速の湾岸線をグルッと走って行くので、大阪のベイエリアを左右に見渡すことができるのです。さらに、電車は空港連絡橋の下を通るので橋脚が視界に入ってきますが、バスは連絡橋の2階部分の道路を走るので、視界を遮るものがないというメリットもあります。





ゴールデンウィークにもかかわらず、空港には人があまり多くありませんでした。今回も同じBX121釜山行き、機体遅れで出発が30分遅れました。

前回同様のランチボックスが出ましたが、今回は箱タイプではなくお盆に載せて提供されました。箱よりは機内食感が出ますね。





19:40
釜山金海国際空港に着きました。雨が降っております。





リムジンバスで釜山駅に行き、ホテルにチェックインして荷物を置いて、地下鉄に乗り込んでチャガルチにやってきました。チャガルチ駅から北に向かってしばらく歩くと、豚足屋がズラッと立ち並ぶ通称「豚足通り」と呼ばれるエリアがあります。看板に書かれている족발というのが豚足のことです。





どこの店も豚足屋なのでメニューはほぼ同じです。どこに入ろうかと思案していたら中から店員が「おいで」と言ってくれたので、かの有名な부산족발釜山チョッパルに入りました。





注文したのはオーソドックスな족발チョッパル(豚足)小、₩25,000(=1,920円)。韓国は焼肉の類を一人で食す習慣がないので、サイズ小と言えども2~3人前はあります。

チョッパルを注文するだけでテーブルの上に所狭しと広げられるバンチャン各種。イカのサラダにチャプチェにポテトサラダに……これだけ目の前に並べられるとそれだけで満腹になりそうです。

何につけるのか分かりませんが醤油とわさびも持ってきてくれてます。余談ですが、韓国で出されるわさびは食欲の失せるエメラルドグリーン色をしています。





さらにスープまで!左はじゃがいものスープ、カムジャタンではないので감자국カムジャクッとでもいうのかな?右は豆もやしのスープです。





メインのチョッパルは注文が通るたびにチョッパル職人たちが豚足から可食部のみを包丁で切り落とし、さらにそれを食べやすく3mm程度の薄切りにしてくれます。ですので骨に煩わされずに箸で摘めばそのまま全部いただけます。

赤身の肉と白い脂身と皮部分のプリプリが絶妙に調和していて、全くと言っていいほどしつこさはありません。これはあらかじめ豚足を茹でて処理してくれてあるのでハム感覚でガツガツ食べられるのだと思います。

もったいないので全部食べたのですが量が多すぎます。韓国の肉料理屋は一人で行っても拒否されませんが、注文する量が必然的に2人前超になってしまうので、小食の方はスンドゥブやテジクッパなどの一人で食べられる汁物に行かれる方が良いでしょう。