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【介護アドバイザーコラム】みんなにやさしい社会とは

2015年05月01日 | 介護事業

こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。

先日、あるイベントで眼が不自由な男性が会場から発言されました。その日に聞いた話の中で一番印象に残ったので皆さんにお伝えします。

その方は、全盲だそうです。資格を活かしたお仕事をされていて、趣味も多彩で、特に楽器の演奏がお好きだとか。

仕事が終わった後、ライブハウスで夜遅くまで演奏を楽しんでいる“不良盲人”の彼が困っていることとは?

それは、夜になると、交差点の信号機の音声案内がストップしてしまうことだそうです。一定の時間を過ぎると、近隣住民への配慮から音声が止められてしまうということを、皆さんはご存知でしたか。

音がすれば、どこに横断歩道があるかと青信号に変わったことがわかります。それが、全く音がしない状態ではいつ渡ってよいかわからないし、深夜の道路では車がスピードを上げているし、人通りがなければ教えてくれる人もいません。大変危険なのだそうです。

もう一つ、トイレについてです。

日本のトイレが世界で一番ハイテクであることは有名ですが、眼が不自由な方にとっては、どんどん不便になっているそうです。

確かに、眼が見えても、初めて入ったトイレでは、水を流すのに苦労することがありますね。以前のトイレは、便器のレバーを押したり、貯水タンク脇のレバーを回したり、ひもを引っ張るタイプもありました。そのくらいのパターンだったので何とかなりました。

ところが今のハイテクトイレは、センサーやボタンやレバーが、壁のあちこちについていて、すぐにはわかりません。全自動のトイレでは、入った途端にセンサーが作動して水が流れ、勿体ないなあと思うことがあります。

その男性は、手さぐりでボタンを探すのでしょう。何度も非常ボタンを押してしまったとおっしゃっていました。

各社が競ってハイテクにするのはいいとしても、好き勝手にデザインされ、トイレの大きさや位置によっててんてんでんばらばらに設置されているとしたら、そこには大きな落とし穴があるのではないでしょうか。

眼が不自由な方だけが困っているとは思えません。認知症の人、子ども、日本語が読めない外国人なども、トイレの中でどうしようと焦っている様子が目に浮かびます。

みんなにやさしい社会って何なのでしょうね。