前シーズンの「ブザー・ビート」に対する世間の高評価は,私の想像を超える凄いものがあった。平均視聴率14.37%は,フルレングス(平均11回)のドラマの中では,黒木メイサの尋常ではない格好良さの助力もあって,見事に草剛の代表作となった「任侠ヘルパー」に次ぐ第2位を記録。内容についても,私が目にしただけで大手新聞紙2紙に「これぞ月9ドラマの本道」と感激した読者の声が載り,映画評論の老舗「キネマ旬報」のドラマ時評もが絶賛と,恋愛ドラマ回帰を評価する声は,留まるところを知らない状態だった。
茶の間に「ハードディスク録画機」がやって来てからTVドラマを観るようになった「ドラマ初心者」である私は,若者のシンプルな純愛ものが「月9」の王道だった時代を知らない。だから,どんなに「昔の月9は良かった」と言われようとも,近年の作品との比較は出来ない。
なので,新作についても絶対評価で相対することにならざるを得ないのだが,月9の新しい道を拓いたと言われた「不機嫌なジーン」の大森美香が,世界中が大不況に沈むこの2009年に,敢えて混じりっ気なしの恋愛ドラマ「ブザー・ビート」で勝負を挑んできた理由は,遂に理解できなかった。年収300万円のプロ・スポーツ選手のリッチを装った耐乏生活,という展開を期待した私がバカでした。はい。
ということで,ようやく長い夏が終わって秋が来た訳だが,月9の新作は話題のイケメン2人と旬の女優という「ブザー・ビート」とは構成の異なる三角関係で来た。またもや私はお呼びでないのかとがっかりしていたら,これが何と小栗旬の持ち味を生かしたオフ・ビートの刑事コメディという,まさかの僥倖。今度は私が新聞の読者欄に「もう後戻りは止めてね」と投稿する時が来たようだ。
脚本の福田雄一は,逃げも隠れもしないあの脱力コメディ「33分探偵」の作者。そこでも「東京DOGS」同様の脱力コントが毎回,堂本剛,水川あさみ,高橋克美というメインのトリオによって演じられていたのだが,この3人,資質は基本的に皆ボケだったため,時々コントの収まりどころが見つけられなくなるきらいがあった。
しかし今回はボケの小栗旬に対して,水嶋ヒロがきっちりとしたツッコミ役を振られており,更に小栗の母親役の田中好子が息子の上前をはねるようなボケとして君臨していることもあって,笑いを取りに行った時の安定感は「33分探偵」を上回るかもしれない。
好調だった初回に比べると,お笑いパートに限って言えば第2回は既にやや失速気味だったが,私の永遠のアイドルであるバスター・キートン以来,綿々と続いてきた「笑わないハンサム」の伝統を踏まえたコメディという崇高な目標に向かって,邁進して欲しい。総長,そこんとこよろしく。
茶の間に「ハードディスク録画機」がやって来てからTVドラマを観るようになった「ドラマ初心者」である私は,若者のシンプルな純愛ものが「月9」の王道だった時代を知らない。だから,どんなに「昔の月9は良かった」と言われようとも,近年の作品との比較は出来ない。
なので,新作についても絶対評価で相対することにならざるを得ないのだが,月9の新しい道を拓いたと言われた「不機嫌なジーン」の大森美香が,世界中が大不況に沈むこの2009年に,敢えて混じりっ気なしの恋愛ドラマ「ブザー・ビート」で勝負を挑んできた理由は,遂に理解できなかった。年収300万円のプロ・スポーツ選手のリッチを装った耐乏生活,という展開を期待した私がバカでした。はい。
ということで,ようやく長い夏が終わって秋が来た訳だが,月9の新作は話題のイケメン2人と旬の女優という「ブザー・ビート」とは構成の異なる三角関係で来た。またもや私はお呼びでないのかとがっかりしていたら,これが何と小栗旬の持ち味を生かしたオフ・ビートの刑事コメディという,まさかの僥倖。今度は私が新聞の読者欄に「もう後戻りは止めてね」と投稿する時が来たようだ。
脚本の福田雄一は,逃げも隠れもしないあの脱力コメディ「33分探偵」の作者。そこでも「東京DOGS」同様の脱力コントが毎回,堂本剛,水川あさみ,高橋克美というメインのトリオによって演じられていたのだが,この3人,資質は基本的に皆ボケだったため,時々コントの収まりどころが見つけられなくなるきらいがあった。
しかし今回はボケの小栗旬に対して,水嶋ヒロがきっちりとしたツッコミ役を振られており,更に小栗の母親役の田中好子が息子の上前をはねるようなボケとして君臨していることもあって,笑いを取りに行った時の安定感は「33分探偵」を上回るかもしれない。
好調だった初回に比べると,お笑いパートに限って言えば第2回は既にやや失速気味だったが,私の永遠のアイドルであるバスター・キートン以来,綿々と続いてきた「笑わないハンサム」の伝統を踏まえたコメディという崇高な目標に向かって,邁進して欲しい。総長,そこんとこよろしく。