こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。
先日、レビー小体型認知症と診断された50代の女性の話を、直接お聞きする機会がありました。
とてもにこやかに、明快にお話しなさるので、認知症の方というイメージが覆された思いでした。
ご本人は、「認知症の人には見えない」と言われることが実は心外で、
「認知症だから何もわからないはずだ」
「だんだん悪くなる一方で将来を悲観しているにちがいない」という
イメージに合わないことをいぶかしがる視線がつらいそうです。
認知症には様々な症状があり、
経過も人それぞれなのに、
私も同じような目で見ていたかもしれないと大いに反省しました。
いくつかの病気にかかると、
その人が突然「その病気の人」という目で見られるようになります。
その典型的な病気が認知症かもしれません。
例えば、高血圧症の人を、ことあるごとに「あの人は血圧が高い人」という目で見るでしょうか。
その人はあくまでも「○○さん」であって、高血圧症はそれに関連する事情のときに出てくるに過ぎません。
このケースと同じように、認知症と診断された人も、「○○さん」として見てほしいと訴えていると思いました。
80歳でお亡くなりになった評論家の吉武輝子さんは、
長年複数の病気と闘ってこられた方ですが、
「病気はするけど、病人にはならない」とおっしゃっていたと樋口恵子さんからお聞きしました。
人には皆、寿命があります。
一生に一度も病気にならなかった人はいないと思います。
病気を抱えて生きていくことになったとき、
周りの人にその病気にばかり目を向けられたら、どんな気持ちになるでしょうか。
前述の女性も、「元気じゃない」のだから、「元気?」とはきかないでほしいそうです。
「元気そう」とも言わないでほしいそうです。
それよりも、たまに「最近、どうしてる?」と連絡してほしいということでした。
皆さんも、「最近、どうしてる?」と親御さんに声をかけてみませんか。
病気を抱えているとつい病状を聞いてしまいますが、
「どうしてる?」と投げかけたら、どんな返事が返ってくるか、耳を澄ませてみるといいですね。